月別: 2016年3月

いざ行かん、キナバル山(後編)

決算期も最終日で安堵している皆さん、こんにちは。花粉症で鼻水が無限に出る宮下です。

いよいよ暖かくなってきて桜の季節ですね。

今年は奈良の吉野山へ桜を撮りに行こうと今準備中です。

 

とはいえ、東南アジアの日記終わってないんですが・・・

 

確定申告然り、その他の事務処理もろもろも一通り終わり、次に行く場所の再選定をしなければいけないんですが、

 

まぁ、ダラけるよね

 

春の暖かい風のせいとかにしちゃうんだけどとにかくヤバいよね。

何がヤバいって人としてこのままだとちょっとヤバイので色々動き出さないと。

 

日記ではキナバル山の山頂を目指すところでしたね。

夜更かしして夜空とキナバル山を撮って寝たよってところでした。

 

そして午前二時、幸いよく眠れたのか、ついさっき眠りについた感覚が残ったまま起床。出発は午前二時半からですが、この山小屋では早朝アタックのため、この時間からバイキングが開かれてるという至れり尽くせりぶり。昨日の夜から続く頭痛が心配になりつつも「飯を食えば治る」という暴論で無視することに。まぁ、高山病の初期症状で出る頭痛なので順応するか薬を飲むかの2択だったんですが、薬はうかつにも持ってきてなくてほっとくしかできなかったんですけどね。

 

部屋のメンバーはすでに皆起きだしていて「飯食いにいこうぜ」と急かされる。本当はマンディと食いたかったけど別に約束もしてなかったし、同室のマケドニア人と韓国人の私の三人で少し早い朝食。バイキング形式なのでそれなりの種類の食べ物があったが、なにせインドネシアに来て日が浅く、どの食べ物が自分の体に合っていないかわからなかった。その結果、私の皿には同じ種類の料理がどっさりと乗せられて、かなりマナー違反っぽい皿が出来上がってしまった。テーブルに持っていったら、ツッコまれると思ったが、マケドニア人と韓国人の二人は話に夢中で全くリアクションがなかった。この二人は私のようにエセイングリッシュとかのレベルではなく、フツーにネイティブっぽいレベルだったので話の断片しかわからず、テキトーに相槌を打ちながら料理を口に運ぶ。こちらに話を振られるときはゆっくり喋ってくれるのでいいが、そうでないときは目の前で悪口を言われても気づかないかもしれない。話の内容は多くが登山関連で、去年の地震で亡くなった方がいた場所にこれから行くんだぞ、みたいなことを話していた。

 

「それより俺、頭痛止まらないんだけど・・・」

 

と弱音を吐くと、韓国人が頭痛薬をくれた。

「俺の分は心配するな、こんなにある」

彼もこれほど高い山は初挑戦で心配になってたくさん買ってきたという、サンクス!

 

山頂で会おうとあいさつしてトレーを返し、ザックを背負って山小屋の入り口へ。マンディと合流するとテンションは高いもののよく眠れなかったようだ。登山歴は浅いが、睡眠の質と登山でのパフォーマンスは正比例するんじゃないかってくらい関係があると感じていた、マンディが心配だ。

 

これから上は鎖やロープを使いつつひたすら岩でできた巨大な坂を上るらしい。手にグローブをはめてアプソン(ガイド)を探す。

 

昨夜、レストランのテーブルを指さして「ここに集合」と言っていたアプソンは山小屋の外で仲間のガイドと座り込んでダベッていた。他のパーティは続々と出発していたので、マンディは若干お怒りだった。そんな彼女にはレストランで待ってもらい、人がいるところで名前を呼んでようやく見つけたのである。

 

「お、来たな」

アプソンがそう言ってゆっくり立ち上がる。

 

 

いやいや、お前が来いよ(笑)

 

アプソンは「タカサン!チョウシドウ!?」と、新宿のそういう街にいるフィリピーナみたいな質問をぶつけてくる。別にガイドが登山客の心配をしてるだけなのだが・・・マンディにはもちろん英語で聞いていたけど、ネイティブからすれば私が感じるのと同じように感じているかもしれないと思うと、ちょっと笑いたくなった感情はどこかへ消えて行った。

 

アプソンがコースの説明を簡単にする。それなりの急坂が続くので、途中で休もうとすると坂の斜面側に背中が来る。するとこれから登るために上を見る人の目に直接ヘッドライトが当たることになる。だからその時はライトを消すように。

そんな至極当たり前のルールが徹底されていることに感動する、道路の交通マナーは正直アレだが、山の上でのマナーは日本と遜色ないのではないか。

 

そうして私たち三人のパーティは出発。ここから先は渋滞が起きやすい場所だと聞いていたが、先に出発したチームはずいぶん遠くに見えたので煩わされることもないだろう。人がやっとすれ違えるくらいの道を列になって歩く。常に誰かのライトが自分の足元もついでに照らしてくれるので足元だけやけに明るいが、ほかのところは全くの暗闇である。岩の急坂はいきなりはじまるわけではなく、ゴツゴツとした岩が散見される泥まみれの道をただ進む。結構アップダウンが激しく、前後から「ゼェハァ」と音がする。先頭はアプソン、次にマンディ、そして私やほかのパーティという順で登っていたが、マンディの調子が芳しくなく、しょっちゅう止まっては短い休憩を繰り返していた。それでも辛抱強く進むとその道を岩の急坂を繋ぐ階段のようなところに出た。時間にして15分程度だろうか。周りの景色が見えないとこんなに時間を長く感じるものなのか・・・ざっくり計算すると岩の急坂は2時間30分ほど登らないといけないことになるな。

 

階段自体はしっかりと作られた木製のものでずいぶんと歩きやすいが、それでもマンディはつらそうに何度も何度も立ち止まって呼吸を整えていた。振り返ると我々を先頭にヘッドライト列ができあがっている。

 

山小屋までくる途中で早い人たちに幾度となく抜かれたとき、マンディは「兎とカメ」の話をして元気づけてくれた。その時は幾度と聞いた昔話自体ではなく、その童話がイギリス人やマレーシア人も知っていることに感動して元気になったが、今こそその借りを返すときである。ちなみに私はこのとき、ビックリするほど調子が良くて、韓国人にもらった頭痛薬も使わないのに、昨日山に登り始めたときより元気という謎のコンディションだった。

 

「俺たちチームのコンセプトは”ウサギとカメ”だ。だからどんなに抜かれても大丈夫。俺たちのペースでゆっくり登っていこう!」

 

マンディも昨日自分でそれを言った手前、拒めないのか、笑顔を作って立ち上がってくれた。

そうだ、俺たちは俺たちのペースで進めばいい。

 

そこからゆっくり、ゆっくり、階段を進む。数分だろうか。

 

たぶん角度的には90度とはほど遠いはずだが、真っ暗な空間に巨大な黒い斜面を目の前にすると”壁”を連想した。ロープをつかんで足を斜面にかけると、子供頃遊んだ大きなアスレチックが脳裏によぎる。

 

これで2時間も登るとしたら・・・

実際そんなことはない。まぁ、そういう場所もあるんだろうが、人間は不安に思った出来事をそのまま延長線上で考えてしまう。マンディは私の隣でため息をついた。

 

彼女はここでリタイアを決めた。

 

本人が「できない」となったら仕方がない。周囲の者が無理やり励まして強行させるのは危険だろう。

 

こういう場合、具合が悪くなった人を単独で下山させるわけにはいかない。知識豊富なメンバーが同伴しなければ事態が悪化しかねないからである。つまりアプソンはマンディ―と下山することになった。

 

「タカさん、この山の登山者チェックはとても厳しい。地震のときに大変苦労したからだ。絶対にチェックポイントで登山カードを見せてね。絶対ほかのルートから行かないでね!」

 

このことは特に重要らしく、何回も言われた。ほかにもロープが朝露で滑るから気をつけろだとか、ほかのチームにくっついて歩けとか、自分のペースを守らないと疲労で滑落するぞ、とか。その会話の間にも後続のメンバーが次々に岩の急坂を上っていく。二人に挨拶をして、その中に紛れる。話す相手もいないので黙々と登る状態になった。

 

登りの列は度々渋滞した。一本のロープにつかまっていい人数には限りがある。遅い人間がいるとどうしてもその後が詰まる。標高も3500mを越えた真夜中なのでそれなりの寒さだが、それでも見上げる星空の見事さで「それもいいか」と思えてくる。そうして人の列に従っているとチェックポイントが見えてきた。ほかのチームに続いて名前を言ったのでガイドのことは聞かれなかった。

 

チェックポイントを越えると急だった坂は徐々になだらかになっていき、狭かった登山道は本当にだだっ広い空間に変わった。ここにあるロープは坂の上るためのアシストというよりはこの広大な岩場を最短ルートで頂上まで登るための道標といったほうがしっくり来る。

 

こういうところまで来るとちょっとくらいロープから離れても・・・と一瞬思ったが、初見の場所ではしゃぐのは死ぬ危険が10倍くらい高くなるのでおとなしくロープに沿って歩く。荷物のわりに大分軽快に進めたのか、結構な人数を追い抜いて頂上付近までたどり着いた。ここまで来ると登ることで蓄えた熱量が止まると寒さで一気に霧散してしまう。かといってずっと登っていられるほど身体は順応してはいない、調子がいいとはいえ、いつもより圧倒的に息が上がりやすい。小さく登って、短く休む。岩の坂を越えるたびに頂上が見えないことにガッカリする。

 

歩き始めて2時間50分、ライトの列が伸びる先に赤い光が点滅しているのが見えた。頂上だ。

どうやらご来光には間に合ったようで真っ暗闇の中、山頂の看板にタッチ。

星は綺麗に見えるが真っ暗なので高さの感覚が全然ない。その辺の人に聞いて日の出の方向を聞く。

 

三脚とカメラをセットして日の出を待つ。海抜4000mを越える頂上はすさまじく寒く、頑張って早く登ってきたことを後悔するほどだった。さきに頂上に到達した人々の元気がなく見えたのは疲労ではなくて寒さだったんだろうな・・・中にはびっくりするほど軽装の人もいて、準備不足とはいえずいぶんかわいそうだと思った。

 

そして日の出。

雲海の先が薄く光る。

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重なり合った雲海は厚く、しかも山頂付近しか顔を出していないような高さだった。雲という空に浮かぶ存在にしてはあまりにもゴワゴワと硬そうなイメージだった。登ってきた岩山をイメージして暗く重く見えるように撮影。

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頂上近くにある岩山。これほど急ではないが、斜面の質はこの岩山と同質である。日の出前後の薄暗い光でなんとか登ってきた場所がどんなところだったか明らかになった。

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雲海は空気の流れに乗って動く。空気が山を越えれば雲もそれに乗って山を越える・・・わけだが、理屈で分かっていても雲の怪物が岩山を飲み込もうとしているように見える。目の前に広がるダイナミックな映像に効果音やBGMがないのも絶景を生で見たときの特徴かもしれない。

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これは実際に登ってきた場所。岩の稜線、左の方にになんか出てるのわかりますか。これ人です、こういう圧倒的スケールにいや応なく圧倒されます。

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あれやこれや撮っていたら日の出直後の眩しいけど強すぎない光はどこかにいってしまった。徐々に明るくなって逆光の部分にも色がつきはじめる。それにしてもこの山はすごい形をしている。

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稜線が険しすぎ。登山道じゃないけどあそこは行けたらかなりスリルがありそうだ。恐竜の化石みたいな形をしている。

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そうこうしているうちに頂上にいた人たちは戻り始める。ご来光を見たので用が済んだというところだろう。ガイドに促され続々と帰還していく。感動してすっかり忘れていたが、そういえばここには一人で来たんだった。適当な頃合いを見て帰らなければ。

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場所によってはすっかり雲海がなくなっている。ってか、本当に岩山だな。これで地震起きたらホントヤバイだろ。

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一応山頂も撮影。これを撮影しているときに「自分の写真も撮らないで看板とって何が面白いの?あいつバカじゃね?」って白人の若者に悪口を言われた。

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もうね、めちゃくちゃ感動した。

 

ネイティブがボソボソ言ったセリフを聞けるようになるなんて、やっぱり英語は現地で覚えるべきなんや!

 

山頂ついたよりそっちのほうが達成感あった。

 

そのメンバーがいなくなるといよいよ山頂に一人になる。荷物をザックに詰め込んで背負いなおすと、ロープを伝って下山開始。帰りの道は太陽のおかげで全部見えて楽しい。途中雨が溜まった池に巨大な岩山が写りこんでいた。乾季の山頂に雨が降るのは数年に一度だという。この景色はレアリティが高いみたいだ。

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そして山頂を振り返る。下から見るとピラミッドみたいになった場所だったのか。名残惜しいのか、少し下ったところで山頂と写真撮影する人が何人もいた。

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逆光の中、来た道を戻る登山者。壮大な景色、とはこういうことを言うんだろうな。最初にこの光景を見た人は何を思ったんだろうな。

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明るみに出たロープ。やはりだだっ広いところを最短距離で歩くための道標だったか・・・ちなみに少しぐらいロープから離れても足がはまりそうな穴とかはありませんでした。

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斜面の岩肌。ところどころに草が映えてるんだけど基本的に全部岩石。ヒビがたくさんあってどうやら割れると平たい岩板ができるみたいだ。3畳くらいの大きさをした岩板があちこちにあって、正直びびりました。ちょっとの揺れてズレ落ちてきそう。

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登ってくるのに時間がかかったのは伊達じゃなかった。ロープはひたすら続き、雲の中に伸びているよう。

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斜面と岩山。地球っぽくない光景が延々と続く。これてよかったなー。

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こうやってみるとみんな軽装である。山小屋に荷物を置いて必要最低限の装備で目指すのは基本なんだけど、私は盗難が怖いので全部持ってきました。ゆえに重心が高いと転びそうで下りで一層気を揉む始末。それにしても自然ってのはすごいなー。

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途中で日傘をさして歩いているチームを発見。昨日見かけたカラフルな傘は登山客用の日傘だったのか・・・

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岩肌と雲海。色味が少なく、水墨画のような景色だった。

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ようやくチェックポイント近くまで戻ってきた。帰るペースが遅かったのが幸いして雲海が薄くなるのと同じペースで降りてこられた。ここから先はこの雲を抜けないといけない。

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ザックにカメラを詰めるとすごい勢いで登ってくる奴がいる。アプソンだった。

 

「タカサン、イッパイシャシントレタ?」

絶景に感動し、何回もシャッターを切ったことを伝えると彼も嬉しそうだった。

 

靴ひもを縛りなおして本格的に下りだす。下山はケガをする確率が高くなるので下りると決めたら集中しなければいけない。本腰を入れたら早いもので登りの苦労はどこへいったのかというくらいすぐに山小屋についた。

 

マンディと再会する。彼女は人間ができた人で暗い表情も見せず、山頂にたどり着いたことを祝福してくれた。山小屋で少しだけ休憩をとり、その後速攻で下山。行きと同じようにアプソンは他のガイドとおしゃべりするため、パーティーから度々離脱し、マンディはご立腹を通りこして呆れていた。

 

森林限界まで戻ってきたあたりで景色が開けたので撮影。昨日はガスっていてまったく見えなかったけど、こういう景色だったのか。山頂と全然景色が違う、昨日の時点でたとえ見えていても山頂の感動は少しも減らなかっただろう。

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そうして無事、事務局まで降りてきて登山終了。山頂へ到達した賞状みたいなのをもらったが正直いらなかった。

 

午後早くには下山して、おととい泊まったホテルへ。ここで気づいたがマンディも同じホテルに泊まっていたので夕飯の約束をしてチェックイン。疲労もあってすぐに寝てしまったが、夜になってシャワーを使おうとすると水が出ない。トイレも流れない。

困ってホテルのオーナーに言ったら、お湯を作ってくるからそれと汲んできた水を混ぜて使ってほしいとのこと。

 

「え、じゃあ、その分安くしてよ」

と思い交渉。一日中歩き回ったのもあるし、疲れをとる意味でもシャワーを楽しみにしていたのに・・・おととい泊まったときはちゃんと使えたのに、その時と同じ料金でシャワーが使えないなんておかしいと思いました。疲れて若干怒りやすくなっていたのかもしれない。

 

「安くはしないよ。シャワーはお湯と水を混ぜたものをかぶれば大丈夫。」

「いやいや、シャワーはもちろんそれで代替できるけど同じ値段なのはおかしい。少し値段を下げてくれ」

 

この問答がしばらく続き

「わかった、金返すからほかのホテルを探すといい」

と言われて金を返されました。

 

マンディは彼らの言っていることもわかるし、あなたの言っていることもわかる。ただ、今からホテルを探すのは正直大変よ、とたしなめてくれた。そう、ここから街まではバスで二時間。そのバスもいつ来るかわからず、バスを待つ唯一の施設であるレストランももうじき閉まる。妙な胸騒ぎがして速攻で荷物を撤収。

 

マンディに別れの挨拶をしてホテルを後にする。彼女のおかげで登山はすばらしいものになったし、本当に出会いに感謝した。別れがこんな形になってしまったのは残念だが、そうしたのは自分なので次の行動をとるしかない。ホテルを出る間際、ホテルのオーナーは「地震の後、水道の調子がおかしくなって・・・」と話していて少し同情したが、チェックインのときに事前に話してほしかった。こういう怒りって自分の期待値に自分が裏切られてるだけなんだよなー。まぁ、でも使えるっていってお金とって使えないのはダメでしょ、とシンプルに考えてチェックアウト。

 

ホテルを出て30mほど離れたバス停に荷物を置き、レストランでバスの時間を聞いた時にバスがちょうど到着。予定時刻の20分遅れで到着らしく、この辺では珍しくないらしいが、その遅刻で救われた。次のバスは4時間後だった。

 

こうして無事に街まで到着。初日に見つけたゲストハウスでシャワーを浴びて布団に入り、行動してよかったなーと思いつつ就寝。次の日は当然のごとく寝坊しました。

 

登るものも登ったし、クアラルンプールに戻ってまたタイを目指します。

 

それでは!

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いざ行かん、キナバル山(前編)

三連休を満喫中の皆さんこんにちは、毎日が日曜日の宮下です。

 

日本に戻ってきてもう十日ほど経ちました。花粉症で横隔膜が筋肉痛になりそうです。

 

ところで、まぁ今更なんですが・・・

実は携帯電話が一切使えない状態です。

 

もし、万が一電話くださった方、LINEで連絡くださった方申し訳ないです。

あと数日したら電話できるのでもうしばらくお待ちください。

 

日記の続きは東南アジアでも有数の高山であるキナバル山を目指すというところです。

この日記めっちゃ長いです、数日分を圧縮して書いてるのとなんか縦写真がいっぱいあるせいで結構スクロールしなきゃいけなくなりました、てへ。

 

 

キナバル山は今いるマレーシア国内にあるとはいえ、クアラルンプールとは別の島にあるコタキナバルという地域にあります。幸いにしてこの地域にはコタキナバル国際空港があるため、クアラルンプールからのアクセスが容易。シンガポールに行く代わりに登山を選ぶんだから目いっぱい楽しんでやるぜ!と意気込んで空港へ。

キナバル山地図

ここで私はイージーにしてクリティカルなミスをしていました。

 

マレーシアと日本の時差です。

 

タイは二時間だったんですよね。で、地図見るとタイの首都バンコクからマレーシアの首都クアラルンプールってほぼ同じ経度にあるんです。360度で一周なんだから15度経度がズレたら1時間時差が発生するなんていうのは小学校のときやってたんで、まぁ、時差はタイと変わらないだろう、と思い込んで調べてませんでした。

 

気づいたのは空港についてから。これまで五日間はマレーシアにいたのになぜ気づかなかったのか・・・

 

焦って予約した航空会社に並びます。なんだかんだで列に加わったのはフライト1時間。

出発の30分前にはチェックインしなきゃいけないんで結構焦ってターミナルを移動。

チェックインに着くと私の前にはマレーシア人らしき人と中国人の二人、なんとか間に合うだろうと安心していました。

 

ところが最初のマレーシア人が長いのなんのって・・・予約受付のお姉さんがすごく美人さんで、その男性はすごくにこやかに話し込んでました。もうね、めっちゃイライラしましたね。俺がせっかちなだけかもしれないけど、飛行機の予約をその場でとって、例えば「乗り継ぎの空港で預け荷物をいったん受け取りたいんだけど」みたいなわがまま言っても10分かからないと思うんだが・・

 

大分時間食ってたので前に並ぶ女性に事情を話してもし可能なら交換してもらおうかと思ったんだけど、中国人の女性は英語が全然話せず会話がまるで成立しない。そうこうしているうちにその女性の番になった。まぁ、普通に行けばすぐに終わるんだろうけど、この女性が手続き中に家族を召喚。日本にもいるけど「並んどいてね」ってやつですね。

 

もうね、絶望しました。

 

同じころ並んだ隣の列の家族が笑顔でチェックインを終えるのを指をくわえてみてました。

結果、フライト26分前に受付へ。

 

「お客様、チェックインは30分前までとなっています」

 

「もちろん知ってます。けど、割り込みもあったんだから大目に見てもらえませんか」

 

「ダメです」

 

そうだよね、シビアだね、その辺は。ちょっと粘ったけど「システムが受け付けないのでどうしようもない」だって。7000円近く払って一便ずらしました、ぐふ。旅の時間が長くなると「その地域で何ができるか」ってことでお金を評価するようになります。7000円といったら三日暮らせますから・・・

 

なんだかんだで夕方にコタキナバルに到着してインフォメーションで調べたゲストハウスへ。この泊まったゲストハウスは一階が酒場、二階がドミトリーというタイプ。日本人も泊まっていて久々に日本語で話をしたら気分が大分救われました、感謝。ここで一泊して明日キナバル山のヘッドクォーターオフィスに行ってみることに。飛行機で移動しただけだったのにすげー疲れた一日でした。

 

キナバル山はボルネオ島サバ州にある4095mのマレーシア最高峰で、頂上付近は広大な花崗岩の岩場が広がり、まるでほかの惑星のような景色が有名な一方、麓の森林地帯は生物多様性に富み、6000種異常の植物と100種以上の哺乳類が確認されている巨大なジャングルが広がっている。この山域は、キナバル自然国立公園としてユネスコの世界遺産にも登録されている。

 

そういう立派な場所なので登山には二つのルールがある。

1.ガイドを雇う必要がある

2.山小屋の予約をしておく必要がある

 

これを含めたツアーが日本の旅行会社や現地マレーシアの旅行会社から出ているが、なにせお値段が非常に高い。ネットで調べたところによると、どうやら山小屋の空いた枠をツアー会社が取りあっているのが現状らしい。ただ、実際にキナバル山の入り口にあるオフィスで直接予約も可能だという情報があり、それが一番安いと聞いたのでその方法にトライしてみることに。

 

翌日、朝一番でミニバスに乗り込み、三時間かけてキナバル山を目指す。揺られる途中で予約が取れるかかなり心配だったが、そのバスで仲良くなった人の話によると「ツアー会社も全部予約したらダメってルールあるから大丈夫だよ」と教えてくれた。彼は中国系マレーシア人、会計士で大学の講師もしており、四か国語が喋れるらしい。チェンダオ山で会った女性も四か国語がしゃべれるといっていた、すごい人ってたくさんいるんだな・・・こういう優秀な人が実際、日本にどっと流れ込んで来たら俺が働く場所とかあるのかな?と真剣に思いますね。

 

まぁ、無職なんですけどね。

 

緊張の面持ちでヘッドクォーターオフィスに入り、予約をしたい旨伝えるとあっさりオーケー。ただ値段が調べてたものより大分高い。日本の旅行会社が企画するツアーと同じくらいの値段である。

 

「ネットで調べたら〇〇リンギットで登った人がいたんだけど値上げした?」

 

しっかりした施設なのでぼったくられるようなことはないと思ったので理由を聞きたかった。

笑顔だったオフィサーが苦い顔で言う。

 

「去年大きな地震があったんです。それで山道が壊れたので直すのにお金がかかったんです」みたいなことを説明してくれた。あー、そうなんだ。安くしろとか一切言えないね。

「ガイドやお客さんも何人か亡くなりました」

英語力が足りないとか以前に日本語でもなんて言ったらいいかわからなかった。

 

山小屋の予約を終えたらその用紙を持ってガイドを雇いに行く。山小屋の予約をしたオフィスの隣に斡旋所があってそこですぐに手配してもらえた。ここの値段もあらかじめ調べてたより大分高い。でも、こればっかりはしょうがない。

 

手配を済ませてオフィスの外からキナバル山を拝む。森林が雲まで続いているので頂上付近の岩場は雲の中にあるということか。一泊二日で登るので、運良く頂上に立てるとすれば明後日。乾季のこの時期に天候が崩れることはほとんどないと聞いたけど雲に覆われるのはまた別の話だからな。なんとか晴れてくれるのを祈ろう。

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幸いにしてヘッドクォーターオフィスのすぐ近くに比較的安いホテルやレストラン、そして小さな商店があり、次の日に備えることができた。

 

翌日、ホテルの玄関で外に置いていた靴をひっくり返す。タイでは外に底が深い靴をおいておくとサソリが入っていることがあると聞いていたのでマレーシアでもやっている。サソリは入っていなかったがデカイ蛾みたいなのが入っていてビビる。やはり用心に越したことはなかった。

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決して乙女ではないがデカイ虫を見ると若干テンションが下がる。

ホテルからヘッドクォーターオフィスに向かう途中で「さっきのやつキモかったなー」と振り返ると綺麗な虹がホテルから伸びているみたいに見えた。根拠はないが登り切れる気がした。

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早朝の雲海。早朝と言っても七時になる前くらいだが高所での気温は低く、朝から絶景を拝むことができる。

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雲の合間に見える山々。七時とはいえ山間のため太陽の光は射し込みはじめたところだ。山と雲だけのモノトーンの世界にグラデーションが生まれ始める。

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ガイドと落ち合うために昨日手続きを行ったオフィスの中へ。

今回の登山にはポーター(荷物運び)がいない、かといって持ち物を削ると「ああ!あのレンズ持って来ればよかった!」ということになりかねないので全部リュックに詰めてきた。昨今の登山リュックは非常に背負いやすい構造とはいえそれでもズッシリとした重みがある。

 

ガイドを待ちながらリュックのベルトを調整する。前かがみになってその場で足踏みしているとふいに話しかけられた。

 

「あなたは登るの結構早いの?」

 

呼ばれた方を見ると白人の中年女性が笑顔でこちらを見ている。

ヤバい、ネイティブだ。いや、ヤバくないんだけど。

今までネイティブじゃない相手だからズカズカテキトーな英語でやり取りしてきたけど実際ネイティブと面と向かって話すと、「間違っているんじゃないか?」みたいな謎の抑止力で途端に喋れなくなる。

 

「もしよかったら一緒に登ってガイドをシェアしない?」

 

「え・・・あ・・・はい」

たぶんこういう返事。返事をしてから「こんなんでこのあと登山が楽しめるのか!?」という不安に狩られた。それを察したのか「本当に大丈夫!?」みたいに気をきかせてくれた。

 

でも、まぁ旅の恥はかき捨てっていうからね。

「カメラでいっぱい撮影したいから俺は登るのめっちゃ遅いですよ」

と答えると笑顔で握手してくれた。

 

彼女の名前はマンディ。登山が趣味でイギリスのロンドンから東南アジアの長期旅行に来たらしい。後に知ることになるが山頂には届かなかったもののエベレストにチャレンジした経験もあるそうだ。

 

ちょうどその時にガイドの人が登場。中年の男性で名前はアプソン。英語は達者でネイティブのマンディとのやり取りもすごくスムーズだ。思いがけずメンバーが増えたけどこのチームでこの山の頂を目指す。

 

ミニバスに乗り込んで登山道まで移動。

 

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ミニバスの値段もマンディと折半。単独行動ばっかりだからこういうところの恩恵は素直に嬉しい。登山口前のトイレにマンディが行っている間、アプソンを撮らせてもらった。彼は慣れた様子で笑顔をくれる。

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アプソンの英語は訛りがあるように聞こえるものの、日本人と一緒で一語一語しっかりと喋る。注意事項等も聞き取りやすい。それに対してマンディの英語は流暢すぎて長い文章はあんまり聞き取れない。旅で使う英語ってすごく限定的だからなんとかなってたけどちょっとした世間話をしようとすると全然だめだなー。帰ったら勉強しないと。

 

登山口につくとかなり厳重なゲートが登場、さすがは国立公園。左の窓口では荷物の内容や重量の計測、ナンバーカード(登山者全員が配られる)の確認。右の窓口ではチョコレートやジュースなどの販売をしていた。アプソンの説明だとここで軽量した荷物を有料でガイドに持ってもらえるらしい。マンディはシェアできたおかげだと笑顔でアプソンに荷揚げを依頼してました。私も一瞬依頼しようかとも思ったけど、航空機の便変更で思わぬ出費をした直後なので己の大腿筋に頑張ってもらうことにしました。

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登る間際にルートの説明があった。従来は二通りの登山道があったが去年の大地震により片方を修復して利用している状態、もう片方は復旧の目途が立っていないらしい。

 

「難しく考える必要ない。今日は7km先の山小屋を目指して歩く。1kmごとに休憩所があって休みながら進む。山小屋で一泊して早朝に山頂を目指し、その日のうちに戻ってくる。迷うことはないから心配するな」

 

そう、キナバル山の登山はシンプルだ。

 

頂上までひたすら登り。

 

そんなの山なら当たり前だと思うかもしれないが、この山の特徴は平坦な場所がないことだ。一部の山を除いて多くの山では登りと平坦な道を繰り返して山頂に到着するものだが、ここは8kmの間、ずっと階段を登るイメージが適当らしい。まぁ、事前調査の上なので覚悟はしてました。

 

最初のわずかに平坦な道を歩く。太い水道のホースが延々と伸びていて、朝露に濡れたぬかるんだ道で頼れる手すりになってくれる。

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スタート地点で見た謎の花。帰ってきたら日本でも似たようなのを見かけたのであんまりレアじゃないんだろうな。

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登山道は非常に綺麗に整備されていて歩きやすい。歩きはじめるころになると陽も大分上の方から照っていて見上げると木漏れ日が気持ちいい。

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光を受ける苔。”フラクタル”って言葉があって「自己相似性」という結構難しい日本語に訳されるんだけど、要はでっかい形と同じ形が小さいところにもありますよーって意味らしい。今いる場所は大きな目で見ると森なんだけど、こうして目を凝らして探すような苔も拡大してみると木々が茂る森のようになっている。フラクタルは自然界に結構あふれているらしくて雲なんかもそうなんだって。不思議だよなー。

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少し歩くと目的の山頂から雲が取れていた。あそこに立ちてー!

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拓けたところもあればうっそうと茂るところもある。そのクセ登山道自体はよく整備されていてよっぽど不注意でなければアクシデントもなさそうなところだ。それに助けられて「ずっと登り」というルートもそれほどきつくは感じなかった。

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朽ちた木から新しい枝が湾曲して伸びていた。蛇かと思ってびっくりしたので撮影。なんだかんだでわりと余裕がある。

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厚く茂った広葉樹の屋根は日中とは思えないほど太陽光を遮断してまるで洞窟の中にいるような場所もあった。そういうところはその先に浮かぶ光があまりにも眩しくて「眩しいなー」とか独り言を言ってしまう。日本語で言ったはずだがマンディも「本当ね」と相槌を打っていた。同様の体験に同様の言語って必要ないんだな。

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半分ほど来てからアプソンとの距離が離れることが多くなった。彼はガイド仲間とすれ違うと何やら話し込んで距離が空いてしまう。このころからマンディはアプソンに対してちょっとずつ言うようになっていた。別に不穏な空気とかではないけど、「いいガイドではないからチップは払っちゃだめよ」と言って来たりしてた。まぁ、ここからほとんど二人で登ったようなものなのでマンディの言いたいことには共感した。

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そんなこともあってかマンディと喋りながら登る時間が長くなった。お互いの経歴や今やっていること、そして安全な登山の方法など色々アドバイスしてくれた。そんな話をしていたらこの看板。追い付いてきたアプソンの説明だと去年の地震の時にこの先で崩落が起きて人が亡くなったらしい。写真は撮らなかったけどたしかに大きな岩がせり出した場所だった。

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そこを越えると山側の壁が土が切り立っただけのものになった。横から髭のように生えている植物の中に蛇とかがいないか不安になる。

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七割は来ただろうか。景色が開けると辺りは霧が立ち込めて幻想的な風景に。霧というか雲なのかもしれない。体力が奪われそうなのでカッパを羽織って進む。

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歩きやすかった木道は終わり、土と石でできた階段に変わる。それでもちゃんと”階段”として作られた場所なので歩きやすいことは歩きやすい。なんとなくだが木の背が低くなってきている気がする。

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森林限界が近いのか木々の葉は枯れ気味であらわになった湾曲した枝が異様な雰囲気である。怖い話とかの扉絵で出てきそうな印象の風景になった。

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これは繁った緑の中の枯れ葉が銀色に光って見えたので撮影。写真にしたらそうでもなくて残念。

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疲労して上がりにくくなった足を露出した根に引っかけないように進む。マンディもここまできたらほとんど喋らない。黙々と距離を伸ばす。

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登山客相手ではなく荷揚げに集中するポーターたち。日本の山小屋ではヘリで荷物を揚げる場所も少なくないらしいがここではすべて人力。マンディの話だと彼らが履いている靴は麓の街で5ドル出せば手に入るという。一般でいう登山靴のように足首を固定するものではなく明らかなストリートシューズなのだが、アプソンが言うにはあれが一番この山の登山には適しているという。

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道中、アプソンが追い付いてきて「この先に展望ポイントがあるんだ」みたいなことを言うが、雲で結局何にも見えなかった。帰り道に期待しよう。

 

水分がちょうどなくなったくらいになってようやく山小屋に到着。

広場で先に休んでいた登山者の人たちが「調子はどうだ」と声をかけてくれる。見ず知らずの人との声の掛け合いはどこの山でも共通なんだな。

 

山小屋到達記念にマンディとアプソンの写真を撮った。明日は午前二時半から頂上に向けて登山を開始するらしい、マンディと夕食を一緒に食べる約束をして部屋に向かった。

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部屋は男女四人のドミトリーで私の他に韓国人、マケドニア人、マレーシア人がいた。マケドニアとか初めて聞いたので「どこにあるの?」って聞いたらギリシャの北だと教えてくれた。「ギリシャの経済大変だね」というとものすごく何か言いたげな顔をしたあと「・・・大変なんだよ」と。英語に溜めってあるんだと感動した。

 

夕食までは時間があったので明日登る山を見たくて外へ出た。するとちょうど部屋の隣にある非常階段でドアに寄りかかりながら煙草を吸う人間を発見。この学校の屋上で煙草を吸う不良みたいなやつはドイツ人で「ここからの風景が一番きれいに見える」と意気投合した。同じく明日の夜に頂上を目指すらしい。カメラが趣味で山を撮るのが好きだという彼と話し込んでいるとあれだけ厚かった雲が取れた。あの先に山頂があるらしい、完全に岩山である。

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山小屋の飯はとにかく豪勢だった。バイキング形式だがおいしくて結構おかわりした。すごいのは飯だけじゃなくてシャワーもビックリするほどの湯量で暖かく、至れり尽くせりで日本の山小屋よりよっぽど快適なのにちょっと驚いた。

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夜、時間にして十一時ごろ目が覚めた。それなりに疲れてはいるはずだが布団に入った時間が早かったのと明日への興奮で眠りが浅かったようだ。

 

非常階段から外を眺めると夜空に星がたくさん瞬いていた。重さにめげず持ってきた三脚を広げてカメラを覗く。登山の最中、いやというほど見れるだろうがロープを使う斜面が続くと聞いているので写真は撮れないだろう。睡眠時間は減ってしまうが後悔なく楽しむために、撮影を始めた。雲が横から流れてきてなかなか満点の星空が撮れずに苦心していると昼間のドイツ人が再登場。時間はそれほど長くなかったけど「山が好きな人って日本でも海外でも変わらないな」と感じる時間を過ごせてよかった。

 

写真は高感度にして撮ったので肉眼だとここまで見えないです。それでも息を飲むくらいの美しさがありました。

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このあと布団にもぐりこみ、熟睡はできないものの時間に間に合うように起きることができました。

明日はキナバル山頂を目指します。

 

それでは!

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世界遺産の街マラッカ

決算期に入り大忙しの皆さんこんにちは、無事確定申告が終わりました、宮下です。

 

日本に戻ってきたら旅もいったん終わりだし、ビックリするほど日記が進むんじゃないかと自分に期待してたんですが、

逆にビックリするほど進まない。

 

いやぁ、自分のポテンシャルには驚かされてばかりです。

日本の生活がもう素晴らしすぎて、半分主婦化してますからね、これはまずい。計画立てて次の旅に出なければ・・・

 

この前は・・・ジョージタウンとか!?いやいや、キャメロンハイランドまで行ってましたね、よかった・・・

キャメロンハイランドを越えてクアラルンプール近郊に泊まった日、ホテルでこれからの旅程を考えました。なんだかんだでタイが楽しすぎて大幅に日数をとっていたのでここからシンガポールへゆっくり向かっているとラオスやカンボジアに行く時間がない。

じゃあ、そもそもなんでシンガポールへ行くのかと言われると、実は理由がない。

 

言うなればそれはシンガポールが南端だから。

 

バイク乗ってるやつは目的地の設定がこんなもんです。バイクに乗る理由が欲しくて出発しますからね。

目的地を設定するのはバイクに乗るための手段なんです。

 

一方でこんな話も聞いてました。マレーシアにあるキナバル山がすごいらしい。キナバル山は4000mを越える東南アジア有数の標高が高い山で、その山頂はまるでほかの惑星のようだ、と。キナバル山へ登るにはわざわざクアラルンプールから飛行機に乗って、空港からバスで3時間。ただ調べるとどうやら登れないこともない。

 

この旅はもはやバイクに乗るというよりは写真を撮るための旅と化してますからね。

 

シンガポールまで片道500kmをマーライン撮るために移動するのもアレだし、ここは登山するか!って考えに至りました。なのでシンガポールへは行かずにクアラルンプールからコタキナバルへ向かいます。

 

さっそく旅券を予約。まぁ、当日券はさすがにキツイので翌日に予約して、それまでの時間で比較的近くにある世界遺産のマラッカを観光することにしました。いつも通りチェックアウトを済ませ、バイクの元へ毎朝出発前と到着後に車体の簡単な点検みたいなのをするんですが、最近めっきり後ろタイヤがツルッツルになってまして・・・

 

まぁ、マラッカからクアラルンプールに戻ってきたらタイヤ交換して気持ちよくキナバル山を目指そうなんて思ってたんです。本当だよ?

 

そんな心持でマラッカに向かう途中、グニャリいやな感触がして車体が蛇行し始めました。

高速道路で。

 

ちょうど運よく下道に出れる分岐点だったのでそのまま高速を離脱、自転車みたいな速度で料金所を通過しました。ちょうどそこにいた警察官(迷彩服だから軍人かも)に

「パンクしちゃった!近くのバイク屋紹介して!」

と泣きついた。東南アジアの旅ではとにかく人の親切に頼ってやれホテルだのやれ警察署だの場所を聞きまくりましたが、

日本で外人に聞かれて俺は同じ質問に答えられるのか?

とちょっと反省します。まぁ、タイもマレーシアも都市部でなければ主要路に沿ってホテルや警察署があるのでわりと答えやすいのかもしれませんが、いきなり外人に「〇〇はどこにあるんだ?」って聞かれるのはハードル高いよなぁ。

 

二人いたオフィサーが相談して一人についていくことに。まぁ、私もバイクで旅してる身なのでこういうトラブル、特にパンクなんてのは起きて当然くらいに思ってました。だから改めてこのタイヤのツルツルさ具合を見て、むしろ良くぞ今までパンクしなかったな、お前はと。いや、普通に換えろやってカンジですね。ここまでで5000km走ってます、お疲れさま!

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オフィサーは駐車場まで案内するとパンクの様子を伺う。その隙に荷物を降ろし、シートの下にある予備のチューブと車載工具を取り出した。

「釘を踏んだわけじゃなくて溝が徐々に減ってパンクしたと思うんだ」

オフィサーが頷く。

「チューブの換えならあるんだ、でも空気入れがない。もし近くにバイク屋があるならそれだけ借りられればいいんだけど・・・」

言い終わらないうちに「お前はここにいろ」と言ってどこかへバイクで向かった。たぶん空気入れを持ってきてくれる、ことに期待しよう。

車載工具を使ってパンクしたタイヤの取り外しにかかる。車載工具から頼りない太さのスパナとメガネレンチを使って固定されているナットを外そうとする。

 

が、取れない。

後ろタイヤを固定するナットがすさまじい硬さで固定されていて車載工具ではビクともしないことが判明した。車載工具ってのはバイクを買うとついてくるオマケ程度の道具で組み立て式の棚なんかを買うとついてくる簡易的な工具とほぼほぼ一緒である。材料費をケチってるのか長さが全然ないのでモーメントがかからず使い物にならない。

 

いや、出発前にそんなのは知ってたんだがお守りがてら持ってきたんだった。

 

使えないならなぜ後生大事に持ってきたのか・・・いや、一応ミラーの調整くらいには使ったが・・・

完全に露呈したよね、計画のなさが。

 

何とかなるさ!が悪い方に出たパターン。気分とは裏腹に快晴の空に浮かぶお天道様がジリジリと肌を焼く。

 

あー・・・これ空気入れ持ってこられても直らないわ・・・

と凹んでいるところへオフィサー登場。こっちが謝るより先に「近くのバイク屋に行くぞ!」と案内してくれました。バイク屋に着くと「タイヤもダメだからチューブだけ換えてもすぐにパンクする、全部換えてもらえ」と。そういう狙いで空気入れを借りずに直接連れてきてくれたようです。もし私が女子だったら

 

素敵ッ!抱いて!

 

ってなってたかもしれません。でも、そこは三十路のオッサンですからね、フツーに感謝して別れました。連れてこられたバイク屋は小さな小屋のようでお世辞にも綺麗とは言えない場所でした。店員がオッサンと若いにーちゃんの二人とか・・・

 

もうね、こういう店大好き。

 

こういう店の方が丁寧な接客したり、親身に話を聞いてくれたり、世間話の中にアドバイスが入ってたりするんですよ。オッサンはタイヤを一回転させて眺めると速攻で外し始めました、煙草吸ったままのカジュアルさがいいよね。

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そのタイヤレバーで今まで何本のタイヤを交換してきたんだろう、と思ってよく見るとマイナスドライバーでした。弘法筆を選ばずってやつですか。

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タイヤ修理の最中に若いにーちゃんにはオイル交換を頼みました。ちょっとだけ英語が喋れるらしくアプリで友達登録しようと言われましたがそのアプリを持っておらず・・・すまぬ。マラッカへ遊びに行く途中だと伝えると「それは遠いね!」だって。今まで道のほうがずっと長いよと答えると「言う通りだね」と笑ってました。タイのバイクだけど快く直してくれた、感謝!

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先ほど下りてきた高速に再度入場。世話してくれたオフィサーにお礼が言いたかったけど対応中で忙しそうだったので手だけ振ってその場を後にする。ありがとよー!

そこから30kmくらいだったかな。遠いと言われてたからもっとあると思ったけどめっちゃ近いじゃないですか・・・とこの時思いました。後にスクータータイプのバイクは「レディバイク」と呼ばれていて、おばちゃんが買い物に行くときに使ったりするのが一般的で、30kmでも十分遠出らしいことがわかりました。

 

マラッカの街が近づくにつれて車の流れが徐々に悪く・・・適当なところに相棒を停めて徒歩リングに切り替えました。足が取れるまで歩いてやるぜー!

 

マラッカはマラッカ海峡に面する交易都市で古くから他民族の交易地として知られていた。街の文字盤には多い時で6000もの言語がこの港町で商いのために飛び交っていたとの記述、本当かよ。

 

一体だれが数えたんだ・・・。

 

まぁその数よりも驚いたのはその中に「Ryukyu」ってのがあったことです。JapanじゃなくてRyukyuなんだって・・・まぁ薩摩藩が併合する前の話なんでおかしくはないんですが、そんなに前の沖縄からこのマラッカまで船で交易するとかすげーな、と素直に思いました。そういう他民族の交流もさることながら16世紀にはオランダ、17 世紀にはポルトガル、そして18世紀イギリスと代わる代わる植民地として統治されていた歴史を持っている。それゆえに街並みはどこか西洋的な要素が強く、街並みが美しい。

 

そんな歴史を持つ街なのでランドマークもこういうカンジにダイナミック!

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その裏には巨大な水車。歴史的意味があるのかとおもったら生命の輪廻や文明の発展を表したモニュメントらしい。

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川の向こう側の建物。西洋っぽく見えなくもないけど壁に漢字があるだけで一気に中国建築に見える。ちなみに街へ続く運河の岸にはいたるところに砲台があった。何でも交易船だけじゃなくそれを狙う海賊船も多かったんだとか。天災に人災、海の男が勇敢だと言われる理由もわかるなー。

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ここはオランダ広場と言われているらしい。中央の協会はオランダ統治時代に建てられたもの。広さもそれなりにあるのでまさにお土産市場。中国と英語と日本語が飛び交ってました。

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東南アジアにあるメジャーな宗教施設で一番シンプルなのはキリスト教なイメージ。実は撮影してるすぐ横でキリストとマラッカのコラボグッズみたいなのが売ってて「どこも変わらないんだな~」と思いました。

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せっかくだから主要モニュメントだけじゃなくて街歩きしようということで郊外へ向けて出発。やっぱり一大観光地だけあって車は結構渋滞してました。

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街歩きはやっぱり楽しい。ハトがやたらと群がる噴水とか・・・

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旧正月に沸く中華街の人だかりとか・・・

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街角に停められた白バイとか・・・

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写真をお願いしにくる白人のおばさんとか、風俗の客引きのおっさんとか。全部一期一会だからなー。

 

そうして歩いていると

 

!?

 

って像があった。これだ。

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理由はないけど思い出風に加工。効果音は「パァア」ってカンジで。

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凄まじい筋力!刃牙に出てくるオリバみたいなやつだなー。どうやら彼はミスターマレーシアやミスターインターナショナルになったこともある英雄的な人らしい。女性観光客がめっちゃキャイキャイしてた。どうでもいいんだけど、その脇の筋肉っていつ使うのさ・・・

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なんでかわからないけどこれを見たらそろそろ戻ろうって気になりました、不思議ー。

まぁ、散策したら時間も結構食ったし、そろそろ戻りますか。

 

帰り際に見つけたオシャレな建物。こういうセンスは正直うらやましい。

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窓から中を見たら食事中の人がいたのでどうやらレストランっぽい。日本でやったらすぐに名所扱いになりそうだ。

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その先の雑貨屋に駐車されてたバイク。さすがにホンダからこういうカラーは発売されなそうだが・・・いや、あるのかな、ないのかな。そんな絶妙なラインが東南アジアにはあるかもしれないとも言い切れない。日本にあったら絶対に浮くんだけどここだと溶け込むんだよなー。あ、さっきのオシャレレストランも同じか。

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なんだかんだで大分戻ってきた。

これは中心部に戻る途中で渡ったオランダ広場前の端から見える景色。いいよね、なんか。

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このあと渋滞のマラッカを走りクアラルンプール近郊まで戻りました。夜の高速道路の料金所を抜けたところで手早く撮影。思うけど国力は道路にモロに出ます、タイしかりマレーシアしかり日本しかり。東南アジアを走ってると日本の道路網が異常に発達してるなぁと実感する毎日。

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明日はコタキナバルに飛んでキナバル山へ登る手続きやらに移ります。行動あるのみ!

 

それでは!

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2016年2月7日 キャメロンハイランド

年度末で鼻をかむ時間も惜しいみなさん、こんにちは。花粉症で鼻水が止まりません、宮下です。

 

本体は日本に戻ってきました!約二か月という期間でしたが無事に帰ってくることができました。

心配かけた多くの方、それに色々なところで面倒を見てくださった高橋さんことチェンダオ鯰さんに感謝です。

 

こっちでは確定申告やらいろいろな手続き、旅の計画等、やらなきゃいけないこといっぱいですが、隙を見てまた話せたらなと思います。

 

—-2016年2月7日—

この日は、世界遺産のジョージタウンからクアラルンプールに向けて出発です。

ジョージタウンからほど近いバタワースで高速に乗り南下。やっぱり高速道路は走りやすく、距離が格段に伸びる。道の駅みたいな施設は日本も顔負けなほど整備されており、小奇麗なホテルまで併設されている。しばらく眺めていると出てくる人間のほとんどが中国系に見えた。旧正月中の彼らは中国とラオスの国境を越えてここマレーシアまで遊びに来ているんだろう。人がいるところ、賑やかなところで中国語が聞こえない日がない、経済の実態は謎だが個々人で見るとたしかに勢いがあるんだろうなぁ、と実感する。

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幹線道路もよく整備されていて走りやすいが、二車線の対面の脇にももう二車線あるのはなんなんだろう・・・向こうに見える山が荒々しく、走っていてワクワクする。

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幹線道路わきの赤茶土の道路。ここはたぶん植林地域みたいな感じでそこら中トラックのタイヤ痕によって凸凹になっていた。

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森もなく、爽快な景色が広がる。日本の道でこれほど悪いところはあまり見かけないが、あるとしたら両脇に森が広がっているだろう。そういう対比も含めて、日本じゃない国を走っている実感がある。

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手前の部分に陽がさして、だんだんとその面積が増えていく。凸凹とまではいかないが高低差のある場所に陽の光が差し込むと、画にメリハリが出てくる気がする。結構好き。

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主要道路を外れてキャメロンハイランドへ繋がる道へ。空の青さが気持ちよく、手前の大きな岩山がのっぺりと見える。崖崩れが怖くて近くには寄れないが、遠くから見て平坦に見える壁も、望遠レンズでよく見ると攻撃的なまでに荒々しい岩肌を持っていて自然ってすげーなと感じる。

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キャメロンハイランド近くで見かけた巨大な岩山。パノラマ撮影がしたくて撮った写真を合成した。以前、プロの写真家の展示会で横長の岩山を撮影した作品を見たが、どうしてあんなに鬼気迫る画が撮れるんだろうと感じた。やっぱりプロってすごいんだなぁ。

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岩山を後にし、キャメロンハイランドへの道を進む。心なしか周りを走るバイクが増えてきた。聞くところによれば、ここキャメロンハイランドの峠道はライダーたちの人気のツーリングスポットらしい。脇にバイクを停めて写真を撮影していると本当に様々なバイクが追い抜いていく。ネイキッド、スクーター、スーパースポーツ。日本では排気量の違いで気を遣って一緒にツーリングしないようなメンツでも、楽しそうにバイクに乗っている。そりゃあ、日本で買える大型バイクはかっこいいし、パワーもあるけど、大事なのは「楽しめるかどうか」なんだよな。

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停まっては写真を撮って、またしばらく走っては撮影のために停まる。時間はかかるけど「いいな」と思う道というのがたぶん私の中にあって、そういうのに出会ったら億劫でも撮影するようにしている。いつか見た人がワクワクするような写真が撮りたいです。

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望遠レンズでフレーミングしたライダー。レースとかのバリバリ気合入った姿もいいけど、何気ないかっこよさみたいなのは憧れます。

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このあとも少しずつ距離を稼ぎ、キャメロンハイランドに到着しました。高度も上がって寒いのに雨が降り始めて・・・バイクを停めてカッパを着込む。どうでもいいけど標識の道路がギザギザすぎ(笑)

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この場所から山際のほうを見るとかなり景色がいい印象。今は雨だけど山の天気は変わりやすいので待っていれば晴れるかも?天候の回復を少しだけ待って、絶景を堪能することにしました。通り過ぎる車から見るとかなり怪しい奴ですが、奇異の目ならいっつも晒されてますからね。ケータイもいじれないので雨に打たれながらひたすら天候の回復を待つ。寒さで身が震えだしたころ、お天道様が顔を出した。待った分のご褒美とは言わないが、森のかかる虹を見たときには「待っていてよかった」と感じた。

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ここで晴れの写真が撮れたものの、すぐにまた天候が崩れて雨が体に打ち付ける。途中のガソリンスタンドでは何十人ものライダーが屋根の下で雨宿りしていた。ガソリンこそ満タンなものの、正直この先に続く峠道を雨の中越えるのはキツイ。ガソリンスタンドを後にして来た道を戻る、高度を下げれば天気もある程度よくなるはずだ。

途中タイヤが滑ることもあったけど無事に帰還。海抜の高い場所には重くのしかかるような灰色の雲がかかっているが、たまにその隙間から光が差し込む。景色って一期一会だよなー。

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雨に濡れたのものの、しばらく走ったら完全に乾きました。さすが南国!

この後、さらに南下しましたがクアラルンプールまでたどり着かずに宿をとって一泊。なんだかんだで400km以上走ったので結構疲れたのを覚えてます。この日は人との出会いもなくひたすらツーリングした感じだなー、抑揚のない日記ですいません。

 

明日はクアラルンプールに到着、紆余曲折あってキナバル山という山を目指します

それでは!

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マレーシア再入国→世界遺産ジョージタウン

春一番とともに梅の開花を喜ぶみなさん、こんにちは。タイにはタイの桜があると知った宮下です。

 

今本体はタイのチェンダオという、旅のスタート地点に無事戻ってきました。かつてお世話になった高橋さん宅で再びお世話になっている状態です。やっぱりチェンダオはいいところで疲れも吹っ飛びますね。

 

そんなこんなでまた空き時間ができたので遅れた日記を書かないと・・・タイのプーケットからさらに南下してマレーシアを目指してるあたりですね↓

 

プーケットからクラビを経由してマレーシアの国境にほど違いハジャーイという街へ。マレーシアはイスラム教徒の国で、近くなるごとにイスラム教のモスクが多くなってくる。タイの大きなガソリンスタンドにはコンビニとトイレが併設されていることが多いんだけど、このあたりではイスラム教徒が御祈りする部屋まで併設されてい撮影もせず、ひたすら走る。ハジャーイに着くころには夜に差し掛かっていた。

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とにかく混みあい方が尋常じゃない。ハジャ―イは南方では最大の都市のようで夕方は色々な社会的属性の人間が集中して移動する時間らしい。完全にバンコクと一緒です。

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この歩道橋の上から街の写真を撮りたかったんですが、ホームレスらしき人が数人寝ていてやめました。大通りでもちょっと場所が変わると治安が一気に悪くなったりするので我慢します。

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明るさを最大にして撮ってみました。本当は街のパノラマみたいなのを撮りたいんですよね。名が細くなってもいいからその街の雰囲気とかが伝わる写真を撮ってみたいと最近感じるようになりました。

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夜が間近になってより活気づく露店と渋滞。渋滞の一因は露店に横付けして夕飯を買っていくおばちゃんたちにあると私は思います。まあ、ドライブスルーみたいな感覚なんだろうな。

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この日はホテルを探すのに苦労しました。タイの人は旅行好きなのかそこら中にホテルがあるんですが、旧正月ということもあり、どこもそれなりのお値段であちこち探し回っていたら結局夜に。その後、それなりのところに泊まることができましたが、やっぱり安くなかったです。

この日泊まった宿のオーナーに国境を越えたところでマレーシアのナンバーや自賠責を購入できることを聞いて、翌日に突撃するんですが・・・お金が1マレーシアリンギット(マレーシアのお金)もないということでタイに戻ってお金を作ってきました。↓は以前の記事

海外で無一文 タイ→国境越え→マレーシア→?

 

そのまた翌日ですね、マレーシアに入国したもののお金なくって引き返して・・・その教訓を生かしてタイでマレーシアのお金を換金しておき、再度入国しました。

 

国境の処理も初日はビクビクでしたが一回やってみると全体像が見えてるのでリラックスして越えることができました。マレーシア側のカスタムにも行かず、そのまま入国。最初の目的地はジョージタウンという、イギリス入植時の名残を残す世界遺産の街です。

 

国境を越え、先日うろついたジトラの街を越えると道路脇に奇怪な植物を発見した。何だこれは・・・

シダ植物が枯れたみたいだけど葉の部分が異様に長い、元気な時にあの部分を広げていたならそれはもう巨大なはずだ。こういう謎の多いものを見るとワクワクする、目が悪くて詳細がわからないので望遠レンズで撮影した画像を拡大して観察していると・・・

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後ろで「バツン!」という車が高速で麻ぶろくを潰したような音がして振り向いた。

 

何事かと思ってみるとどうやらトカゲが轢かれたらしい、轢かれたトカゲは数秒ぴくぴくして動かなくなった。後に知ることになるがマレーシアの道路は本当によく動物の死体が落ちている。タイの道路で見た動物の死体って猫くらいだったんだけど、こっちではトカゲが道路を横断しようとするらしくあちこちで見る。動物に国境はないはずだが、いきなりこいつが登場したということは生態が変わるということで、ひょっとしたら環境もガラリと変わるかもしれない、体調に気をつけよう。

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トカゲはかわいそうだが、「実は手足や体液に毒がうんたら」だったら嫌なので道路脇にもどけずそのまま進むことにした。あれをバイクで轢いたら転倒必至である、これを見てからかなり速度を落として走るようになった。

 

そうして見通しのいい直線にも関わらずビビりながら進むと、雲行きが怪しくなる。

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降らないでくれと祈りながらしばらく走っていると、雲は暗く、厚くなる一方。進行方向の遠くはカメラの焦点をどんなに合わせても輪郭がぼやけるので雨が降っているようだ。これはいかんと荷物と自分にカッパを着せていると辺り一面が暗くなってきました。ヤバイヤバイ。

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カメラをしまうと怒涛の雨が降ってきた。雨の日のツーリングはつらい上に危ないので最初からわかっていればそもそも移動しないんだが、こうやって途中から降られると我慢のツーリングになる。ちなみに時速80kmを越えると身体に当たる雨は痛い。先がとがっていない針でチクチクやられる感覚になる。

 

速度をさらに緩めて先へ進む。次の街までまだ100kmを越えていることを考えると気が滅入るが、遮蔽物も全然ないのでひたすら前へ。それでも幸いなことに10分もすると天候は回復した。回復したらしたで今度はめっちゃ暑い、赤道に近づいてる体感がある。

 

道すがら小さな町をいくつか通過したが、タイのようにごちゃごちゃした感じはなく、むしろ綺麗に整備されていて驚いた。新興住宅街と思われる場所は本当に日本のニュータウンのようでマレーシアの発展を感じさせる。タイはごちゃごちゃしてはいるが、活力もあり、物であふれかえっていたのでマレーシアより発展していると勝手に思っていたが、実際はマレーシアのほうが明らかに発展していた。

 

そのあとも雨は降って止んでを繰り返して高速までたどり着いた。マレーシアの高速道路、驚くべきことにバイクが無料で走れる。タイの高速道路は110ccのバイクで侵入できないのでわからないが、こちらはちゃんとETCにあたる装置も設置されている。バイクはその料金所を専用路で迂回できるようになっていた。

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この道が最高に綺麗で助かったのなんのって・・・距離は伸びるし走りやすいし、それでいてタダだし。道路わきの芝が綺麗に揃えられていて、万が一動物がいてもすぐにわかりそうだ。しかも、途中で道の駅みたいなのもちゃんとありますからね、中にはホテルがある場所もありました。マレーシアは島々からなる島国ですが、今走っている大陸とつながっている国土は高速道路が南北を縦断している。距離にして1000km走ればシンガポールにたどり着けるので、それなりの車輌を使えば一日で縦断することが可能らしい。

 

昨日までの街や道路が国境を越えたとたんガラリと変わる。世界的に見れば珍しくもなんともないことなんだけど私にはかなり新鮮な驚きでした。同時に国って何なんだろうとも思います。

 

高速のおかげで距離はある程度稼げたもののこの日はジョージタウンの手前、バタワースという街で一泊。ミーゴレンうまかったなー。明日、フェリーに乗ってジョージタウンを目指します。

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翌日、宿をチェックアウトしてジョージタウンへ向かいます。この街はイギリス入植時の街並みを残す世界遺産の街で、小島でもあるのでフェリーで行くことになります。完全とまではいいませんが、英語がある程度通じるので色々なことがすごい楽。向こうもこっちと話が通じるので明るい雰囲気で対応してくれます。タイはもちろんいい人も多いんですが「変な外人来たよ(笑)」みたいな会話を平気で仲間とはじめたりするので、個人的にはマレーシアのほうが居場所がある気がします(笑)。

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フェリーの往復料金は驚くなかれ、2マレーシアリンギット(60円)。たしか往復の料金だったはず。安すぎると逆に不安になるんですが、こちら側からジョージタウンが見えるくらいの距離なので最悪沈んだら泳ぐかくらいに考えてました。まぁ、地元の人の足だから安いだけなんですが。

 

そして乗船。艦底みたいなところが巨大な駐車場でそこにどんどん入っていきます。便の運航は比較的多く、30分に一本は出ているとか。バイクを停めて船内を散策したかったんですが、どうやらこのままジョージタウンまで待機する様子。日本と勝手が違うといちいち感動します、感動屋なのかもしれない。

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離れていくバタワースの街。今街は中国の旧正月でかなり賑やか、それに伴ってホテルは特別料金じゃないと泊まれないところが多い。まぁ、そういう雰囲気を味わうことができるオプションフィーだと考えよう・・・

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船内でたまたま隣になった人が日系企業に勤めるマレーシア人で名刺までくれた。ボスが日本人でお世話になっている、これから家族でスタジアムに行くんだと言ってました。彼が言うにはマレーシアの人は日本人のことを尊敬してくれてるみたいです、日系企業人の頑張りが色々なところで発揮されているのを感じるなぁ。

 

フェリーがつくと各々の目的地へ散開。私は目的地も何もノープランだったんで適当に街を走ってみることに。

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街にはイスラム教のモスクが点在。ここマレーシアはイスラム教徒の国なのでそこかしこで見かけます。それにしても宮殿っぽいよなー。欧米人にも人気の観光地みたいでこのモスクでも大量の欧米人を見ました。関係ないけどガンダムに出てくるアッザムってこのモスクからとったデザインじゃないのか、と思いました。

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中に入るとイスラム教徒かどうか聞かれました。仏教徒だと答えると、「ここから見るだけにしてね、その先はイスラム教徒が御祈りする場所だから」とのこと。照明もないのにとても明るく、刺繍模様の美しい絨毯が奥まで並んでいる。中東で大人気のケータイアプリでお祈りの時間とメッカの方向を教えてくれるってものがあると聞きました。日本人の電車案内アプリくらい生活に根差してるんだろうな。

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モスクの花壇に植えられていた花。花とかはしっとりと撮りたいんだけど、全く真逆のカラッカラに乾いた状態でした。今度誰か撮り方教えてください。

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昼食を摂って街を進むと旧正月に沸く寺院を見つけた。近くにバイクを停めて参道を歩く、仏花を売る店も書き入れ時とばかりに客引きをしている。こういうところに来るとやっぱり私も中国人に見えるらしい。客引きがひたすらニーハオって言って寄ってくる。

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客寄せに愛想笑いを浮かべながら歩くと寺院に到着。頭上には所狭しと提灯が並び、まるで屋根のようになっているが、マレーシアの日差しは一切弱くならない。気温は体温に近いくらいで風もないのに皆飄々としているように見える、タイで大分暑さに慣れたつもりだったけどここは本当に暑いな・・・

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そこにいた狛犬。だんだん狛犬フォルダが充実してきました、いや、特に意味はないんですが。

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寺を出てバイクまで戻る道すがら日陰があったので休む。現地の人は汗ばむくらいで済むかもしれないがこっちは脱水症状になりそうだ。休んでいる間暇なので中国語の看板を読んだりするのが楽しい。中国語の看板はどこにでもあって、意味もちょっとわかるから看板と店の内部を比較するという一人遊びを開発して満喫中。「生首飾」って看板があって意味はたぶんネックレスのことなんだけどそれにしても字面で笑う。

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街にはこうしたストリートアート風にこの街がなぜ発展し、世界遺産に登録されたかの経緯が数多く見受けられる。漫画のようでコミカルだがそれゆえに親しみやすく、興味もわく。世界遺産だからって格式ばらずに、こういうことできるセンスが海外っぽいなぁと思う。日本だとどうしても気合いれて硬くなっちゃうよね。

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街はたしかに洋館がいくつもあった。でも、正直な印象としてはそのくらいのものだ。海外に海外の建物があっても別に驚かないという無味無色な感想。ここに日本の武家屋敷があったら感動するんだが、たぶん欧米人から見たらそういう感覚で見ているのかもしれない。欧米人の人は看板を指さしては写真を撮っていたので、おそらく歴史の物語なんかをそこからトレースしてるんだろうな。日本人が京都の街中で小さな首塚を探して新選組ゆかりの地を巡るのと同じかなぁ。

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街を歩いていたら立派な彫刻を見つけた。どうやらイギリス入植時にこの街の発展に寄与したイギリス人の功績をたたえ、その勇気や知啓を表しているらしい。

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ふむふむ、そうかー。

 

・・・

飽きたな、正直。

 

街はもういいや、絶景地か変な場所に行きたい。

さすがに「この辺で変な場所知らない?」と聞くと警察のお世話になりそうなので絶景地を聞いて歩く。このジョージタウンで生まれ育ったという男性に聞くと、それなら島で一番大きな丘へロープウェーで行くといいといわれる、サンクス。

 

島の道は交通量がなかなか多く、それなりに混みあっていた。時間がかかりながらも道を進むこと30分。巨大な観音様が山から見下ろしているのを発見、ロープウェーに行く前にそっちに行くことに。

駐車場では警備の人たちがタイナンバーを見てワイワイ話しかけてくれる。心なしか日本人っていうとみんなうれしそうなのでこっちも笑顔になる。観音様への道を聞くと、あやしげな露店通りを指さされた。

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うん、普段来ないようなところだね。薄暗くて道が狭かったりするところは普段来ないようにしてるんだが、こっちが道というなら仕方がない。IMGP5732

途中ビックリするくらいカラフルなところや・・・

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やっぱり引き返そうかなってところもあったり・・・

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でも、まぁそれらはお土産通りみたいなもんで無事上に到着!やっぱり見晴らしはいいね。

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明らかに中国系仏教の佇まい。でも、ここに来てよかったな、豪華絢爛ってのはこういうことを言うんだろうな。

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近くで見つけた狛犬。色使いが南国っぽい。

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そいつのすぐ近くにあるのに様子が全然違う、なぜだ・・・

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この場所自体は旧正月ということもあってかすごい盛り上がってる空気でした。境内の中にたくさんの物乞いがいたりして内心ビクビクしてましたが、まぁ、安全でした。

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さらに道を進む。お寺以外の通路は全部お店かなってくらいたくさんありました。色とりどりだよなー。この先の観音様にはロープウェーに乗らないとたどり着けませんでした、ひょっとしてロープウェーのある丘ってここのことだったのかな・・

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ロープウェーを登るとこの景色。たしかにここらへんで眺めは一番良さそう、ちょっと雨降りそうだけど。

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そして巨大な観音様。あまりにもデカすぎるんで一部だけ切り取って撮影。画面の左奥に見えるのが人が作業する足場なので相当デカイです。

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その観音様近くにいた狛犬。こういう目がイッちゃってるやつは怖い、何をするかわからないポテンシャルを秘めてる。

 

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観音様のところでダラダラしているとそろそろいい時間に。ロープウェーと言われたところへは行かなかったけどここもロープウェーあったし、まぁいいか!(適当)

物乞いが居座る廊下を抜けて・・・

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復路で見ると結構ヤバめな通路を通り抜けて・・・

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このカラフルな土産通りについたら一安心。向こうから欧米人のカップルがペアルックで来たのにはビビりましたが、今日一日で色々な景色を見ることができたなぁ。

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ジョージタウンからまた格安フェリーに乗ってバタワースの街へ帰還。ホテルオーナーとシンガポールへ行く道について話す途中、絶景地はないか聞くと「キナバル山」というキーワードを聞く。ネットで調べてみるとたしかに絶景地らしく、行ってみたい衝動に狩られる。

 

うーむ、予定をどうしようか考えなくては・・・

とりあえずマレーシアの首都クアラルンプールまでは行くようにします。

何日分か溜めて書いたらえらい長くなってしまった・・・

 

読んでくれてありがとう^^

それでは!

 

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