月別: 2016年2月

2016年1月30日 南国リゾート・プーケット満喫

まだまだ冬の味覚を楽しむみなさん、こんにちは。東南アジアの謎の味付けを日本と同じ価格帯で嫌々食べる宮下です。

すまん!また更新が!というのはこの際もうナシにしましょう。
色々すったもんだがありましたが、ついにカンボジア入りを果たし、日本人が海外旅行で一番の満足度を感じるアンコールワットまでたどり着きました。いやー、まぁ、色々あったのはいずれ書くとして・・・

この日記は一応私のことを身内に伝えるものでもあるので簡単に今の状況と今後の予定を書きます。
1.バイクで走行中に転倒→本人無事だがバイクのエンジンオイル漏れ発生
2.修理に出すもエンジンオイル漏れ完全には防げず
3.これから行く予定だったラオスをキャンセルしてタイに戻ったら東南アジア周遊終了予定(NEW!)

ラオス行かねーのかよ!って感じですか、私もです。
でもね、最悪エンジン焼き付いて動かなくなったり、発火する恐れもあるから今回は見送りだね。バイクも乗った後売ろうと思ってたけど、事故車なのでスクラップですなー、いくらかかるのやら・・・

まぁ、ラオスには機会を作ってぜひ行きたいです、なんせ最高に楽しいからね。

で、日記の続きです↓

—1月28,29日—
この両日は写真まったくないんです。何やってたかっていうとダイビングのライセンス取ってました。
実は宿泊したプーケットの安宿がダイビングショップ併設でそこに泊まっていた日本人の人から話を聞き、
「いい機会だからとったろ!」ということでその研修を受けてました。

ライセンスの種類はオープンウォーターというもので、これがあるとインストラクターではないバディ(相方)と潜ることができるんです。
どうせ潜るんなら友達とのほうがいいだろってことですね。
結果、普通に取得できました(健康に問題なければ普通に取れる)

プーケットは世界的にダイバーに人気のスポットも近く、そんな海での研修はそりゃもう楽しかったです。
陸地とは全く違う風景と水中で呼吸できる素晴らしさにに感動しました。

今は一眼レフ用の防水ハウジングがあったりするのでいつかそういう完全装備で潜ってみたいな。

—1月30日—
この日はプーケット滞在最後の日。午前中は単独行動、午後からは宿で一緒になったのもの何かの縁ということで新しくできた友達とプーケットを散策します。

朝、オープンウォーター取得のために通ったビーチに写真を撮りに来ました。この色鮮やかなボートが白い砂浜とセルリアンブルーの空に調和する鮮やかさなんです。ここに黒塗りのシックな船だったらちょっと合わない、南国みたいに自然の色彩が鮮やかだとそういう感性が伸びるんだろうな。

IMGP5023

小舟に掲げられた旗。この旗の青は王族を、白は建国の象徴となった白象(宗教)を、そして赤は国民の団結を表しているという。国旗の意味はもちろん国によって違う。フィリピンの国旗なんかは青と赤が多くの部分を占めてるんだけど、戦争状態になると国民を奮い立たせるために、逆の配置で使われたりするんだとか。今気づいたけどエンジンの回転体の部分だけ違う色が使われている。

IMGP5021

プーケットにあったお寺「ワット・シャロン」。この角度でみると結構荘厳な感じなんですが・・・

IMGP5064

そのすぐ手前には目の焦点があってない人形が置いてあります。こういうところがタイっぽいなぁ、と謎のタイらしさを感じるようになりました。

IMGP5063

宗教施設の多くで感じるのは「中が案外広い」ということですが、それは一重に高さがあるからです。屋根近くの彫刻は(私の目が悪いのもありますが)細かいところまで肉眼であんまりわかりません。でも、ズームレンズで覗くとかなり細かい造形までしっかり作ってあるのがわかります。街の電線はスーパー適当なのに・・・やっぱり宗教ってのはすごいね。

IMGP5054

あ、これがワットシャロンの本殿ですね。なんでこんな画になっちゃったかっていうと、この手前にバスが間違って入ってきちゃったみたいで立往生してたんです。え、これ以上下がれないので仕方なく魚眼レンズで撮りました。こんだけ広いと空に明暗のグラデーションが出てしまう。

IMGP5086

レンズも替えず、そのまま入場。前の人に倣えば宗教的な所作もある程度真似できるんですが、その中に心が入ってるかっていうと一切入ってないですからね・・・金色の像を見て「あなたは誰なんですか・・・」と思いながら祈るフリも嫌なので、ここは純粋に地元人にとって邪魔でしかない観光客に徹します。日本のお寺との一番の違いは、カラフルさとお城っぽさですかね。石を使ってるから宮殿みたいに見えるのか、同じ仏教でも完全に異世界の空間です。

IMGP5085

上のカラフルな模様は宇宙を表してるのかな。ここは床がひんやりして居心地が最高にいいですが、あんまりゆっくりしてるとほかの場所に行けなくなるのでそろそろ移動。

 

道行く地元の人に聞いたら展望台からならいい写真が撮れるだろう、ということを聞きそこに向かうことに。道は市街地から直接行けるところと迂回路の2つ。Google mapで薄くつながっているので行けるものかと突っ込んだらちょっと無理だ。徒歩で通る道みたいで凹凸の横には崖や1mくらいある穴が空いてたり・・・落ちる前に引き返すか。

IMGP5090

そのころにはすでに昼の時間だったので、宿に戻って友達と合流、プーケットの街並みを観光することに。プーケットの旧市街に残されている建築群は中国とポルトガルの影響を受けた中国・ポルトガル様式(シノ・ポルトギース・スタイル)と呼ばれているそうです。たしかにヨーロッパっぽい感じもするけど、一階を見るとそうでもないような・・・カラフルな色合いは青空に映える鮮やかさでした。IMGP5105

街がオシャレだとテンション上がるよね。西洋と東洋の様式が入り混じっているとはいえ、全体的のヨーロピアンっぽいところだな。先に何があるか全然知らないけどフィーリングで進む。やっぱり外国人観光客が多いのかアルファベット表記がたくさんあった、中には「ハンドメイド」とカタカナの文字も。この日はシーズンオフと平日が重なって我々しかいなかったけど、繁忙期には混み混みかもしれない。

IMGP5117

この先に何があるのか勇んで進むと地元の小さなショッピングセンターでした。タイが比較的治安いいとはいえ進むごとに煩雑かつ薄暗くなっていくとちょっとビクビクするなぁ、その辺、単独行動よりはよっぽど心強い。

IMGP5121

その後も「気が向いた方に進む」というルールだけを守り続けて30分ほど。一人でも楽しいことは楽しいんだけど外国のツッコミどころみたいなのを共有できるのは団体行動ならではだよなー、楽しかった。

IMGP5141

IMGP5148

オシャレで色鮮やかなオールドタウンはすぐに終わって、すすけた色したアパートみたいなのが乱立するタイらしい町並みになりました。この電線は結構な数ですがタイの中ではすごく綺麗になってる方です、工事した人エライ!

IMGP5150

バイクを取りに戻る間にみた矢印看板群。ここまで来たら商店街マップみたいなのを作った方がいいんじゃないかと思うんだけど、こういうところがこの街らしくていいのかもしれない。

IMGP5157

この後、どこに行くのか迷ったんだけど「そういえば展望台に行ってないなー」ということでそこに向かうことに。午前中のヤバすぎる道は避けて迂回路を行く、展望台が近づくにつれて木陰が多くなってありがたい。あくまで走ってきた体感だが、なかなか見通しが効きそうな高さだ。ちょっと期待が高まる。

 

駐車場にバイクを停めていざ展望台へ。白亜で塗られた外壁にカラフルな窓、この街らしくオシャレです。

IMGP5178

展望台からの眺めは・・・うん、普通だね!あ、普通にいいねってことね。でも、特別いいわけでもないね!って意味でもある。街は上から見下ろすと実はあんまり日本と変わらないんじゃないかって印象を受けるくらいでした。

 

まぁ、これは持論なんだけど人が絶景と感じるにはいくつかの要素があると思う。その中の一つに「視界に占める特徴的な景色の面積」ってのがあると思うんだよね。平坦な場所で横から眺めるよりも、高さのある場所から見下ろすことでそれを稼ぎやすくなる。この要素だけに絞れるわけではないけど、一つの要因として高さを稼ぐ山からの景色ってのは絶景になりやすいよなーとか考えてました。

IMGP5163

そんな長めのいい場所でSNSに使うプロフィール写真用の撮影会が始まりました。この休日にハジけたところを日本に持ち帰ろうって魂胆です。昼間っからビールを飲んで絶好調!

IMGP5183

前から撮りたかった跳躍の画も撮らせてもらえました。手足長い人だと画になる、いい一枚が撮れてよかったー。

IMGP5218

最後はちょっとはしゃぎ過ぎました。立てたビールと水平に逆立ちしようとしたら寄りかかる予定の手すりが思ったより遠く・・・本人は痛がってましたが私は腹が捩れるくらい笑いました。しっかしろ!傷は浅いぞー!

ちなみにこれが一番いい写真だと思うんだけどどうでしょうか。

IMGP5187

その後もこの展望台で色々話して楽しみました。もし国内で出会っていたらこんな風には打ち解けていなかっただろうなぁ。出会い自体ももちろん大事だけど「どこで出会うか」ってのもその後を大きく左右する要因だよね。

 

日も少しずつ傾いてきたので夕飯を食べにKFCへ。そのあと二人は買い物、私は夕日を撮りに海岸へ向かいました。途中外人に道を聞かれて「俺もここの人間じゃないっつーの」という押し問答をした後、どうやら目指すところは同じだったので一緒に移動しました。人気の夕日撮影スポットです。

 

すでに駐車場には多くの車が止まり、わんさか人が集まっていました。その中を進んでたぶんここだという場所で待機。サンセットクルーズなのかサンビームの中へ入っていく船、この色合いだと例え浮輪で浮かぶ太ったオッサンだろうとドラマティックに映るでしょう。

IMGP5246

ここでも中国人が最高にうるさい。楽しく談笑しているだけなのだが、ケンカしてるんじゃないかってくらい声をあげて話に割り込んでいく。こんなこと書いてもしょうがないんだが中国人はとにかくどこでも嫌われている、マナーが悪いからだ。次に聞くのが韓国人。

 

この両者、地元の人に仕事を回さないことでも有名らしい。例えばプーケットで何か商売を始める場合、何らかの形でプーケットの人に仕事を回すシステムを作るべきで、商品の仕入れだったり、ガイドやドライバーの斡旋を行うのが一般的だ。観光地のプーケットはタイ国民の財産であり、その財産を利用して商売をするならその所有側にも恩恵を分けることで商売させてもらう、という感覚が大事だと思う。けれど中国人と韓国人はそれをあまりしない。現地のチャイナタウンやコリアンタウンのコネを使い、これまた中国系・韓国系のツアー会社と組んでバス移動などで済ます。観光先でもチャイナレストランを使い、同一民族の中だけで仕事を完結させてしまう。

 

これはさすがに地元の人も怒るというものだ。タイの人はうるさくしゃべるのが嫌いらしく、それがさらに拍車をかけている気がする・・・

最近起きた出来事だと韓国系のみで統一して商売を行っていたダイビング会社の船が地元の人にこっそり沈められたらしい。恐ろしや。

 

ちなみに日本人は好かれていることが多いが、嫌われている面もある。仕事をリタイアしたオッサンたちの中で金にものを言わせて現地妻を作ったり、女性を買って粗暴な扱いをしたりする人たちいるためだという話を聞いた。もちろんごく少数だし、外れてるやつはどこにでもいるが人の恨みは恐ろしいので軽率な行動はしないようにしようと夕日に浮かぶクルーズ船を見て強く思いました。

 

そしてサンセット。空のグラデーションが美しく、ヤシの木のシルエットが紫の空に映える。伸びた岬の先から歓声が上がっていた。

IMGP5261

夕日も落ちかけてぼちぼち帰る人が出始めた。でも、太陽が沈みきるまで粘る。太陽が少しでも残っているうちは空の色が刻々と変わり、想像もしていなかった景色に出会えることがあるからだ。

 

たまに雲に沈んでは下からひょっこり顔を出す。真っ赤に照らされた雲は熱せられた金属板のように太陽の周りだけ色を変えていた。

IMGP5266

夕日が沈む直前、アンテロープキャニオンとまではいかないが木星の表面みたいな感じには大分近づいたと思う。重なる雲についたグラデーションが消える火の煙を連想させた。今日もいい一日だった、ありがとう。

IMGP5292

この後、安全運転で無事に宿まで到着。二人とも帰ってきていて部屋でくつろいでいました。

ちなみにこの日は一切水が出なくなってしまってトイレは近くのガソリンスタンドで済ませたりしました、その時は焦るけど終わってみればいい思い出。

 

明日はプーケットを出発し、クラビあたりまで行ってみようと思います。

読んでくれてありがとう^^

 

それでは!

 

 

 

No Comments AsiaSoutheast Asia

2016年1月27日 至プーケット

日銀が預金のマイナス金利不可との見方で安心したみなさん、こんにちは。3軒に1軒はボッタくりと戦う宮下です。

 

今私はタイのハートヤイという街に戻ってきました。それなりに元気にやっています。

 

マレーシアのゴキブリひしめくホテルで全然Wi-Fiが繋がらなかったり、高速でバイクごと吹っ飛んだり、発熱してマラリアの検査を受けたり色々ありましたが、タイに来てようやく日記を更新です。

 

—1月26日 ペチャブリー(タイ)→チュムポーン(タイ) ???km—

この日は・・・まだプーケットにすら着いてない!プーケットに向かう途中ですね、タイ南下中。

 

いつものように荷造りしてホテルを出発。主要道路わきにちらほら見るマクドナルドでブランチとしけこみました。なんでマクドナルド行くんだよって思うかもしれませんが、急にあの体に負担を強いる味が欲しくなったりするのですよ。入り口でドナルドさんがお出迎え。そこはかとなくジョーカーっぽいよね。

IMGP4816

ジョーカーさん、参考画像↓

ありゃ、こうやって比較するとあんまり似てないもんだ・・・

 

中に入ってテキトーに注文。頼むのはもちろんビッグマック。

みなさんは「ビッグマック指数」という言葉をご存じだろうか。

 

ビッグマック指数とはイギリスの経済誌”エコノミスト”で世界の物価指数を比較するために考案された指標のことだ。ビッグマックはほぼ全世界でほぼ同一均質のものが原材料や輸送費、人件費や店舗の設備費など多くのことを考慮され計算されている。このことから、世界の物価を比較するのに適した材料として1986年から毎年同誌に掲載されているのだ。

 

つまり、ビッグマックの値段でタイの物価指数がわかるというわけですね。

私が食ったビッグマックは110バーツ(367円)。一方日本は370円。

 

あれ?変わんなくね?

 

これどうやって解釈すればいいんだろうな。たとえばコーラは1.25Lとかいう微妙な容量で売ってるんだけど、それが18バーツ(60円)。いちいち細かい計算はしなくとも500mlのペットボトルは30円を切ってることになる。それって日本の値段の1/5くらいなんじゃないのか、うーむ。

 

つまりビッグマックという商品がタイ国内において割高な品ってこと?だとしたらあんまり指標には向いてないんじゃ・・・まぁ、わかりませんな!自分で話の風呂敷を広げておいてこのありさま、ままあることです。気にしてはなりません。

 

ビッグマックを腹におさめて再度南下。途中でスイス村があったので休憩がてら外から眺めることに。

IMGP4823

なんて・・・なんて無機質な羊なんだ・・・

フェルトの部分で猫の爪が研ぎやすそうな感じでした。

IMGP4828

遠くに見える馬と雪ダルマ。雪ダルマどころか、雪そのものを人生で一度も見たことない人ばっかりなんだろうな。雪ダルマで三段ってのはムズイんだぞー。

あ、馬は本物なんだね。

IMGP4827

タイでよく見る街並み。カラフルな建物、西洋式のベランダ、絡み合う電線アンド電線。そして必ずと言っていいほど見る日本の企業の看板。トヨタやホンダみたいなすごい大きいところはもちろんだけど、下請けとかの頑張りが活きてこういうところで名前が見れるわけで・・・そういうのが現地の人の日本観、ひいては日本人観につながっていて、旅人が良くしてもらえたりするわけです。そういう頑張りのおこぼれに預かって旅してるよなーと思う日々。こういうことを実感するタイミングってあんまりない、もし企業人だったらそういう実感があることでかなりのモチベーションにつながるんじゃなかろうか。同じ日本人としてそういう人の頑張りがありがたいし、これからも頑張ってほしいと思う。もらうだけじゃなくて自分も何かできる人間にならなくては、と思うよね。

IMGP4840

主要道路を走るため、頻繁に大きな看板を見る。その中でもひときわ大きなものを見つけた。タイの看板でよく見かけるのがケータイ等の通信機器や不動産の広告で日本のように煙草が大きく宣伝されているのを見たことがない。

IMGP4855

写真こそ撮ったものの、見た目がグロテスクなのでここには載せないがタイで売られている煙草のパッケージには煙草を吸うことで考えられるデメリットが写真で掲載されている。つまり肺ガンやその手術の様子などを写真にしてパッケージに載せているのだ。コンビニに入れば、日本と同じようにレジの裏手にずらりと煙草が並んでいるが、そのどれもがグロテスクな写真つきのパッケージなので商品棚自体がお世辞にもおしゃれとは言えない。あの画像を見て、それでも吸うって人は本当に好きな人なんだろうなぁ、と思う。日本でもそのくらいやればいいじゃないかとも思うが、やったらやったで「見た目が不快だから商品棚ごと撤去しろ」とか言われかねない。海外に来て、日本の広告ってのはいい意味でも悪い意味でも謙虚だなぁと思います。

 

走ってたら英雄っぽいのが並んでる場所に偶然着いた。下調べしてないので全く分からないが修学旅行生みたいな子供たちがいっぱいいて、そこかしこで集合写真を撮っていた。

IMGP4858

装備品と表記から察するに左側のほうが先史の人らしい。近くによってまじまじと観察してある法則に私は気づきましたね。

 

1st、オシャレは足元から、カッコイイ靴着用。

IMGP4865

2nd、いやいや、ここはタイだっつーの!暑いっつーの!サンダル着用。

IMGP4868

3rd、復活のオシャレ靴。頭にも重たげな装飾品を装備。

IMGP4881

4th、期待を裏切らないサンダル装備。このころには熱中症も気にするようになった。

IMGP4871

5th、もう説明もいらない、当然のオシャレ靴。

IMGP4874

この靴→サンダル→靴→サンダル→靴という謎の法則。

ちなみに右の二人は近代の英雄で二人とも革靴でした、ちょっと残念。

 

その日泊まった宿の近くの定食屋で夕飯を摂る。これがけっこうおいしいのなんのって・・・ちなみに英語は全然通じないのでジェスチャーでやりとり。テキトーに喋ってたらこれが運ばれてきたという流れ。

IMGP4888

その言葉が通じない中でも対応してくれた女の子。中学生で少しだけ英語もわかる様子だった。

「英語話せるんだね、助かったよ」というと

「学校でやってるもの!」と得意げな表情だった。

IMGP4886

まっとうな旅人なら写真を撮った子供の夢なんかを聞いて一緒に掲載とかもするんだろうが、そこは私ですからね。とにかく腹が減っていたのでフライドライスをガツガツ食べて用事も済んだことだし撤退。jまぁ、聞いてないけど彼女の夢はきっと看護師とかですよ、たぶん。

 

この日はチュムポーンという場所まで来ました、プーケットはすぐそこ。

 

—1月27日 チュムポーン(タイ)→プーケット(タイ) 333km—

朝起きてバイクをチェックする。タイヤの空気圧はもちろん、エンジンオイルの漏れがないか、エンジンに異音がないかを確認する。

 

このバイクに乗ってすでに20日以上が経っているが、どう考えてもおかしい場所がある。

速度メーターだ。

 

トップギアにしてアクセル全開、それなりの時間を走って加速しなくなれば、これ以上の速度は出ないはずである。そのときのスピードメーターは表示が120km/h。110ccのバイクで見たら大した速度である。

 

ところがGPS計測だと出ている最高速度は89km/h。全然出ていない・・・

たしかに体感だとGPSのほうが明らかに正しい。どんなにひいき目に見ても100km/hは出ていないはずだ。そもそも、この速度表示は前輪の回転数から算出されている。スピードメーターの表示がおかしいのはそのセンサーがやられているか、前輪の径が間違って入力されているかのどちらかだと思う。

 

結局、私より周りのほうが速度違反を含めて明らかに交通違反をしているのでそのまま放置しているが、そういうこともあって結構マシンに対するチェックはシビアになった気がする。

 

エンジンの音がちょっとおかしいかもしれない。前より少しうるさくなった気がする。2000km以上は走っているのでエンジンオイルを換えないとまずいんだろうなぁ。

 

そうはいっても換えるのは億劫なのでそのまま進んでしまう。だとすれば一体あのチェックは何のためにしているのか・・・と自分に問いながらも面倒が勝って先を急ぐ。まぁ、もうちょっとしたら換えますよ、もうちょっとしたら。

 

今までずっと内陸部を走ってきたが、ここに来てようやく海を見た。美しい砂浜、セルリアンブルーの海、そして雲ひとつない青空。ここは夏だな、完全に。

IMGP4944

ぼーっとしていたら向こうの方に大きな雲が流れてきた。空と海との境目が本当にきわどい。

IMGP4946

日本のように信号機があちこちにあるわけではないので距離は稼げるものの、下道で300kmを越えるとなると結構走らなければならない。ときどき山の中を通りながらも、久しぶりに見た海に心躍らせながら旅路を急ぐ。

 

ようやくプーケットの入り口まで来た。タイという国は形で言うとフライドチキンみたいな感じだ。そのフライドチキンの持つ部分にちょこっとついている島がプーケット島である。ここは大きな橋でつながっていて道は一つしかないのだが、その入り口には関所のようなゾーンが存在する。チェックポイントだ。IMGP4955

他の多くの車の流れに従ってチェックポイントを通過する。係員に何か言われたので「何しにいくんだ?」という質問だと解釈して、「観光です、遊びに来ました」と言ったら笑顔で通してもらえた。たぶん向こうも私が何を言ったかわかってないが雰囲気で察したんだろう。今タイは軍事政権が実権を握っていて、日本国内でそれを聞くと怖いイメージだが、来てみたら実際そういう怖さは全くない。そもそも外人なんてその話では蚊帳の外だし、接してみれば人間が二人そこにいるだけである。

 

事前に調べておいた格安の日本人宿(海外で日本人が経営するゲストハウス)は空きがあって宿泊することができた。荷物をパージして夕日を撮りにビーチへ向かう。やっぱりそれなりの距離を移動しているだけあってけっこういい時間になってしまった。

IMGP4990

ビーチでは何組ものカップルがウェディングの写真を撮っていた。たまたま来たけどこのビーチはそういう場所なんだなー。

IMGP4969

必要とあらば海にも入ります。ウェディングドレスのままで。

一生に一度の思い出だから気合の入り方が違う、カメラマンもジャバジャバ海に入ってましたからね。

カメラのメンテナンスとかどうしてるのか結構聞いてみたい。

IMGP4985

こちらの女性は友達と写真を撮りあいっこしてました。こういう薄い布みたいなのをなびかせてSNSに使う写真とかを集めてるのかな。シルエットが逆光に映える。

IMGP4979

日も沈む手前、女の子が沿岸に見える船に必死に手を振っていた。向こうがもし気づいて手を振り返してもそれは見えないだろうが、女の子にはきっとそんなことは関係ない。そういう一生懸命さとかって大人になった自分に残ってるのかな、なんてふと思ったりします。

IMGP4997

最後に夕日を眺めるシニアのカップル。

「これまで見たものの中で最も美しかったものは、腕を組んで歩く老夫婦の姿でした」と言ったのはスウェーデン生まれのハリウッド女優、グレタ・ガルボだ。

美しいってのは造形で見た一元的な尺度ではないだんろうな、いつかこの言葉がわかる日が来るんだろうか。

IMGP4993

美しいから風景を撮る。シンプルだが哲学がないなと自分で思う、反射や反応にきっと近い。

この旅で自分の写真がどんな風に変わっていくのかを自分自身で確かめて行きたいな。

 

プーケットに到着しました、次回はたぶんプーケット脱出編くらいだと思います。

 

それでは!

 

 

 

 

 

No Comments AsiaSoutheast Asia

古都アユタヤと日本大使館

春一番を雨と一緒に味わったみなさん、こんにちは。体温と同じ気温の中、伸び続ける髪が邪魔でしょうがない宮下です。

マレーシアのキナバル山というところに一泊二日で登ってきました。
また山かよ!って思うかもしれません。まぁ、また山でした。
そんなこんなで更新してませんでしたが、Wi-Fiがまっとうな宿を見つけたので更新です。

 

前回は・・・世界遺産のアユタヤを目指すってところでしたね。

アユタヤは都市の名前であり、歴史に登場する王朝でもあります。1351年~1767年ってことなんで、江戸幕府より断然長い。ビルマ軍によって遺跡の多くが破壊されてしまった場所もあり、アユタヤ王朝の遺跡としての価値と歴史的な負の側面を併せ持つ場所でもあるそうです。
ここには以前、研究室の後輩と遊びに来てたんですが、その時見切れなかったものもあるんでそこを周っていこうと思います。

 

最初に来たのはワット・ロカヤ・スターという涅槃仏で高さ5m、幅28m。涅槃仏というのは釈迦が入滅(高僧が死ぬこと、生死を越えた境地に至ること)する様子を表した仏像のことだそうです。

前情報で見ていましたが、やっぱり吹き曝しでした。この角度だとわかりませんが、顔はすっごい穏やか。

IMGP4577

外国人はここに来て写真撮ってるばっかりなんですが、タイの人はちゃんと参拝していきます。お供えする花は一束20バーツ(約60円)、売り子のおばちゃんは日本語で話しかけて来たのでなんとなく中国人か日本人かわかるんでしょうね。ここだけでなくいろんなところで「ジャパニーズ?」って聞かれます、なんでわかんの?って聞くと「エッセンス出てるよ」ってことらしい。まぁ、我々が見ても日本人かほかのアジア人かわかりますからね、そういうものなんでしょう。

IMGP4598

立ち入り禁止ゾーンギリギリで寝るワン公。むしろ人間が来ないので寝やすいのかもしれません。市街にいる犬が飼い犬ではないのに野生化しない理由は街の人が定期的に餌をあげてるからみたいです。個人じゃなく街で飼うみたいなイメージなんだろうか。それって動物愛護の究極の形なんじゃね?と思いました。システムの整備とかの話なんじゃなく人々の意識として進んでいる感じがします。

IMGP4587

この涅槃仏の裏にあった遺跡はことごとく崩壊していて「ここには本堂がありました」みたいなパネルしか残ってませんでした。誰かが置いていった造花がとにかく観光客の被写体として人気だったので便乗して撮影異。

IMGP4599

レンガに刻まれた文字。出荷元か出荷先の住所を示すものかはわからないが、すべてのレンガにはいっているわけではなかったので建築的な意味を持っているのかもしれない。

IMGP4608

30分くらい見たら正直飽きました・・・次の場所へ移動。この日はすでに140kmほど走っていて、この場所に着いた頃には昼を回っていました。せっかく世界遺産に来たんだから、ということでアユタヤで一泊することに。以前泊まったことのあるホテルにチェックインして夕方前に再び観光。

 

次に来たのはワット・チャイワッタナラーム。アユタヤの遺跡検索で一番人気だったのでとりあえず来てみたというミーハーぶり。たしかに遺跡は荘厳で迫力がありました。

IMGP4637

破壊された仏像の下半身。ビルマ軍はタイ王国が進行した仏教も許さず、仏像の首を落として回ったという話だ。いかに相手にダメージを与えるかということを考えると「相手の大事なものを壊そう」っていう結論に至るんでしょうが、そこまで行くと誰も止められないくらいの末期ですよね。IMGP4606

遺跡の中で規則的に配置された塔の内部には仏像がある。この像は保存状態も比較的よく金箔も残っていた。戦時中なら戦利品として金箔をことごとくはがされそうだがそんなこともなく・・・仕事が雑なのか恨み一辺倒だから金目のものはどうでもよかったのか・・・

IMGP4660

塔は近くで見ると崩れたレンガによる穴が空きまくっていてそこにハトが住んでいました。風雨もしのげて高さもあり、外敵から襲われにくい。夢のマイホームって感じなのかな。

IMGP4671

頭を落とされた像で休むハト。人の体に鳥の頭っていうエジプトを彷彿とさせる組み合わせでした。この像も高さ5mくらいのところにあったので、ある意味かなりの情熱で破壊活動を行ったみたいです。戦争って怖いなぁ・・・

IMGP4628

色々見て回ったけど結局、ここからのアングルが一番かっこよく収まる気がする。雲の量がもう少し少なかったらいい色合いになったかもしれない。

IMGP4635

夕焼けをこの場所から映そうと粘りましたが雲が厚すぎて夕日が届かず・・・以前来たとき、夜に街のあちこちで放し飼いになっている犬がかなり活発化していたのでこの日はおとなしく宿に帰って寝ました。

 

次の日、昨日時間がなくて撮影しきれなかったワット・チャイワッタナラームを再度訪問。50バーツ(約150円)なのであんまり深く考えずに来ちゃいました。昨日はちゃんと?したレンズを使ったので、今日は怪しく映る魚眼レンズを使ってみようと思います。

魚眼レンズってのは前にも書いたけど端が曲がって映るレンズのことです。魚が水中から水面を見ると水の屈折率でこう見えているらしいことからその名前が付いたそうな。まぁ、画で見ると下の画像みたいになります。

IMGP4734

怪しい場所がさらに怪しく・・・このレンズはめちゃくちゃ広い範囲が写るって特徴もあるので室内で撮影したりするときに結構使ったりします。大人の目で見える範囲は横幅が150度、上下幅が120度と結構広い。これをレンズで再現しようとするとかなりの画角(写る幅)が必要になるんだが、広い範囲が見えるレンズって近くのものが大きく強調され、遠くのものが小さく映るって特徴がある。だから見たまんまの画を撮ろうってのは結構難しくて撮ってみたらガッカリということも多い。でも、このレンズは最初から明らかに歪んで映るのでむしろ清々しく撮ることができる。精緻な画ではないけどその場の雰囲気を怪し目に伝えるのにはちょうどいい気がする。

IMGP4749

破壊された仏像と観光客。カメラは完全に仏像を向いてるんだけど範囲が広いために別の場所まですっぽり入る。多分この人は自分が写ってることに気づいてないと思う。

IMGP4769

昨日撮った位置でもう一度撮影。やっぱこういう遺跡は雲が浮かぶ青い空のほうが映える気がする。天井もなくてどうしても画面の上側がぽっかり空いた構図になるので雲があるとその場所をうまく埋めてくれる。サンキュー!

IMGP4754

撮るもの撮ったし、また南下しますか!

 

この日のメイン目標はバンコクの日本大使館に行くこと、そして陸運局でマレーシア越境について確認することだった。大使館に行く目的は「特に困ってはないんだけどこういうことやろうと考えてるので危ない場所とかの情報あったら教えてください」ってところです。山登りでもすれ違いざまに挨拶するのは気持ちがいいのももちろんだけど、顔をなんとなく覚えてもらうことでもしものときに自分の情報がッ出やすくするというのがある。ここでもそれを活用。

 

バンコク市内の端っこに到着。高速が作られている途中の場所でいったん休憩することにした。ここに来てはっきりとわかるくらい交通量が違う。バンコクの交通渋滞は世界的に有名なので一度集中力を回復させないときっとヤバい。

IMGP4783

そして市内に入っていく。徐々に車の流れが滞り、その隙間を抜けるバイクの車列が長くなる。

 

もうね、ほんっとにヤバい。脇に停めて写真とか一切撮れない。みんな混みすぎててバイクは歩道を走ったり、そのバイクを避けるために歩行者が車道を歩いて車がクラクションをひっきりなしに鳴らしたり・・・もうねカオス状態。大使館に着くまで車に比べたら早く着いたが、それでも予想よりはるかにかかった。ちなみに到着までに接触事故みたいなのを一回見ました、くわばらくわばら。

 

大使館の管内は日本の扱い。ガードはすさまじく厳重で駐車場に入る車は車体の下を鏡で確認して怪しいものがないかチェックされてました。あんまり詳しくは書けませんが、いろんなチェックを受けて中に入ると20人くらいの人が席に座って順番を待ってましたね、久しぶりに日本語の表記をたくさん見て感動した。

 

私は用事が用事なので待たされることなく個室に呼ばれてそこで担当者の人と話すことに。防弾ガラスごしみたいなところで受刑者の気分でしたが、対応はすごく丁寧でこちらの話を熱心に聞いてくれる。担当者の人に一通り話して、南部の治安が悪いことはかなり強調されたが、ルート自体はそこを外れているので盗難や置き引きなどの軽犯罪に気を付けてほしいと注意を受けた。また、バイクでの旅ということでとにかく事故に気を付けるように念を押される。担当してくれた方も徒歩で十分程度の勤務時間中にここ一週間で二つ事故を見たらしい。たまに相談を受けるが、タイで起こる事故はほとんどが泣き寝入りだという。気を引き締めなければ。

再び渋滞地獄にハマりつつ車間をスイスイ抜けて距離を稼ぐ。途中治安の悪そうな中華街みたいな見つけて手前で止まったが実際は観光客も多く歩いていて昼間は大丈夫そうだった。

IMGP4791

ここでコーラを飲みながら地図を確認しているとガシャン!と嫌な音が聞こえた。音の方ではバイクが倒れ、タクシーが停まっている。事故自体は軽い接触だったようで、バイクの運転手はヨロヨロと立ち上がり、自力でバイクを起こしていた。それを見たタクシーの運転手は特に何もなかったようにそままどこかへ行ってしまった。

 

マジでか・・・これが泣き寝入りってやつか・・・。謝罪一つないにのビビりました、この街はマジでヤバい。スリルのあるアトラクションを求めてバンジージャンプとかやるんだったらバイクをレンタルして一日バンコクで走った方がきっとアドレナリンが出る。一刻も早く抜けなければと感じる場所だった。

 

この事故を見て、バンコクの陸運局へ行くのを諦め、国境近辺の陸運局で交渉しようと決意。一番最短で市内を抜けらる道を進み、絶望の街バンコクを抜けてペチャブリーという街まで到着。写真は全然撮ってないけどバンコクの渋滞のせいですげー疲れた一日だった。体感ではずっと運転してたつもりなのに距離も214kmとあまり伸びなかったなー。

 

まあ、あの絶望の交通状況を無事に抜けられたんだから良しとしようか。マレーシアに行った往路はちょっとバンコク避けたいところだな。

IMGP4797

これからはどんどん南下してプーケットという観光地を目指します。

 

読んでくれてありがとう^^

それでは!

 

ブログ村に参加してます。よかったらクリックお願いします。
にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

No Comments AsiaSoutheast Asia

チェンマイから南下 道すがらの寺院と風景

恵方巻のことなんてすでに記憶にないみなさん、こんにちは。こっちは中国の旧正月と重なり、連日の深夜に及ぶうるささから豆をぶつけてやりたい気分の宮下です。

 

今私はマレーシアに来てるんですが、こっちのWi-Fiはタイより弱いところが多いみたいでなかなかつながらず、そうでなくても更新頻度が低いのにさらにひどいことになってました。今日は割かしまっとうなところに来れたので更新します。

 

日記の続き↓

チェンマイの陸運局でマレーシアへ越境する手続きができないので次はバンコクの陸運局で手続きできるか試してみようと思います。1号線というタイのバンコクからミャンマーを貫いて中国に抜ける長い道路を南下してバンコクを目指す。途中、綺麗に花壇が整備されていたので道の傍らで休むことに。向こうから来たおばちゃんがスクーターに乗りながらスマホをいじっていた。タイの人も比較的若い人間は暇さえあればケータイいじってますね。

IMGP4338

大きな道は距離が伸びやすい。色々な街を通るたびにお寺を見かける。高橋さんの話によればどこの地域にも一つは寺があるという。最初のころはみんな一緒に見えていたが、このころになると微妙に作りの違いに気づくようになった。おそらく作られた時期の違いによるんだろうが、装飾の意味や物語に気づけるようになればローカルなお寺でも相当楽しく観光できるんだろうな。
IMGP4316

入り口の門にいる像。ワットロンクンでもいたけど阿吽みたいなイメージなんだろうか。日本だとお寺では仁王像、神社だと狛犬と別れてるけど、こっちはお寺に両方いたりいなかったりする。
IMGP4310

神社には狛犬、お寺には仁王像。その違いは神道と仏教だ。古来より日本に根付くこの信仰には対立と共存の時期があるそうだ。

さかのぼって奈良時代まで行くとこの二つは対立関係にあった。外国伝来の仏教を信仰する蘇我氏と日本古来の神道を信仰する物部氏。この両者は政治的に対立しており、この戦いは聖徳太子が蘇我氏に組することで決着を見る。これによって爆発的に仏教が日本に布教されたらしい。ただ、これは一時的な争いでその後仏教と神道は共存の道を模索する。これが本地垂迹(ほんじすいじゃく)というもので、日本の神々は仏が姿を変えて現れたという解釈だ。鎌倉には反本地垂迹という神様が仏に姿を変え、神の方が上位という教えもあったそうだが、どちらもお互いを駆逐できず、両方の考え方が共存することになる。この神仏を異としない考え方を神仏混淆(しんぶつこんこう)というらしい。

それで終わればよかったんだけど、明治になって明治政府は日本をまとめる思想として神道を利用することにした。このとき発令されたのが神仏分離令で書いて字のごとく神と仏を分けましょうってことですね。これにともなって出された廃仏毀釈(仏教弾圧)により神職たちによって多くの寺や仏像が打ち壊されたり燃やされたりしたそうだ。物だけではなく人(僧侶)も強制的に還俗(仏道を捨て、俗世で生きること)させられたらしい。それでも結局、すべてをなくすことができなかったため、今現在の日本には仏教と神道が分かれた状態で存在するそうな。ちなみに狛犬は必ず一対で阿形と吽形に分かれる。阿吽は仏教用語で、口を開く阿(あ)と口を閉じる吽(うん)がはじまりと終わり、つまり宇宙を表してるそうだ。

 

・・・ハッ!脱線しました。まぁ、一言に仏教って言っても、伝来した国によってその歴史の流れの中で変化していったんだってことを言いたかったんです。タイでも日本でも同じ仏教とはいえ、全然違う風に見える、と。そう考えると、一つ一つのお寺を見るのも結構楽しいもんだなぁ。

 

またバイクにまたがって南下する。チェンマイから南へ続くルートの脇では畑を多く見かけた。ここに住んでいる人からすればなんてことはないのもかもしれないが、私からすればバイクを停めるくらいの絶景である。

IMGP4376

その道を歩く人。道って単体で画になることもあるけど、人がそこにいるとグッと道っぽくなるよね。

IMGP4364

道を進むとまた現れるお寺。金色って強い主張を持つ色だけでそれでもなぜか調和するんだから不思議だよなー。丹精込めて作ったんだろうな・・・あっ!

IMGP4401

テキトーだ!テキトーに作ってあるぞ!食いかけのチョコレートを銀紙で包みなおすんじゃないんだからビシッと貼りなさいよ!ビシッと!

IMGP4412

上の方はめっちゃ綺麗に作ってあるんだけどね・・・

IMGP4413

そのお寺にあった人形たち。何を表してるかわからないけどお寺を守る兵隊とかなのかな。一体一体表情が違っておもしろい。夜に見るとたぶん感想が逆転するパターン。

IMGP4410

金ぴかの装飾を付けた神様?いや、お寺なんだから仏さまかな。表情がめっちゃ柔らかい。

IMGP4426

そして奥にあった白亜の屋根を持つお寺。本殿のようで中に立派な仏像があった。青空に映える金、緑に映える白。タイでは美術館や博物館を見かけないけどそこにあるべきものは街のそこかしこで見かけることができるな。

IMGP4448

日もだんだん傾き始めたころ、ちょっと森にはいったところで紅葉を見つけた。放牧された牛たちがゆっくりと移動しながら草を食べている。タイに来てから一番きれいに紅葉してるゾーンだけど、紅葉するってことは気温がある程度まで下がるってことだからね。日も大分傾いてきてるし、ここからは早いところ移動しよう。

IMGP4478

帰りがけに振り向くと雲で隠れていた太陽が顔を出して、全体を明るく照らしていた。ここからは西日が目に直接入ってきて眩しい時間なんだよなー。

 

IMGP4512

陽が沈む手前。眩しい西日を雲が覆っていた。その姿が太陽を閉じ込めようとするようで、でもあまりの強さに閉じ込めきれないような、そんな印象を受けて撮影した。いると肌をジリジリと焼いて、とにかく暑いことこのうえないけど、いないとなんか物足りないし、何より残念な気持ちになる。まぁ、明日もお願いしますよ、お天道さま。

IMGP4546

 

明日は世界遺産のアユタヤくらいまでは行きたいところです。

それでは!

 

ブログ村に参加してます。クリックお願いします。
にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

2 Comments AsiaSoutheast Asia

2016年1月21日 チェンマイの陸運局へ

北の将軍より冬の将軍のほうが気になるみなさん、こんにちは。ここ一か月天気予報を見てない宮下です。

 

国際ニュースを見ると台湾が地震で大変みたいですね。台湾は東日本大震災のとき、相当量の援助をしてくれたと聞いているので是非募金したいんですが、マレーシアで募金箱はあんまり見かけませんね。誰か、多めに入れてあげてください!

 

あ、チェンダオ山から下山した続きの日記書きます↓

 

—1月21日 チェンダオ出発の日—

昨日は大洗濯大会と写真編集大会でほかのことは全然やらなかった。山で汚れた服や靴やカバンを丸洗いして乾燥の仕事を太陽に丸投げしたあと、ひたすら部屋でちまちまと作業していた。そのおかげでその翌日、つまり今日にはすべて準備が整い、晴れて出発ということになった。

 

出発前に高橋さんから借りているバイクの工具やタイヤチューブについて自分のものを揃え、いざ出発となったときに二人の来客が。そういえば高橋さんが友達と温泉に入りにいくと言っていたから多分その人たちだろう。挨拶して荷物の最終チェックをしていると少しだけ話すことになった。

 

そのお二人のうち、お一方が旅人で20数年に渡って世界を旅している人だという。思いがけず貴重な体験談やアドバイスをもらい、出発直前になって大きな餞別をもらった気分だ。聞いたことすべてを書くと文の量が大変なことになるし、かといってそこを大きく端折ると言葉だけ紹介する形になってアドバイスの重みがなくなってしまう。ということでその内容は私自身の胸に仕舞っていざ出発!

 

今日の目的地はチェンマイというチェンダオから南へ70kmほど進んだ街だ。なぜそこに行くかと言えばバイクでマレーシアの国境を越えるためにいくつか書類を作らねばならない。その書類作成方法はぽこけんさん夫妻という海外ツーリングのエキスパート(高橋さんも敬意をもってそう表現していた)がそのブログに記録してくれているのだが、かなりの応急処置的な対応になってしまい、時間もお金もかかったらしい。そんな中で、ほかに方法を見つけたら教えてほしいということが書かれていた。普段からブログを楽しく、また有用な情報として拝読させてもらっているので恩返しができるかもしれないと考え、チェンマイの陸運局を訪ねることにした。バイクの名義変更もここでしたんだし、車輌のことなら陸運局でやってもらうのが筋でしょ!という単純な発想である。

 

お世話になった高橋さん夫妻に別れを告げてバイクのエンジンをかける。この時のワクワク感といったらたとえようがない。人間が感じる情動はどれが最高か簡単に論ずることはできないが、私自身はワクワク感を推したい。そのくらい尊いものだと思っている。

 

そんな状態で出発したので少し走ってすぐに休憩を入れる。気になったところでバイクを停め、街で買ったコーラを飲む。こうでもしないとすぐにでもやらかしてしまいそうなので一旦落ち着こう。

 

そうだ、少し離れて今の自分を見つめた方が良い。旅の相棒から少し遠ざかる。

こんな小さいバイクだと飛び出してきたゾウを轢くんじゃなくて、逆に轢かれそう。
IMGP4031

道沿いから見える・・・何だ?集落ではないし、あの濁った水で泳ぐのもちょっとなぁ。たぶん釣り堀とかそんなところかな。

IMGP4026

このあとは綺麗な幹線道路やチェンマイの街並みがあるのだが思いのほか写真が残ってなかった。やっぱり緊張していたのかもしれない(笑)しばらくして目的地近くに到着。

 

陸運局に続く道には信じられないほど高い並木道がある。バイクの名義変更で高橋さんに連れられて一度見てはいるが、それでもそのサイズにいちいち驚く。日本なら強風で折れる危険性があるから伐採!とかありそうだけど、タイではそういうことないんだな。

IMGP4060

陸運局は目と鼻の先だが、腹が減っては戦はできないということで並木道にあるお店で腹ごしらえ。バーミーナムというラーメンみたいなやつを注文。口の中に広がる風味も、目の前に広がる光景もすべて外国を感じさせる。

IMGP4037

食べ終わったら店員さんが英語で話しかけてくれた。名前はゲーさんと言うらしい(タイ語の発音難しいので違ったらすまん・・)。日本から来たというと友達がいるという、でもよく聞いてみたら韓国と勘違いしてたみたいだ。「これからマレーシアにバイクで行きたい。その手続きが陸運局でできないか聞きに来た」というと驚いて写真を撮らせてくれと言う。こちらも願ったりでお返しに撮らせてもらう。こんな太陽が照り付ける地域にいて肌が綺麗とか頑張ってんだろうなぁ。

IMGP4042

このあと勇んで陸運局に乗り込む。受付でお姉さんに話しかけたら英語は話せないみたいだが、こちらの話を熱心に聞いてくれる。たぶんところどころに知っている単語が出てきているのでそれを頼りに話を推測してくれているんだろう。そして一番奥に座る女性のところまで案内される、どうやらこの人がここの責任者のようだ。

 

「英語は話せますか?」

「マイクラップ(いいえ)」

 

否定までタイ語とは・・・完全に通じないのかもしれない。

ただこちらに来て思ったがコミュニケーションは言葉が通じないところの先が勝負だ。

自分が熱意を持って何かをやりたいならそれを伝える努力をするべきだ。

 

「バイクでマレーシアの国境を越えようと考えています。これには前例があって私の友人が実行しました。その時にこの書類を用意したようです。陸運局なら作れると思ってここに来ました、可能でしょうか?」

 

ゆっくりと話すと、真剣に、丁寧に相槌を打ちながら聞いてくれる。

 

マレーシアの自賠責、マレーシアのナンバープレート(シール)、そしてタイ語で作られた車検証の英語バージョン。これらがマレーシアの国境を越えるために必要な書類だが、話が終わるとひとつひとつを手にとってまじまじと見る。

 

結論から言うとここでマレーシアに渡る書類を用意するのは不可能だった。彼女いわく「ここでできる国境の処理はラオスだけだ」と言う(正確にいうとそう言われた気がしたが、間違いないという確信がなぜだかある)。バンコクの支局でできるか?と聞くと首を横に振りながら何か言っていた。それが「できない」なのか「知らない」のかわからない、行ってみる必要があるな。そうだ、行ってみなきゃわからない。地球の歩き方やGoogle先生でも出てこないなら自分でやってみるしかない。今回、チェンマイの陸運局ではマレーシアに車輌持参で渡る書類を用意することができないってのがわかっただけでも収穫だ。

 

まぁ・・・そりゃそうか。今いるチェンマイから国境まで1000km以上ある。いくら陸運局が貨物や車両の扱いを専門に行っているとはいえ、たとえば青森県の陸運局で奄美大島のフェリーチケットが買えたりはしないもんな。

 

知らないうちに結構時間が経っていたみたいで外に出たときには三時くらいになっていた。数日前にタイの北部をツーリングした感触だと暗くなる前にホテルを見つける必要がある。それは道路のところどころが陥没していたりするためだが、ここチェンライはそれに加えて交通量が多いという問題がある。昼間にウィンカーを出さずに曲がったり、逆走したりする連中が、夜になって急にそれを正すことはないだろう。

 

バイクにまたがって市内を回る。チェンマイは人気の観光地で市街の中心にたくさんのお寺があり、その四方を一方通行の道路がぐるりと回っている。この一方通行の道路は時計回りと反時計回りがあり、日本ではあまり見ない感じの交通網になっている。その道路を目印に細い支流の道路に入っていき、宿を探す。宿の表記に「HOTEL」という文字を見ることは稀だが、「Wi-fi」はかなりの頻度で書かれているので、それが書いてあったら宿だと思ってほぼ間違いない。ドミトリー(相部屋)で250バーツ(750円)という宿を見つけた。部屋を見る限り清潔でベッドにマダニは見当たらないし、Wi-Fiが使えてホットシャワーもある。よし、寝床は決まった。

 

今日の予定は陸運局でマレーシアに行く手続きについて確認することだけだったので、正直チェンマイに何があるのか全然調べてない。とはいえ、時間もそれなりで調べている時間自体がもったいないのでテキトーにバイクを走らせて気になるところで停まる作戦にした。

 

さすが観光の名所だけあってすでに道路はタクシーやトゥクトゥク、バイクや車で埋め尽くされている。本当はこの数の車両をある程度の余裕持ちつつ許容できる道路幅なんだが、商店の前には必ずバイクが駐車される。まるで血管が詰まって血流が悪くなるのと一緒だ。

IMGP4087

流れに乗ればもちろん普通に回っていられるが、停まらないと写真が撮れない。狛犬のところにトラがいるお寺があったのでそこにバイクを寄せてヘルメットを脱ぐ。ちなみに寺の名前は一文字も読めない。

IMGP4063

門のトラはビックリするほどデフォルメされていたが、やはり建物自体は荘厳である。色も鮮やかだがそれに加えて細工が非常に精巧だ。美しい青空にクッキリとその輪郭を主張していた。どの国でもそうだけど屋根とか屋根にある装飾品って青空と調和するデザインだよね。自分で作れって言ったら絶対おかしいことになりそう、デザインって発明の一種だよなー。

IMGP4095

隣の建物にも似た塔があった。その下ではハトがずっとイチャついていた。

IMGP4100

屋根下にいた龍は塗られた金色が大分剥げてきている。でも、こっちのほうが迫力もあって侵入者がいないんじゃないかと思うような姿だった。最近気づいたが寺の写真を撮ると縦の写真が多くなる、なぜだ・・・

IMGP4136

夕日を浴びる神様。寺だから仏さまなのかもしれないが、見慣れぬデザインだったので区別できない。頭に上にも塔が乗っている。

IMGP4134

このままでは一か所に留まっているだけで夕日が完全に落ちてしまう、という謎の焦燥感に狩られて移動。本当は自分が気に入ったらそこにずっといればいいんだが、〇〇の都!とか言われるとついつい欲張りたくなります。そうです、煩悩の塊の俗物なんです。なので俗っぽいものがあったらそこに停まります。

これは日本であまり見かけなくなった電話ボックス。ドラえもんは本当に人気があって、コンビニに入ると本やシールが売られたりしてます。

IMGP4188

そしてあっという間に陽が暮れてしまった・・・この時間の曇って綺麗だなー(現実逃避)

IMGP4191

寺から徐々に観光客がいなくなる。屋台をしていた現地の人も片づけをはじめて、あれだけ賑やかだった場所ががらんどうに近づいていく。そういえば今日はあんまりおもしろい写真撮ってないなー・・・ということでキワモノレンズで撮影。これは魚眼レンズといってものすごく広い範囲を湾曲しながら収めるレンズです。魚が陸上を見るときに、水の屈折率で似たように見えることから名前がついたらしい。これで撮ると普段見る画とは大分違うも画になるのでおもしろい。

IMGP4184

その後、夕飯を買いにセブンイレブンに寄る。そのセブンイレブンの前にすら露店がずらりと並び、さらにそれをバイクが封鎖する。そうして狭くなった道を車が我先に走り、わずかに残された隙間を人間が歩く。色彩や物のデザインもそうだけど、とにかくいろんなものの密度が高い。そういうところがタイの街のゴチャゴチャ感をより一層際立たせていると感じる。

IMGP4209

コンビニ入って仏陀の漫画(タイ語)をなんとなしに見たら結構面白くて熟読してしまった。やはり絵の持つ情報量はすごい。謎の満足感を得て外に出てみると陽はとっぷりと暮れ、かといって真っ暗ではない黄昏の時間に。そんな街の様子が伝わるように広範囲が写る魚眼レンズを再度使用した。

なんか街の写真っていいよね。自然の風景じゃないけど好きです。

IMGP4236

このレンズは端が湾曲する特徴を持つ。それが中心に視線を引き込んでドラマチックな演出に向いている気がする。絵画の技法なんかでもたまにあるよね、特に漫画とか。

 

ここから先は三脚を立てないと撮影できない時間なのでおとなしく撤退。宿に着いたら八人部屋に泊まるのは私ともう一人だけで、その一人も早々にバーに繰り出していったので結局独占状態。途中でヤモリが二匹いたが、なんかもう何も感じなくなっている自分がいてそこにちょっと感動した。

 

明日もまた南下します。マレーシアもだけどまずはバンコクまで行かないと!

それでは!

 

ブログ村に参加してます。クリックお願いします。
にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

No Comments AsiaSoutheast Asia

海外で無一文 タイ→国境越え→マレーシア→?

立春なんて字面だけだと怒りを感じる日本の皆さん、こんにちは。今一番気になるキーワードが脱水症状の宮下です。

日記読んでくれてる人は「宮下がチェンダオ山から下山したところ」くらいのはずなんですが、実際かなり日記が遅れていて本体は今タイとマレーシアの国境付近に潜伏しています。今日は自走車両でタイ→マレーシアの国境越えを果たしたのでその記録を覚えているうちに残すべく、日記の日付を一気に飛ばして今日のことを書こうと思います。

—–2016年2月5日 タイ→マレーシア国境越え—–

今日はマレーシアへ自走車両で国境を越えるつもりだ。日記がはじまってまだ一行だがキーワードを一応まとめておく。

・陸路で国境越え
・自走車両(バイク)
・バイクの名義はタイ在住の邦人(自分ではない)
・タイ王国出国→マレーシア入国

あとでSEOと言われる検索システムのタグを作るつもりだが、こういうキーワードが当てはまる人に役に立つとうれしい。

前日はタイのハートヤイ(Hat yai)という都市に宿泊した。英語の発音だとハートヤイだが、現地の人からするとハージャイになる。タイ語は声調が大切なのでハートヤイだとほぼ伝わらない。宿泊した宿のオーナーが英語を話せる人だったのでタイ→マレーシア間の越境事情について少し聞いた。一般人の話なのであくまで参考程度だが、国境近郊に暮らす現地の人の話を聞けたことは大きい。

 

タイ→マレーシアのBorder自体はもっとたくさんあるが、ハージャイ以南の三県、ナラーティーワート県、パッタニー県、ヤラー県は爆弾テロ多発地域であり、毎年数百人が犠牲になっている危険地域だ。そのため、比較的安全なハージャイからアクセスしやすいBorderを考えるとそのポイントは二つある。

スライド1

スライド2

この日記の主旨とはあまり関係ないが、なんでそんな爆弾テロが起きてるのかと言うともともとマレーシア(国教はイスラム教)だったところが諸事情によりタイ王国に組み込まれてしまった。それに反発する一部の過激派が独立を求め、テロを起こしているらしい。テロの対象は警察・教師・僧侶という具合で、日本のニュースで見られる中東の無差別テロとは別物だそうだ。ただ、犠牲者の数と頻度が半端ないので近寄らない方が身のためである。by ホテルオーナー

 

で、話を戻すと国境を越えるポイントにはAとBがある(名前は聞いたけど忘れた・・・)。目印は1027号というマイナーな道路(A)を行くか4号線というデカイ道路を通る(B)かで変わる。実は海外バイクツーリングのエキスパートであるぽこけんさん夫妻(http://pocoken.com/ 日記の情報がすごく具体的でわかりやすい、しかもおもしろい)がすでにここを通過しているが、その時の日記から察するにA地点を通ったのではないだろうか。

先のまとめでも書いたが私は自走車両でタイからマレーシアに渡りたい。そうなると人間自体の手続きはもちろん車輌の手続きも必要になってくる。マレーシアでタイのバイクに乗る場合、マレーシアのナンバーとタイ語で書かれた車検証を英語に翻訳した書類、さらにはマレーシアの自賠責保険が必要になる。ここからさらに名義が自分のものでない場合は貸し出しを証明する各種書類が必要というハードルの高さである。

 

・・・なんというめんどくささ。国境がない日本人からするとかなり億劫である。

 

しかしながら、貸し出しを証明する各種書類はすでに高橋さん(以前までの日記で何度も登場)にしていただいているので自分でなんとかするものは以下の三つで済む(ありがとうございます!)

・マレーシアのナンバー

・車検証を英語に翻訳した書類

・マレーシアの自賠責

 

これらの書類ってどこで手に入るのってのがたぶんA地点、B地点最大の違い。ぽこけんさんの日記ではBorderまでいったもののこの書類をその場で用意できず、現地の業者につきっきりで対応してもらい用意したらしい。三時間ほどかかったと書いてあるし、お値段もそれなりにかかったようだ。それが地点A。

 

先達はあらまほしきこと・・・とはいうものだが、おんぶにだっこばかりでは人類に発展がない。ということで今回は地点Bに突っ込むことにしました。ホテルオーナーの話だとこの地点BのBorderではその場所でそういった書類を用意できるから金だけ持っていけば大丈夫だという(話しながら高橋さんに作ってもらった委任状を見て言ったセリフ)。

 

宿を出てBorderに向かう。4,50kmほどあるが、かなりの快走路である。ガソリンスタンドもそれなりにあるし、やはりよく利用されている道沿いは店に活気がある。見えてきたBorderの文字。

IMGP5485

そこからしばらくするといよいよそれらしい場所に近づく。私は思いましたね、ホント混みすぎ、と。

でも、通ればわかるんだけどトラックが両脇に停まってるだけで一般車両は真ん中をどんどん流れていく。トラックだけ手続きに時間がかかるんだろうな、300メートルは列が繋がっていた。

IMGP5491

近づくと不安になる。途中でツアリストポリスがあったのでここぞとばかりに駆け込む。助けて!いたいけなジャパニーズを助けて!

IMGP5495

ガチャガチャ!

 

ハイ、開いてませんでした。ままあるよね。救いの手かと思ったらそうじゃないパターン。周りをキョロキョロ見渡すと隣に警察署が。

 

Sadao Police(サダオ警察)

 

名前がダサい、とか言わないでほしい。しょうがないのだ、自国の言葉が外国でわけのわからん感じでひょっこり現れるのはよくあることなのです。そう、この越境の地はSadao(サダオ)という。一度見たら忘れないので便利ではある。ちなみに日本の苗字でもアライさんは「何?」という意味でタイ語で私はアライですというと「私の名前って何?」という疑問文になってしまう。加えてカモイさんは泥棒、大きな声でその名前を呼ぶことはお勧めできない。

 

ハッ、また話がそれましたがそのサダオ警察に駆け込む。警官が八人ほどたむろしていたのでそこに話しかける。そうでなくても向こうからしたら怪しい奴なのでなるべく安心感を生むように多人数の人間に話しかけるようにしている(情報の確度も上がるしね)。それでもそこはテロ多発地域の隣県、書類を見せようとリュックに手を突っ込んだら一度静止された。テロを起こしているのはイスラム教徒で明らかに身なりが違うのでそれもわりとソフトだったが、アメリカなどのシビアな国ではそのまま撃たれる可能性もあるのでかなり注意しなければならないと感じた。

 

警察に話を聞いたがどうも釈然としない。そもそも英語が通じないのもあるが、事前に用意しておいた自賠責のコピーを見せてもしっくりこないようだ。結局、お前どこ行くんだ?って話が盛り上がるだけで屋に経つ情報は得られなかった、楽しかったですが。

 

で、普通にBorderまで行きます。陸路のBorderってどうなってんの!?って人のために(自分が行くまでそんな感じでした)簡単な図で説明します。※タイのSadaoにあるタイ-マレーシア間の国境のみかもしれませんので参考までで。

タイ→マレーシア 国境越え図解

本当は写真でここはこうだよ!ってバシッと撮れればいいんですが、テロやらクーデターの対策のとして撮影は禁止されてます。うかつに写真撮るとお縄になるかもしれないのでカメラを出したり、ケータイを前に突き出すような誤解を与える素振りもやめましょう。

 

まぁ、そんなの基本でしょって人もいるかもしれませんが、これはほぼ昔の私のために書いているのでこういうレベルです。この越境でのポイントは特にJPJ。なんじゃそりゃってなるでしょうが、マレーシアを走るのに必要な手続きを行える場所だと思ってください。私もそうとしか思ってません。イミグレーションを越えて200mほど行くと対向車線側にあります。なんでこれからマレーシアから出る人の方に、マレーシアに入国する手続きをする場所があるのか・・・そういう疑問は生まれてくるだけで育てても実りはないものです。東南アジアはたぶんそういう場所です。

 

下の写真がJPJ。入れば順番に呼ばれるので静かに待ちましょう。私みたいにガンガン話しかけると「あっちいけ」みたいな扱いをされます。英語が通じるので安心です。

IMGP5498

ここで必ず必要なのが国際免許証。普通なら持ってくので問題ないとは思いますが・・・ちなみに有効期限もちゃんと確認してたので、そのへんで地元警察がやってるテキトーチェックとは別物です。国際免許証って一年しか有効期限ないんですよね、長旅の人はそれを超えることが多いので、あわよくば更新せずに、なんて思うかもしれません。でも、お古を持ってれば気づかれないっしょなんて考えは完全に捨てましょう。

 

こちらのJPJで書類を渡されて表で書類を埋めて来いと言われます。そこでこのお店。

IMGP5497

ビックリするほど吹き曝しの施設ですが、一応これちゃんとした事務所。ここでナンバーを作ったり、今しがたもらったわけのわからない書類を勝手に埋めてくれます。タイバーツでもマレーシアンリンギットでも支払いができ、タイバーツでは1100バーツでした。この手続きでかかるお金はこれだけ。所要時間もたぶん15分とかです。余談ですが受付してくれたおねえさんの腕に毛がわさわさ生えてて異国の風を感じました。

 

ハッ、また関係ないことでしたね。ここで手続きを完了させて、AH2線を南下していきます。私はここから50mほど行った検問で強面の国境警備兵数人に呼び止められましたが、最終的に「俺の日本語を聞け大会」になっていたのでそれほど警戒することはないでしょう。

 

で、意気揚々とマレーシアに入国。タイ側のBorderは街になっていて、セブンイレブンもATMもExchangeもあるので安心ですが、マレーシア側に入ったとたん、ただひたすら幹線道路が続いています。大きな街(小さなショッピングモールや複数の銀行、ホテルがある街)まではおよそ10kmあるのでガソリンとかも注意。

 

最初の大きな街ジトラ(Jitra)に着きました。ここでのミッションは現地通貨のマレーシアンリンギットを入手することです。このとき、財布に入っていたのはタイバーツのみ。どこか銀行で両替をするか、国際キャッシュカードをつかってATMで現金を引き出せばミッション完了です。

 

これは結構驚いたことですが、マレーシアに渡ったとたん、英語が通じるようになりました。それと街自体がすごく綺麗、ゴミも落ちてないし、新興住宅街は日本と見紛うほどに立派でした。そんなこんなで安心して銀行へ行ったのですがそこで言われたのは「両替はできない」。

 

近くの両替商を教えてくれといってもこの辺りにはないから、次の街にはあるかもしれない、と・・・・

マジで!?タイに一番近い街なのに両替できないの!?

 

これは以外でした。銀行のATMでお金をおろさせてもらおうとした(VVISAやJCBマークもある対応しているはずのATM)のですが、なんと入れたカードが吐き出されるわ、吐き出されるわ。しまいにはATM保護システム作動によりカードを吐いた後、シャットダウンしてましたからね・・・銀行の人、すいません。

 

銀行の人もこれじゃたまらんということでショッピングモールにあるATMを使えとアドバイスされました。ショッピングモール自体の規模はそれほど大きくはありませんが、ATMは種類の違うものが二つあります。表示される画面もタイのものとほぼ一緒なので「これで下せるぜー!」なんて意気揚々と操作しましたが、暗証番号・引き出し額・確認まで終えたところでなぜかエラー。なんで途中まで進めるんだよ・・・と思いながら格闘しましたが、一切使えず。タイでは使えてたのでまさか残高ないのかとも思いました(計算上は十分にあるはず)

 

うーむ・・・1リンギットもないんだが?水すら買えないんだが?

 

そのほかの銀行を回るも全滅、両替はできない、ATMから引き出せない。

偉大な先達であるぽこけんさんたちも越境後に現地通貨を手に入れるのに相当苦労され、結局は銀行員の善意によるポケットマネーとUSドルを交換してしのいだみたいです。そういうのも読んでたので比較的大きな街を経由する意味でも今回のルートを選んだんだが・・・

 

ほかに現金を得る手段はものを売ることだ。カメラが手っ取り早いがそれは本当に最後の手段である。とりあえず今日はクレジットカードでホテルに泊まって、明日落ち着いて考えよう。ジトラにあるホテルは日本の東横インみたいな感じではなく、テナントの一部として建物に組み込まれているタイプの場所が多い。ただ中はすごい清潔だし、日本のビジネスホテルに匹敵するクオリティかもしれない。

 

「マレーシアリンギットなんだけどタイバーツでなんとかならない?」

「タイバーツはこの町で使えないよ」

「あ、やっぱり?じゃ、クレジットカードで支払いします」

「クレジットカードも使えないよ。リンギットだけだよ」

 

・・・は?クレカ使えないんかい!

クレジットカードって使った国のお金で引き落とされるわけで・・・それがクレジットカードのありがたいことのわけで・・・

 

「この近くでクレジットカード使えるホテル知らない?」

「聞いたことないなぁ・・・」

 

このあと、二三軒回ってセカンドオピニオンを求めましたが、結果は変わらず。

ぐぬぬぬぬぬ・・・ハッ!マレーシアって国の中でも海を挟んでたりするんだからひょっとしたら空港多いんじゃね?そんで空港にあるATMならさすがにインターナショナルなんじゃね?って閃きで空港を探すことに。この次点でタイで買ったSIMカードはうんともすんともいわず、マップのトラック追跡も国境付近で綺麗さっぱり切れてたのでGPSすら起動していない模様。

 

しゃーない、現地人に聞いて回るか。バイクのガソリンもだんだん心もとない。タイのハージャイで満タンにしてきたけど、街中を走り回ったら半分を切って給油したい気持ちが強くなってくる、まぁ1リンギット(28円)もないんだが・・・

 

数名に聞いたらみんな一様に「空港はあっちで8kmくらい」と言う。東南アジアでよくある「わかんないけど不安のままだとかわいそうだからテキトーに教えたろ!」っていう日本人からしたら謎のメンタリティが発動しているわけではなさそうだ。指示通りに走って空港に近づく、Airportの表示が全然なくて不安になったが、遠くに飛行機のモニュメントが見えて安心する。ありがとう!現地人!見えてきたのは・・・

 

「空軍学校訓練所」

 

・・・あー!もう!違うんだよ、こういう空港じゃないの!もっと普通の空港だよ、金が下せないやつがなんで空軍の空港への行き方を聞いたと思ったのか・・・でも、うすうす感じましたが、英語が通じるって言っても度合がある。そもそも俺の英語が正しいのかって問題もあるし、あっちもこっちが話す英語を知らない場合もあってお互い同じようなレベルでなんとなく言いたいことが成立している空気なのだ。Domestic airportかInternational airportってちゃんと言わないとダメだったな・・・Airportだけではこんなことが起きるのか。ちなみに軍民共用の空港ってのもあるので最高にややこしい、ここも事前に知っておくと便利かもしれない。

 

結局、空港で現地通貨を手に入れるのぞみは絶たれた。ジトラに戻って再度情報を集める。そこでわかったことは下記のとおり。

・現地人が思う外国人が現地通貨を手に入れられる場所にはすでにすべて行った

・クレジットカードを利用できる宿泊できる施設はない

・次の街に行けばひょっとしたらあるかもしれない(ないかもしれない)

 

さんざん肌をジリジリと焼いたお天道様がだんだん夕日に変わっていく。水も買えない身分なのではやくいなくなってほしいと何度も思ったが、今となってはむしろ長居してほしいと感じる、自分勝手爆発。

 

だー!考えろ、金はない。希望的観測で「なんとかなる」とか「誰かが助けてくれる」なんてことは捨てて、自分でなんとかするには何が最善なのか考えるんだ!

 

わかった、タイに戻ろう(爆)

 

もはやガソリンも少ない。これでより南下を進めればガソリンが切れることは必至だし、次の街まで持つ保証もない。金も1リンギットもなく、次の街で下せるかは不明。そもそも次の街がこのジトラより大きいのかも知らない。ケータイも通じず、外部と連絡する手段はない。大使館のあるクアラルンプールまで移動する方法もない。

 

こうなったらタイに戻って大量のタイバーツを一度マレーシアンリンギットに交換し、それをたくわえに南下するしか道はない。国際空港を経由して資金を補充しつつシンガポールを目指す、決めたぞ!

 

ガソリンが赤ゲージに到達したころBorderに戻ってきた。わりとマジで危ない。

マレーシアの国境で笑われながら出国スタンプを押される。まぁ、観光ですって行って出てったやつが四時間後に帰ってきたらそうなるだろうな・・・

 

続いてタイに入国手続き。ここはなぜかバイクで素通りできるのだがスタンプがない状態で過ごすと不法入国になるのでちゃんとイミグレに行く。当然だが、係員がなにやら驚いて事務所についてい来るように言われる。

 

みなさんはビザランというのを聞いたことがあるだろうか。ビザはご存知の通り、その国に滞在するための許可みたいなものだが、当然のことながら期限付きである。その期限が近づいたら出国するか、延長の手続きを取らないと不法滞在になってしまうのだが、一度他国に出国すればこの期限がリセットされるという仕組みがある。それを利用して、滞在したい国から一度出てすぐ戻ることで期限を延長する方法がビザランであり、管理側からすれば仕組みの誤用であることは間違いない。そういうわけで空港で入国拒否を喰らい、国に帰されるというケースもある。

 

ただ、すでにマレーシア出国のスタンプはもらった状態だ。ここで入国拒否されたら狭間の住人になってしまう。すでに中二病の時期は過ぎているので普通のオッサンのほうがいい。

 

事務所の奥では女性の責任者らしき人が担当官と話をしている。「コイツ四時間で帰ってきましたよ!」みたいな報告だと思う。一応こちらにも言い訳があるので頭で英文を組み立てて備えていたが、責任者の対応は予想に反するものだった。

 

「え?日本人?オッケー」

 

ここで発揮された日本パスポートの真価。バラマキ外交などと揶揄されるが、誰ともケンカしないために莫大な経済力を要求するインターナショナルことなかれ主義外交により、日本人の他国受け入れは平均してかなりいい。旅行者の間では「日本パスポート最強説」がまことしやかに囁かれているほどだ。

 

入国スタンプをもらってタイに入る。そこから50mほどだろうか、セブンイレブンで買ったコーラがクソうまい。次はガソリンだが・・・少し走って住人に場所を聞く、ガソリンスタンドはどこだ、と。しかしながら英語が全然通じない、それがまたタイに戻ってきたことを実感させて、言葉が通じないのに安心するという妙な状態になる。

 

そして近場にあったガソリンスタンド(コカ・コーラ)で給油。ガソリンがあるなら命尽きるまで走れるぜー!

IMGP5504

 

結局、この日、私はタイからマレーシアへ陸路で渡り、1リンギットも使うことなく、またタイへ戻ってきたのです。

 

笑ってくれ!こんな私を笑ってくれ!そして参考にしてくれ!

 

まぁでも全部勉強ですなぁ。まさかあそこまで現金を入手できないとは・・・ある国で通じる方法が隣の国で通じるかわからないって当たり前なんだけど、実は対策できてなかったな。ぽこけんさん夫妻のようにUSドルを用意したり、今はちょっと時代遅れっぽい扱いを受けてるトラベラーズチェックを用意したり、事前に各国の通貨を少額でも持っている必要がある。それに陸路で移動するなら十分な水分や食料、ガソリンの携行缶は考えるべきだ。探しながらここまでなんとしに走ってきて見つかっていないのということもあるが、一度集中して行動すべきかもしれない。

 

また明日出国するかもしれません(笑)

それでは!

 

ブログ村に参加しています。よかったらクリックお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

2 Comments AsiaSoutheast Asia

1月20日 チェンダオ山下山

外から声がする。
最初は声だけだったが、テントが外からつつかれて変形してからジョーさんに呼ばれていることに気付いた。

現在、朝の五時である。「雲海を見たい」と言っておいたがためにジョーさんが起こしてくれた。
眠い眼をこすりながらテントの外に出る。
ジョーさんはすでに登る気満々だが、こっちは起きたばっかりだ。
急いで準備して出発する。目を開けてからものの1,2分で真っ暗な山道を歩き始めた。

 

雲海が見える場所は昨日夕日を見た場所とは違う。
高橋さんはたしか30分も歩けば・・・と言っていたが、腹に何もつっこんでいない状態だとその時間ですら長く感じる。おまけに滑りやすい土の急坂を上っていかなければならない。はぁはぁ言いながら登る。手をかける石がわりと細くとがっていてゾッとする。

しばらく歩いて一度休憩を申し入れようとした矢先、人の話す声が聞こえてきたd。どうやら目的の場所についたらしい。

IMGP3830

夜景が暗い・・・それでも一応光っているのがチェンダオの街。運が良ければ早朝日の出とともに雲海が立ち込めるらしい。数枚写真を撮るとジョーさんが震えながら鼻水をすすっていた。ここも一応山頂なので気温自体は数度というところだろうが、何しろギブアップ寸前まで体を動かしてきたからダウンジャケットなど必要ない。昨日は全然酒をもらおうとしなかったジョーさんもダウンジャケットを差し出したら素直に着込んでいた。

 

周りを見ると暗いながらもほかの人の動きが少しだけ見える。近くにいた女性三人がしきりにこちらを見るので目を凝らしてみたら昨日お世話になったアカ族の女性たちだった。決して若いとは言わない年齢のはずだが、それでもあの急坂を朝っぱらから登ってきたのか・・・昨日のお礼を言って撮影に戻る。一人は日本のアプリで遊んでいるらしく、しきりに「だ~いすき」というアニメ声がひたすら山頂に響いていた、妙な気分である。

IMGP3839

下の写真はチェンダオの夜景。町の規模にふさわしくメイン通りに灯りが集中し、その周りに少しだけ光の支流が伸びている。そんな小さな光の線の向こうに、大きく美しい光の帯が顔を出し始めた。ここまでくるともう星は映らない。

IMGP3836

そして次第にその光の帯が広がっていき、太陽が顔を出す。その少し前くらいから徐々に霧が立ち込めて来て、町が完全に見えなくなった。ご来光と雲海、なんとも贅沢な景色である。この日は比較的温度が高く、放射冷却が弱いと思っていたので雲海が出くわしたのは本当にラッキーだった。太陽が出る場所にある雲もどことなくいい感じにその光をにじませてくれる。こうやって見ると本当に日の出か夕日かわからんなぁ。

IMGP3884

あちこちから歓声が聞こえる。気づかなかったがけっこうな数の人間が周りにいたらしい。ここはご来光スポットとしてみんなが来る場所のようだ。アカ族の人もさきほどの女性三人だけでなく、ほかにも何人か来ており挨拶した。

IMGP3918

よく動物も感情があるという話を聞く。私もその話にはまったく同感で、「動物も人間と同じように感情を持っていると思いたい」というバイアスを除くことができたとしても、たぶん意見は変わらない。一緒に過ごす時間が長くなれば長くなるほど、そう感じる場面に多々遭遇する。喜怒哀楽はマジであると思う。

 

でも、美しいものに対する感動ってあったりするのかな。一生を自然の中で過ごす彼らも、新緑繁る森や入道雲が浮かぶ青空、色とりどりの紅葉や、雪の積もった山麓を、危険に対する警戒や食料の確保を中断して見入ることがあるんだろうか。

 

「夜と霧」という本がある。

ナチスドイツによる迫害を受けたある精神科医が記した手記をまとめた本だ。この本は悪名高いアウシュビッツの闇を暴くものでもなければヒトラー政権の在り方に異を唱えて立ち向かう英雄の話ではない。

 

ごくごく一般の人々が、各地にある小さな収容所で数々の不幸に見舞われるさまを精神科医という視点から記録したものだ。収容所に来る前には誰もが社会的地位をともなう「何者だった」はずだが、人間的尊厳や生きる希望を奪われ、一様に過酷な運命の渦に飲み込まれていく。

 

これだけ見るとすごく暗い話のようだが、実は全くの逆だと私自身は解釈している。そう考える一つの要因として生存権まで脅かされた人間が何を選択していくかということに目を向けたシーンがある。

 

収容所の中では誰もが栄養失調と凍傷で瀕死に陥いっている。外は吹雪舞う極寒の季節だが、線路を埋設する工事のため、十数キロを超える距離を歩いてから作業を行う。寒さを感じる限度を大きく超えているのでただただ全身が痛い、曲がるところはそこら中切れていて赤い肉が常に見えている。そんな中でもお互いがお互いを支えるために仲間同士を励ましあいながら解放の日(誰もが心の底からそれを信じていない)を夢見ている。

そんな絶望的な日常である日、昨日まで励ましあった仲間が物言わぬ躯(むくろ)になっていた。それを知るや否や少しでも自分のものよりマシな靴、ずぼん、うわぎ、下着にいたるまで全て奪ってから死体を外に捨てにいく。著者の記述だと誰もその死を泣いたり、悔やんだりはしないらしい。いや、そうしたいのはやまやまかもしれないが、少なくともそういった感情を表情や行動に出すだけの余力はないという世界だ。

 

そんな壮絶な日常を送る彼らにとって食料の配給は、明日へ命をつなぐいわばチケットのようなものだ。これを逃せば近い将来命を落とすことになる。しかしながら、入手できるものは食料の配給だけではない。そのころの収容所内では少ないながらもナチスドイツの兵隊から入手した煙草などの嗜好品も存在したらしい。そんな貴重品を得るための対価となったのが配給の食料である。つまり明日へ命を繋ぐ食料と引き換えでなければ嗜好品は手に入らない。二者択一である。もし、仲間の誰かが煙草を吸っているのを見たら、皆がその者の死を間近に感じていた。

 

そういった環境下で何人もの被収容者が配給を無視してしまう現象が起こる。配給を受けなくてもその日の作業はもちろんなくならない。たとえその日中生きられたとしても、余裕の一切ない体に鞭打つことはもはや自殺と同義だろう。前述のように嗜好品に化かす者は配給を無視したりはしない。しかし、この者たちは配給をそもそも受け取らない。では、命を犠牲にしてまで何をするか。

 

彼らは朝日を見に出かけるのである。

 

雪原の果てから生まれてくる太陽を見る。生きて家族と遭う望みも捨て、かといって無気力に死を待つわけではない。自分が今まで見てきた景色を重ね、思い出し、涙するのかもしれないが、それは別に漠々と広がる雪原を作業中に見ながらでもできることだ。そこであえて朝日を見に行くという行動に美しさや芸術に対する欲求を強く感じる。人はすべて奪われても「美しいもの」に対する欲求がなくならない。

 

これってめちゃくちゃ面白い事実じゃないですか。他の動物がどうかは知りませんが、たぶん人間だけじゃないかな、と勝手に思っています。死にざまにも美学を見出すことって実際でも創作でも多々見受けられますもんね。本当に全部なくなったあとにそういう行動とるってことはもう本能に近いんじゃなじゃないの?美しいものを見て快を感じる報酬系が強化されてるって見方もあるかもしれませんが、命を繋ぐ行動を中断してまで実行する状態って・・・ここまでくると本能に近似してるレベルでその行動を選ばせてるってことになりませんか。

 

あ、言いたいことは美しいって感じられる能力が少なくとも人間には備わっていて、それってすばらしいなってことです。概念が命の価値を超えるってことですからね。はい、引用が最高に長くなりましたが、つまりそういうことです。

 

その美に対する欲求で、言葉も通じない海の向こうのおばあちゃんがひぃこら言いながら山に登るんですからね。いくらはえぬきの山岳民族といえど、さすがに私よりは体力ないでしょう・・・もうね、抗えないよね、美に。あんまりこういうとあだ名がIKKOとかになりそうなんでこの辺にしますが。

 

これは朝日を受ける隣の山。日を受ける輪郭にヤシの木があって南国だと再認識する。後ろに広がる空のグラデーションが美しい。

IMGP3900

昨日の夕方に太陽を見送った三兄弟。昨日見た場所からは等間隔に見えたけどここから見るとずいぶん離れて見える、山は見る角度によって印象がガラリと変わる。

IMGP3915

見るもの見たし、撤退!

ここからテントサイトに戻って朝食。ジョーさんがポーター仲間との朝食に誘ってくれた。インスタントラーメンを作り、私に分けてくれる。私が貢献できるのは水とカオラムくらいなんですが、カオラムのほうは速攻で断られました。寒い山の上であったかいもの食えるって最高水準の幸せだよなー。

 

飯の間中、底を乾かすために横にしていたテントがまだ乾かない。やることもないのでテント周りのゴミ拾いをしていると最初は見ているだけだったジョーさんが手伝ってくれた。ポーターの人たちは大きなゴミを捨てたりはしないが、たとえばカップラーメンのかやくが入った小さなビニールの切れ端をそのまま投げ捨てたりする。そういうのがそこら中に散らばっている。別に聖人ではないので自分のテント周りだけ終えてキャンプサイトを発つ。自分たちのホームベースなのであとは自分らでやってください。

 

下りは体力的に簡単でも、足首をひねりやすかったりする。加えてここでも赤土が滑ること滑ること、慎重に行かないと。写真撮影の時間でこまめに休憩しながら、順調に下っていく。

IMGP3956

帰りは違う登山道へ下りる。途中バナナの木が大量に生えた場所があった。登りとは少しだけ違う景色を見ながらガンガン下山していく。

IMGP3959

下山ルートは登りルートよりはるかに短い。道は少しだけ急だが、そもそもこっちのルートは山を回りこんだりはしないので距離がその分短くなる。休憩も写真撮影以外は入れなかったので一時間半ほどで下り終えた。ただ、夕方と朝方の景色がすばらしかったので泊まらなくてもよかったなんてことは思わない。

 

下山の途中でジョーさんが連絡してくれたこともあり、登山口についたらすでにトラックが待機していた。帰りは道がまっとうだと聞いていたので荷台で揺られながら事務局へ移動。遠ざかる山を指さしてジョーさんが笑いながら話しかけてくる。「あそこが登ったところだぞー」みたいな感じかな、本当にありがとう。お世話になりました。

 

事務局でペットボトルの数を確認し、デポジットを返してもらう。ポーターと運転手にもお金を払って、高橋さんを待つ。コーラを買ってベンチに腰掛けると思っていたのと感じが違う。木の模様を描いたコンクリートの長椅子だった。そういうところもタイっぽくて安心する。

IMGP3987

このあと到着した高橋さんの車に乗って温泉・ご飯に連れて行ってもらった。

温泉でした山の話はおもしろかったな~。

 

ちなみに次の日はカメラ・靴・リュックサック・そのほかもろもろを綺麗にするため、写真も撮らずひたすら洗濯したりダラダラしたりしてました。

 

いよいよ明後日からマレーシアに向けて出発します。

それでは!

 

ブログ村に参加しています。よかったらクリックお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

No Comments AsiaSoutheast Asia

2016年1月19日 チェンダオ山登山

—2016年1月19日—

ついにチェンダオ山に登る当日、いつもより少し早めに起きて今日登るチェンダオ山を見やる。

よし、今日からよろしくお願いします。
IMGP3301

この日は朝8:00に管理局で集合することになっていた。高橋さんの車に乗せてもらって朝のチェンダオの街を抜ける、その時間にはまだ外が寒く、人もまばらと言った印象だった。

 

管理局に到着すると予約したときにいた朝黒の女性がすでに仕事を始めていた。タイの女性は本当に働きものが多い印象を受ける(一方男性は…)。ここで入山料を払い、ポーター(荷物持ち)の男性と落ち合う。

IMGP3307

これから二日間お世話になるポーターさんはすでに来ているようだ。彼の名前はジョー、タイ人の名前はとにかくみんな発音が難しいので呼びやすくて助かる。持っていく荷物を管理局員とポーター立ち合いのもと中身をチェックする。この時に持っていくペットボトルの数などを数えてデポジットを渡す。山に捨ててくればそのまま罰金になるというわけだ。

 

荷物の重さは20kgまでと決められていたが、今回持ってきた荷物はおそらく10kg越えるくらいだと思う。すべての荷物をポーターに持ってもらい、自分は完全に手ぶらで行くのは人としていかがなものかと思ったので同じくらいの荷物を持って登山する。せっかくなので登山前の彼のポートレートを撮らせてもらう。こちらを見て目を見開いたものもあったが、言葉も全く通じない相手とはじめて会った段階で心の距離を感じたので、笑顔が終わった瞬間の写真を採用した。この二日間で仲良くなれるといいな、よろしくお願いします。

IMGP3309

彼の使っている背負子。日本の登山でも一時ブームになったらしい、拡張性が高く下した時にバッグが汚れにくい。腰で荷重を支える設計なので楽にものを運べ疲労しにくいなどの特徴がある。しかし、日本の山では岩場が多く、下りているときに岩と背負子が干渉したり、藪漕ぎなど狭い場所を抜けるときに背負子が枝に引っかかったりなどの理由でブームも衰退したと聞く。逆にこれを使っているということは急峻な岩場や細く長い藪漕ぎがないということだろう。ちょっと安心した。

IMGP3311

チャーターした車に乗り込んで登山口まで移動する。移動する車はトラックのように荷台を持つジープで、私が助手席に、ジョーさんは荷台に乗り込んだ。登山口までは舗装路10分未舗装路30分の道のりだ。この未舗装路が本当にひどいありさまで殴られるような衝撃の揺れ具合で土埃をガンガン上げながら進んでいく。酔わないように気を張っているとバックミラーに映るジョーさんがゲリラみたいな覆面をして悪路の旅路に耐えていた。

 

比較的平坦な場所の写真。高橋さんが「車をチャーターするの高いからうちの車で乗せていくよ!」と言ってくれたが、奥さんのドゥアンさんは「車がかわいそうだからダメ」ということでNG。実際に乗ってみたが、奥さんのいうことはもっともであると実感した。

IMGP3316

IMGP3331

運転手がタイ語で何か言っている、どうやら目的地が近いらしい。

酔う手前くらいまでは行ってたけど登山口の光景を見て一発でシャキッとなった。今まで悪路を忘れさせるほどの見事な桜並木、この時点ですでに来てよかったと感じていた。

IMGP3347

登山する前にはトイレにいっておかないと。これから数時間は登りどおしだろうからな、準備は万端にしておこう。時間にして1,2分のはずだが用を済ませて出てくると運転手もジョーさんもすでに周りにいない。たしかに、集合地点で「写真をたくさんたくさん撮るので先にいって構わない」と高橋さんからタイ語で伝えてもらっていたが、まさか出発の時点で置いていかれたのだろうか・・・

 

登山口に入り、200mほど進むとジョーさんが歩を止めて待ってくれていた。あぁ、よかった・・・

IMGP3353

登山道のスタート地点から道はすこぶるいい。斜面側に微妙に傾斜していて足が疲れやすくはあるものの、道自体は平らで落ち葉が適度にあって硬すぎずやわらかすぎずといった具合だ。それに空気はうまいし、林の緑は綺麗で登山というよりピクニックに近い様相である。道中、わりとよく見るかつて道をふさいでいた木の太さを見て、ここが原生林であることを実感する。

IMGP3358

IMGP3359

傾斜も大してきつくないし、正直ゆるやかな道をただ歩いていくイージールート。まぁ、簡単な方の登り口だったからそういうことになるんだが、写真も思いっきり撮れるし、やっぱりこっちにしてよかったと実感。林から覗く遠方の山々とそのパノラマに元気が出る。

IMGP3374

山道側が抉れた木。コイツも近い将来、道を塞ぐことになるかもしれない。物理的な要因ではなく病気かなにかだろうか、ところどころでこういうのに出くわす。

IMGP3381

スタートから歩いて20分経たないくらいでこの絶景。荷物を降ろして上着を脱ぐ、これから午後にかけて一気に気温が上がるだろう。空の青さがのぞく針葉樹林の間に見える頂、その

奥を今日は目指す。

IMGP3393

進むごとに絶景。どういう経緯でできたかわからないがここの山は本当に不思議な形をしている。ちなみにジョーさんに山の名前を聞いても言葉は一切伝わらなかった、ひょっとしたらいちいち山の名前なんて気にしていないのかもしれない。

IMGP3422

登山道を歩いていると背の高い原生林の隙間からほかの山が見えたりする。このシルエットが南国特有の額縁みたいで向こうの山をより際立たせてくれる。

IMGP3470

空の青さがすばらしい。山はその青の中でカリッとはっきりした輪郭を持っているのでまるで浮き出ているように見える。山の立体感を越える自然の造形にはまだ出会っていない気がする。

IMGP3472

1時間ほど登ってくるとだんだん斜面が急になってくる。それと山頂を中心にぐるりと回ってアプローチする手法のため、長らく日陰を歩く形になった。涼しいのはありがたいが、この時間に陰っている土は朝露が残ったままですさまじく滑る。私もジョーさんも何度か滑りながらようやく日陰ゾーンを抜けた。

IMGP3502

ゆるやかとかなんだとか言っていたがやっぱりちゃんと登山なのでそれなりに疲れる。歩き始めて大体2時間ちょっとくらいだっただろうか、休憩地点と思しき場所についた。ベンチが備え付けられているわけでは名が、ちょうどいい高さの岩がごろごろと転がっていて、休みを取るのにちょうどいい。

IMGP3504

ジョーさんは何やらほかのポーターと話し込んでいる。休みのときは完全に腰を下ろすと疲れが出やすくなるのでゆっくりと歩いたりしながら気分を変える。ここから進む道を覗くと高さのある樹木は明らかに今までより少ない、ひょっとしたら森林限界かもしれないな。木陰に感謝しながら、その貢献者を見る。この美しい緑の天井も日本で見ることができるのは数か月先のことだろう。

IMGP3512

緑の美しさに見とれていると風でそよいだ天井から太陽が覗く。その眩しさを表現したくてフレアが美しく出る角度を探した。心地よい眩しさというのは存在すると思う。

IMGP3521

休憩を終えてまた歩き出す。さきほどまでとは打って変わって完全な日照り地帯である。高橋さんからお借りした麦わら帽子がこれほど有用だとは・・・昔の人が使ってる道具って実際すげー便利だと実感した瞬間だった。

IMGP3544

さっきまで楽勝だとか思っていた自分を殴りたい。時間も朝から大分経ち、太陽の角度は見上げるほどになってきている。それに伴って気温も上がるし、日照時間と行動時間がイコールになったことで暑さが尋常じゃない。

IMGP3550

そんな中でも元気な連中はいる。ひとつは欧米系の人間、トレイルラン(走って登山を行うスポーツ)中のようで土煙を挙げながら山道を下っていた。道を譲るのに精いっぱいで写真を撮ることができない。もうひとつはポーターの人たち。彼らはキャンプ地にテントを張り、そこに生活に使う備品をあらかじめ引っ張り上げておくことで自身の荷物を極力減らし、登山客の荷物を運んでくれる。そんなパワフルな彼らなので荷物を積まずに山を下りるときはどうやら駆け足が基本らしい。ちなみにあとから知ったが、ポーターの人たちは下るときに音楽をかけることで登りの登山者に注意を促しているようだった。

IMGP3561

つらくなるとだんだん地面を見る回数が増えてくる。そんなときこそ意識的に景色を眺めて気を紛らわしたり、撮影ポイントを考えたりするようにしている。そうするとどこか日本で見たような、いや、こんなところはないような場所があったりしておもしろい。

IMGP3565

大分登ってきたので振り返るのが楽しい。遠方に見える山々が写真で見たマチュピチュの山のように見えた。こういう景色のせいで山にまた登りたくなってしまう。

IMGP3566

休憩地点が全然ないので少し広くなった山道で昼食をとる。これはタイの伝統料理「カオラム」。外は繊維質の植物で覆われ、中身はもち米で栗?がまぶしてある。ココナッツオイルが入っているらしく、長時間放っておいてもご飯が固くなりにくいらしい。天然素材なので食ったあとは山の林の中に投げ入れておkらしい。忍者飯みたいで結構好きです。ちなみに外の繊維質は結構本気にならないと剥がせないので子供や女性は頑張らないと食えないかもしれない印象を受けました。

IMGP3568

遠くに見えてきた岩山がいよいよ近づいてくる。ごつごつした岩肌に迫力を感じるが、そこに映えているヤシの木のおかげでなんとなく柔らかい印象も受ける。

IMGP3577

高橋さんから登り切る直前で急登があると聞いていた。ここまでで結構急だったのでもうすぐ着くと期待していたが、どうやらここはゴール手前ではないらしい。また平坦な道に戻ってちょっとガッカリ。まぁ、見返した景色が今までの頑張りの報酬だな。

IMGP3582

説明書きは一切ないが、やはりここは石灰質の山なんだろう。日本でいうところの四国カルストや秋吉台のように歯みたいな岩がいくつも突き出していた。この点在する岩を縫いながら山道は山頂へ続いている。

IMGP3586

さきほどまで平原だったのにまた葉が覆う木陰道に戻される。言葉も通じないからあとどれくらいかもわからず黙々と進む。写真撮影も結構したのでコースタイムが気になるところだが・・・

IMGP3602

その不安はまったくの杞憂で林に入ってすぐの場所にキャンプ地がありました。到着も12時半くらいだったかな、めちゃくちゃ余裕のある到着です。速攻でテントを立てて、就寝準備完了。夜は氷点下になるということなのでテントの外側に銀シートを設置。ジョーさんに「山頂からサンセットを撮りたい」と言ったら通じたらしく、三時半までテントで寝て、そこからまた登り始めることになりました。登山終えて昼寝とか最高です。

IMGP3603

木陰に設置したおかげでテントの中はとても快適な空間だった。疲労もあったのか、目を瞑って次に光を見たときには予定の時間の十分前だった。改めて荷物を持って登山再開。ジョーさんは私がお願いしていた荷物をすべてパージしたのでめちゃくちゃ登山のスピードが上がってました。そこにひぃひぃ言いながらついていく、ジョーさんがたまに停まっては遅れる私を応援してくれた。そして彼が待っている場所は大体絶景ポイントなのでそのたびにリュックを下ろしてカメラで撮る。

IMGP3612

高橋さんが言っていた最後の急登ってのはたぶんここだ・・・ってのが下の写真。急だってのに加えて乾ききった赤土が滑ること滑ること・・・そんな場所をやっとこさ登り切りました。

IMGP3615

そんでもって頂上に到着。ケルンはなくても看板があるのでここがピークで間違いないらしい。日本の山頂で国旗を見たことはないが、記念撮影にはかなりありがたいと感じた。

IMGP3621

山頂からの写真を撮っているとジョーさんが手招きしてくれる。景色がいいのはどうやらここだけじゃないらしい。ピークのさらに奥、岬のように細く続く道を進んでいくとたしかにそこに絶景があった。

IMGP3635

うおー!めっちゃ気持ちいい!見えるこれすべてが原生林とかすごいなー。タイは日本の国土の8倍の面積の中に70を超える国立公園があると聞く。正直素直にうらやましいと思う。

 

ここまで一緒に登ってきたジョーさんをここらでかっこよくビシッと撮りたいな。いちいちポーズまで要求して写真を撮らせてもらった、本来荷物運びまでが仕事だったけど、こうして絶景ポイントにわざわざ連れてきてくれてありがとうございます。

IMGP3825

あとは夕日が来るまでここでちょいちょい撮影しながら時間を潰すか。気になったものはとりあえずなんで撮りたいと思ったのか考えながら写真を撮る。

このヤシは崖から一本だけ生えていた。でも、ヤシって種がめちゃくちゃ重くてなんでコイツがここに生えてるのか正直全然わからない。この真下にはうっそうと茂るヤシの林が広がっていたのでひょっとしてこいつはそいつらのビッグダディーかもしれない。

IMGP3679

突き出した石灰岩と樹木が茂る丘。この場所は岩が点在ではなく密集していて、なんだか岩も植物みたいに林になっているよう見えた。あの岩の間を歩いたらおもしろいかもしれない。

IMGP3688

撮った写真を全部貼るときりがないのでこの辺で割愛。そろそろ夕暮れというところにようやく近づいてきた。空の色が様々に分かれ、重なりながら美しいグラデーションを作っていく。

IMGP3802

特徴的な三兄弟のはるか向こうでその面積を減らしていく太陽。太陽を隠す山の向こうにかつてタイに侵攻した旧ビルマ政権が存在したミャンマーがある。あの山の向こうにはどんな景色が広がっているんだろう。

IMGP3817

この夕日を見る間、何やら後ろで集団が賑やかに話している。何の話か一切聞き取れなかったが、台湾から来た女の子によると向かいの稜線にシカを見つけたらしい。この山に住むシカは見ることが非常に珍しいため、見ると良いことがあるとされているという。めっちゃ詳しいねって言ったら「ガイドから聞いた」そうだ、ポーターは英語が話せないがガイドは英語が話せるらしかった、そこも役割で違うんだね。

 

夕日が沈んで私がカメラをしまったのを確認するとジョーさんがものすごい勢いで下りていく。暗くなりきる前にキャンプサイトまで行かないと危ないのかもしれない。帰り道で落ちていた眼鏡の持ち主を探す女性を見つけた、だんだん夜が近づくこの時間で「困っているだろう人」を案じて行動している。別に天国や地獄、神様の評価でそれが反映されるかどうかは全くの別として、人としての資質が垣間見える瞬間だった。すばらしい人もいるもんだと、ラオスから来た青年と話しながら登山道を下った。

 

キャンプサイトまで下りあと数十メートルでテントというところで宴会をしているグループがいる。宴会といっても飯を囲みながら賑やかに話している感じだ。パッとみるとさっきシカを見てワイワイ言っていた人たちだった。

 

その中の一人の男性と目が合う。山頂でもちょこっとだけ話がこの男性は英語が少し話せるようで「タイのどこへ行った?タイ語は何を覚えた?」とかちょっとした会話をしていた。軽く会釈をすると手招きしてこっちに来いという。周りには民族衣装を来た初老の女性たちや中年男性が輪を作っていた。

 

えぇ~・・・・これ入りにくいな、つか、話通じるのかな~・・・とか思いながら勢いに負けて席に着く。何やらはやし立てられながら小さなコップを渡され、酒を注がれる。

 

「ウィスキー!ウィスキー!」

 

ああ、知ってる単語だ。直ちに健康に影響がないアレな。

どうやらストレートで飲めということらしい、いや、やっぱり直ちに影響があるかもしれない。

 

変にちまちま飲んでも盛り上がらないだろうと思って一気に流し込む。流し込むっていってもおちょこくらいのサイズしかないのでこのくらいなら全然許容量だ。飲んだ瞬間、今まで静かだった女性陣が手をたたいて笑顔で何やら言っている。どうやら受け入れてくれるらしい。立って話を聞いていたジョーさんを半ば無理やり座らせてお酒を回す。遠慮していたが周りの人たちが勧めてくれ、宴会に混じることになった。

 

飯は食ったか?たぶん、こう聞かれた気がしたので「カオラムならあるよ!」といってリュックから出す。出したカオラムを見て何がおもしろのかは不明だが、みんな大笑いだった。そのあと、みんなが食べていた鶏肉やヤギの肉、野菜、そして酒類にいたるまでたくさんのものを分けてくれた。山奥に来てまでこんなごちそうにありつけるとは・・・お礼をしながらなんとか会話しようと喋る。英語が少しだけできる男性が「もう少しすれば英語が話せる子が来るよ」と教えてくれた。それまでは食料と酒でひたすら責め立てられた。

 

言葉は通じないものの雰囲気は非常になごやかでその空気感が心地いい。海外に来て、英語らしきものを話しながらここまで来たが、「言葉は問題じゃない」と強く実感するようになった。もちろんビジネスや正確さを要求されるシーンでは「言葉こそ重要」になるのはもちろんだが、そうではないカジュアルな場ではそこに溶け込もうとする努力や、その場を楽しもうという姿勢の方が何倍も重要ではないかと感じる。そんなことは私が言う前に幾度となく多くの先人が言っているが、やはり知識として知っていることと体感したことでは言葉の重みが違う。ひょっとしたら旅の大きな効用は日々の変化の中ですでに知っている知識を体感し、血肉に変えていくことかもしれない。

 

しばらくすると英語を話せる女性が降りてきた。テントの灯りが足りないので目を凝らしてみると、さきほど眼鏡の持ち主を探していた人物だ。彼女の話だとこの一行は少数民族、アカ族の人たちらしい。アカ族といえばタイ北部の街メーサロンでお茶をごちそうになった人と同じである。自分に対してのもてなしもさることながら、自発的に困っている人を助けようとする姿勢。アカ族の親切心というか倫理観って高いなぁと感じました、ひょっとしたらそういう教えが彼らの中に根付いているのかもしれない。普通にすごい。

 

この女性はJeab(難しいがジアさんと読む、最後のbは発音しない)さんと言う人でタイ語とアカ族の言葉と中国語と英語の四つの言語が話せる。日本には旅行で訪れたこともあるらしく、簡単な日本語を話すことができた。その彼女が通訳になって色々な話をした。彼らの関心は私がどんなタイ語を喋れるのか、名前はどんな意味があるのか、○○を日本で言うとなんと言うのかなどだった。

 

タイ語で大切なのは声調である。たとえばマーという言葉には5つの声調がある。短く音を挙げたり、ゆっくり下げたり、一定だったり・・・その声調によって意味が違う。同じ「マー」でも声調が違えば意味は違う、馬・犬・こっちに来いという具合だ。

 

全然ムリ。全然リピートできない。そこから知っていた数少ない単語について怒涛のタイ語レッスンがはじまった・・・そんな中で苦しくも言い訳するべく日本語の特徴を説明する。日本語はイントネーションが一定で、一語一語をはっきり区別して喋る。たとえば「こんにちは」、ほら言ってみて!

 

みんな口々に言うが「こんにちは」は難しいらしい。聞いている印象だとイントネーションうんぬんより、一語一語を発する時間が一定なのが難しいのかもしれない。抑揚もないのでそれこそタイ語とまったく反対である。

 

ふふふ、わかってもらえたかな、日本語の難しさが。しばらくすると普通に喋れるおばあちゃんが現れる、一瞬日本人が混じってるかと思ったくらい上手でビビった。そんなに簡単に習得されたらこっちだって形無しである、ここらで難しい日本語を教えてプライドを守ろう。

 

そこで彼らに「ちゃうちゃうちゃうんちゃう」を教えた。関西弁のアレである。たぶん私が発音しても関西人の人からしたら違和感ありありなんだろうが、ここは勝つために仕方がないのだ。一瞬何が起こったかわからない顔をしていた人たちも、2,3回聞いたあとにはバカ受けしていた。ジアさんの話だとタイでは同じ言葉をしつこく繰り返したりはしないらしい。ダジャレとかないんだろうか。

 

そのあとも宴会は続き、とても楽しい時間を過ごすことができた。海外に来て、はじめてFacebookで友達申請をした。いい夜だったなー・・・

IMGP3824

アカ族のみなさん、本当にありがとう。おかげで最高の登山になりました。

 

たぶん彼らが私の日記を読むこともないし、私がどう感じているかを知ることはないだろうが、私はあなたがたを尊敬します。あなたがたによくしてもらった分、誰かにそれを分けられる人間になろうと思います。

 

この時に飲んだ酒がちょうどいい寝酒になって、昼寝したにも関わらずぐっすり寝れました。

明日は朝日が昇る前に行動を開始、下山してうまいビールを目指します。

 

それでは!

 

ブログ村に参加しています。よかったらクリックお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

No Comments AsiaSoutheast Asia