海外での旅行者との会話で必ず話題に上るのは「○○で会った旅行者の人がトラブルに遭った」というものです。
私の経験上、日本人同士でこの会話になることが多いですが、どの地域の旅行者であれ少なからず「防犯関係」に興味があります。
色々なパターンがありますが、よく聞く例にグループによる犯罪があります。
例えば、私の印象に強く残ったのはモロッコで日本人旅行者が遭ったトラブル。
モロッコで日本人旅行者二人が騙された話
彼はモロッコに来る前、いわゆる西回りというやつで東南アジア、中央アジア、ヨーロッパを旅してアフリカの入口であるモロッコに来たそうです。彼は一人旅ではなく男友達と二人で旅行していたそうでした。
旅慣れしながらも、アフリカという初めての地域なのでトラブルに遭わないよう、二人は警戒していたらしいです。
現地の空気を楽しみながらも、いわゆる窃盗や詐欺などのトラブルに巻き込まれないよう行動していました。
そんな彼らは現地で一人旅をしているヨーロピアンの青年と仲良くなったそうです。
仲良くなってから数日、何回か食事や遊びを一緒にしているうち、お互い気が合って打ち解けたとのことでした。
日本人旅行者の二人はモロッコというアフリカの大地で、まさかヨーロピアンが、しかも同じ旅行者の立場の人間が、とは思わなかったとのこと。そのヨーロピアンの旅の話も実際に旅をしているとしか思えない内容で完全に信用していたそうです。
知り合ってから数日、そのヨーロピアンはモロッコ人の友達の家に一緒に行かないかと誘ってきました。
カウチサーフィンというアプリで仲良くなったというのです。日本人旅行者の二人はそのヨーロピアンがカウチサーフィンを使って旅をしていると以前から聞かされていたので、別段違和感を感じませんでした。
いざ、行ってみるとモロッコ人の男性は家族持ちでとてもフレンドリー。すっかり気を許して楽しく話したそうです。
そしてそのモロッコ人から「面白いツアーがあるから明後日一ぜひ緒に行こう」「ただヨーロッパの会社の系列だからユーロ支払い、一応支払い用にクレジットカードを持ってきてくれ」と言われました。
文字にしてみると明らかに怪しいですが、実際数日かけて仲良くなったヨーロピアンも乗り気で、家族持ちの男性も非常に親切だったので「怪しいツアーだったら断ればいい」と思ったそうです。
ツアー自体は明後日でしたが、朝早く絶景で朝日を見るとのことだったので、前日にもう一度男性の家に泊まらせてもらいました。
二度目ではあったものの依然男性は親切でヨーロピアンと一緒に大いに盛り上がアったそうです。
その宴会の席でモロッコ人の男性がヨーロピアンにマリファナを薦めます。
日本人旅行者の二人はそれが違法だと知っていましたが、ヨーロピアンは「自分の国では合法だし、違法とされる旅先で吸ったけど大丈夫だった」と言って吸ってしまいます。
その時、日本人旅行者の二人は吸いませんでした。
理由は違法というのもありますが、そのモロッコ人の男性が薦めなかったからです。
マリファナを吸いながら旅の話をするヨーロピアンとモロッコ人の男性。
30分経ち、1時間経ち、モロッコ人の男性がトイレに立ったタイミングです。
ふと自然な流れの中、ヨーロピアンが日本人旅行者の二人にマリファナを薦めます。
もう二人は完全に信用していたために、薦められるがままパイプに口を付けました。
その時、トイレに行っていたはずのモロッコ人の男性が部屋の入口に居てこう言います。
「3人で2000ユーロ払わないと警察に通報するぞ!!」
結局この二人はお金を払うのですが、一人約700ユーロではなく、ヨーロピアンが1000ユーロ、 日本人旅行者は二人で1000ユーロ払ったそうです。
日本人旅行者二人からすれば完全に「現地のモロッコ人も同罪」だったのですが、
とにかくこのヨーロピアンが「犯罪者になりたくない」「穏便に済ませたい」と言ってききません。
彼曰く「海外で罪を犯すと自国でも犯罪になる」というようなことを言っていたといいます。
そしてついにヨーロピアンが「俺はたくさん吸ったから1000ユーロ払う、二人は少なくていい」と言い、
結局それに折れてツアー用に持ってきたクレジットカードを使ってしまったということです。
今思えば・・・
しかし、その被害に遭った本人曰く、「今考えれば、あれはヨーロピアンもグルだった」とのことです。
つまり数日前からすでに目をつけられていて、詐欺はその時から始まっていたというのです。
その時はなんとも思わなかった言動も思い起こせば不自然の連続、ただどうすれば防げたのかというのはすごく難しい問題です。
全ての出会いを疑えば旅そのものがつまらなくなってしまいます、かといって間口が広いとだまされてしまう。
その中間のちょうどいいところを長期旅行者は見つけていくものですが、半年以上旅した彼らも騙されてしまいました。
私も一度だまされたことがあるのですが、「相手は騙すことのプロ」です。
単独犯もいれば、複数犯もいます。一回のタイミングで仕掛けてくることもあれば、時間をおいてというのもあります。
完全にブロックするのはおそらく不可能じゃないでしょうか。
そこで私が考えたのは「被害額を小さくする」。
多くの話を聞いてきた感想として、警戒していても術中にはまってしまうこともやはり避けられないので、
そうなったときの対処法が大事だと思います。
カメラなどの物品はもとより、現金やカードも例外ではありません。
特にクレジットカードは大金が引き出せるので、そこを狙ったトラブルの話が多い気がします。
「クレジットカードは本人の意思で降ろされなければ無効」と思う方もいると思いますが、多くは断れないような状況で
引き出しを迫られます。
そこで私が目を付けたのが「NEO MONEY」です。
これもほかの旅人から聞きました。
クレジットカードのように使えますが、事前チャージ制なので使いすぎることもなく、ちょうど現金とクレジットカードの間的な存在です。
NEO MONEYとは?
調べたところクレディセゾン発行のクレジットカードで日本でチャージしていきます。
使い勝手は事前チャージが必要な以外クレジットカードとほとんど変わりません。
・審査なし、即日発効
・13歳以上なら発行可能
・口座維持料が0円
・カード利用時にメールで残高がわかる
などメリットも多く、発行が簡単なのでおすすめです。
詳しくはこちらをご覧ください。
よく海外旅行では「財布に関係のないカードを入れておく」ことが鉄則だとされています。
日本語のカードは他国の人にはわからないのでダミーとして使えということです。
しかし、無効だってチップがついてなかったり明らかに古いカードが入っていればダミーだと気づきやすくなります。
日本にいると想像しにくいですが、お金を盗ろうとして相手が持っていないと暴力を振るわれる(八つ当たり)という
理不尽極まりない事件も少なくありません。
使わないに越したことはありませんが、私は必ず持っていくようにしています。
海外旅行に行かれる方はもとより、留学やビジネスに行く人も是非持っていくことをおすすめします。