決算期に入り大忙しの皆さんこんにちは、無事確定申告が終わりました、宮下です。
日本に戻ってきたら旅もいったん終わりだし、ビックリするほど日記が進むんじゃないかと自分に期待してたんですが、
逆にビックリするほど進まない。
いやぁ、自分のポテンシャルには驚かされてばかりです。
日本の生活がもう素晴らしすぎて、半分主婦化してますからね、これはまずい。計画立てて次の旅に出なければ・・・
この前は・・・ジョージタウンとか!?いやいや、キャメロンハイランドまで行ってましたね、よかった・・・
キャメロンハイランドを越えてクアラルンプール近郊に泊まった日、ホテルでこれからの旅程を考えました。なんだかんだでタイが楽しすぎて大幅に日数をとっていたのでここからシンガポールへゆっくり向かっているとラオスやカンボジアに行く時間がない。
じゃあ、そもそもなんでシンガポールへ行くのかと言われると、実は理由がない。
言うなればそれはシンガポールが南端だから。
バイク乗ってるやつは目的地の設定がこんなもんです。バイクに乗る理由が欲しくて出発しますからね。
目的地を設定するのはバイクに乗るための手段なんです。
一方でこんな話も聞いてました。マレーシアにあるキナバル山がすごいらしい。キナバル山は4000mを越える東南アジア有数の標高が高い山で、その山頂はまるでほかの惑星のようだ、と。キナバル山へ登るにはわざわざクアラルンプールから飛行機に乗って、空港からバスで3時間。ただ調べるとどうやら登れないこともない。
この旅はもはやバイクに乗るというよりは写真を撮るための旅と化してますからね。
シンガポールまで片道500kmをマーライン撮るために移動するのもアレだし、ここは登山するか!って考えに至りました。なのでシンガポールへは行かずにクアラルンプールからコタキナバルへ向かいます。
さっそく旅券を予約。まぁ、当日券はさすがにキツイので翌日に予約して、それまでの時間で比較的近くにある世界遺産のマラッカを観光することにしました。いつも通りチェックアウトを済ませ、バイクの元へ毎朝出発前と到着後に車体の簡単な点検みたいなのをするんですが、最近めっきり後ろタイヤがツルッツルになってまして・・・
まぁ、マラッカからクアラルンプールに戻ってきたらタイヤ交換して気持ちよくキナバル山を目指そうなんて思ってたんです。本当だよ?
そんな心持でマラッカに向かう途中、グニャリいやな感触がして車体が蛇行し始めました。
高速道路で。
ちょうど運よく下道に出れる分岐点だったのでそのまま高速を離脱、自転車みたいな速度で料金所を通過しました。ちょうどそこにいた警察官(迷彩服だから軍人かも)に
「パンクしちゃった!近くのバイク屋紹介して!」
と泣きついた。東南アジアの旅ではとにかく人の親切に頼ってやれホテルだのやれ警察署だの場所を聞きまくりましたが、
日本で外人に聞かれて俺は同じ質問に答えられるのか?
とちょっと反省します。まぁ、タイもマレーシアも都市部でなければ主要路に沿ってホテルや警察署があるのでわりと答えやすいのかもしれませんが、いきなり外人に「〇〇はどこにあるんだ?」って聞かれるのはハードル高いよなぁ。
二人いたオフィサーが相談して一人についていくことに。まぁ、私もバイクで旅してる身なのでこういうトラブル、特にパンクなんてのは起きて当然くらいに思ってました。だから改めてこのタイヤのツルツルさ具合を見て、むしろ良くぞ今までパンクしなかったな、お前はと。いや、普通に換えろやってカンジですね。ここまでで5000km走ってます、お疲れさま!
オフィサーは駐車場まで案内するとパンクの様子を伺う。その隙に荷物を降ろし、シートの下にある予備のチューブと車載工具を取り出した。
「釘を踏んだわけじゃなくて溝が徐々に減ってパンクしたと思うんだ」
オフィサーが頷く。
「チューブの換えならあるんだ、でも空気入れがない。もし近くにバイク屋があるならそれだけ借りられればいいんだけど・・・」
言い終わらないうちに「お前はここにいろ」と言ってどこかへバイクで向かった。たぶん空気入れを持ってきてくれる、ことに期待しよう。
車載工具を使ってパンクしたタイヤの取り外しにかかる。車載工具から頼りない太さのスパナとメガネレンチを使って固定されているナットを外そうとする。
が、取れない。
後ろタイヤを固定するナットがすさまじい硬さで固定されていて車載工具ではビクともしないことが判明した。車載工具ってのはバイクを買うとついてくるオマケ程度の道具で組み立て式の棚なんかを買うとついてくる簡易的な工具とほぼほぼ一緒である。材料費をケチってるのか長さが全然ないのでモーメントがかからず使い物にならない。
いや、出発前にそんなのは知ってたんだがお守りがてら持ってきたんだった。
使えないならなぜ後生大事に持ってきたのか・・・いや、一応ミラーの調整くらいには使ったが・・・
完全に露呈したよね、計画のなさが。
何とかなるさ!が悪い方に出たパターン。気分とは裏腹に快晴の空に浮かぶお天道様がジリジリと肌を焼く。
あー・・・これ空気入れ持ってこられても直らないわ・・・
と凹んでいるところへオフィサー登場。こっちが謝るより先に「近くのバイク屋に行くぞ!」と案内してくれました。バイク屋に着くと「タイヤもダメだからチューブだけ換えてもすぐにパンクする、全部換えてもらえ」と。そういう狙いで空気入れを借りずに直接連れてきてくれたようです。もし私が女子だったら
素敵ッ!抱いて!
ってなってたかもしれません。でも、そこは三十路のオッサンですからね、フツーに感謝して別れました。連れてこられたバイク屋は小さな小屋のようでお世辞にも綺麗とは言えない場所でした。店員がオッサンと若いにーちゃんの二人とか・・・
もうね、こういう店大好き。
こういう店の方が丁寧な接客したり、親身に話を聞いてくれたり、世間話の中にアドバイスが入ってたりするんですよ。オッサンはタイヤを一回転させて眺めると速攻で外し始めました、煙草吸ったままのカジュアルさがいいよね。
そのタイヤレバーで今まで何本のタイヤを交換してきたんだろう、と思ってよく見るとマイナスドライバーでした。弘法筆を選ばずってやつですか。
タイヤ修理の最中に若いにーちゃんにはオイル交換を頼みました。ちょっとだけ英語が喋れるらしくアプリで友達登録しようと言われましたがそのアプリを持っておらず・・・すまぬ。マラッカへ遊びに行く途中だと伝えると「それは遠いね!」だって。今まで道のほうがずっと長いよと答えると「言う通りだね」と笑ってました。タイのバイクだけど快く直してくれた、感謝!
先ほど下りてきた高速に再度入場。世話してくれたオフィサーにお礼が言いたかったけど対応中で忙しそうだったので手だけ振ってその場を後にする。ありがとよー!
そこから30kmくらいだったかな。遠いと言われてたからもっとあると思ったけどめっちゃ近いじゃないですか・・・とこの時思いました。後にスクータータイプのバイクは「レディバイク」と呼ばれていて、おばちゃんが買い物に行くときに使ったりするのが一般的で、30kmでも十分遠出らしいことがわかりました。
マラッカの街が近づくにつれて車の流れが徐々に悪く・・・適当なところに相棒を停めて徒歩リングに切り替えました。足が取れるまで歩いてやるぜー!
マラッカはマラッカ海峡に面する交易都市で古くから他民族の交易地として知られていた。街の文字盤には多い時で6000もの言語がこの港町で商いのために飛び交っていたとの記述、本当かよ。
一体だれが数えたんだ・・・。
まぁその数よりも驚いたのはその中に「Ryukyu」ってのがあったことです。JapanじゃなくてRyukyuなんだって・・・まぁ薩摩藩が併合する前の話なんでおかしくはないんですが、そんなに前の沖縄からこのマラッカまで船で交易するとかすげーな、と素直に思いました。そういう他民族の交流もさることながら16世紀にはオランダ、17 世紀にはポルトガル、そして18世紀イギリスと代わる代わる植民地として統治されていた歴史を持っている。それゆえに街並みはどこか西洋的な要素が強く、街並みが美しい。
そんな歴史を持つ街なのでランドマークもこういうカンジにダイナミック!
その裏には巨大な水車。歴史的意味があるのかとおもったら生命の輪廻や文明の発展を表したモニュメントらしい。
川の向こう側の建物。西洋っぽく見えなくもないけど壁に漢字があるだけで一気に中国建築に見える。ちなみに街へ続く運河の岸にはいたるところに砲台があった。何でも交易船だけじゃなくそれを狙う海賊船も多かったんだとか。天災に人災、海の男が勇敢だと言われる理由もわかるなー。
ここはオランダ広場と言われているらしい。中央の協会はオランダ統治時代に建てられたもの。広さもそれなりにあるのでまさにお土産市場。中国と英語と日本語が飛び交ってました。
東南アジアにあるメジャーな宗教施設で一番シンプルなのはキリスト教なイメージ。実は撮影してるすぐ横でキリストとマラッカのコラボグッズみたいなのが売ってて「どこも変わらないんだな~」と思いました。
せっかくだから主要モニュメントだけじゃなくて街歩きしようということで郊外へ向けて出発。やっぱり一大観光地だけあって車は結構渋滞してました。
街歩きはやっぱり楽しい。ハトがやたらと群がる噴水とか・・・
旧正月に沸く中華街の人だかりとか・・・
街角に停められた白バイとか・・・
写真をお願いしにくる白人のおばさんとか、風俗の客引きのおっさんとか。全部一期一会だからなー。
そうして歩いていると
!?
って像があった。これだ。
理由はないけど思い出風に加工。効果音は「パァア」ってカンジで。
凄まじい筋力!刃牙に出てくるオリバみたいなやつだなー。どうやら彼はミスターマレーシアやミスターインターナショナルになったこともある英雄的な人らしい。女性観光客がめっちゃキャイキャイしてた。どうでもいいんだけど、その脇の筋肉っていつ使うのさ・・・
なんでかわからないけどこれを見たらそろそろ戻ろうって気になりました、不思議ー。
まぁ、散策したら時間も結構食ったし、そろそろ戻りますか。
帰り際に見つけたオシャレな建物。こういうセンスは正直うらやましい。
窓から中を見たら食事中の人がいたのでどうやらレストランっぽい。日本でやったらすぐに名所扱いになりそうだ。
その先の雑貨屋に駐車されてたバイク。さすがにホンダからこういうカラーは発売されなそうだが・・・いや、あるのかな、ないのかな。そんな絶妙なラインが東南アジアにはあるかもしれないとも言い切れない。日本にあったら絶対に浮くんだけどここだと溶け込むんだよなー。あ、さっきのオシャレレストランも同じか。
なんだかんだで大分戻ってきた。
これは中心部に戻る途中で渡ったオランダ広場前の端から見える景色。いいよね、なんか。
このあと渋滞のマラッカを走りクアラルンプール近郊まで戻りました。夜の高速道路の料金所を抜けたところで手早く撮影。思うけど国力は道路にモロに出ます、タイしかりマレーシアしかり日本しかり。東南アジアを走ってると日本の道路網が異常に発達してるなぁと実感する毎日。
明日はコタキナバルに飛んでキナバル山へ登る手続きやらに移ります。行動あるのみ!
それでは!
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