月別: 2017年10月

【エピソード】サンタクルストレッキング-本編-

みなさん、こんにちは。

今日は先日の準備編の続きを書こうと思います。

 

ドンキーに荷物を積んで出発するまでの時間、周りと話しながら徐々にお互い打ち解けていく。

と、いってもそれほどガッツリ話せるわけでもなく、今までどこに行って、これからどこに行くつもりなのか?という旅人同士のありふれた会話だ。でも、こういうのは旅人同士にとってマナーみたいなものだ。

日常生活の中の小さな約束事の集まりが常識であるように、出身地や言葉、目的地が違えど旅人の常識を守れば、本当に誰とでも仲良くなれる。

 

我々のガイドはペルー人の女性で褐色の肌に三つ編みの女性、名前はマルガリータ。英語をそつなく話し、ヨーロピアンたちも「ガイドが英語綺麗に喋れてラッキー」と言っていた。

ガイドは私の名前をなかなか憶えなかったが、こっちはピザと関連付けたからすぐに覚えた。ジャパニーズは親切で好きって言ってたけど、リップサービスかどうかはさておき、マルガリータに以前接した日本人に感謝だ。

 

大げさな言い方かもしれないが、海外の人から見れば旅行者はその国のちょっとした代表みたいなものだ。もちろん陽気なロシア人もいれば陰湿なコロンビア人もいるだろうし、コンピューターが得意なインディアンがいても、辛いのがダメなインド人がいてもまるでおかしくない、そんなことはみんなわかってるんだが、人はやっぱりイメージに任せて世界を見るほうが簡単だし安心する。

だから結局○○人は△△だ、みたいなしょーもないところに落ち着く。

これがプラスに転がればいいが、マイナスに転がると・・・海外での自分の行動は次にその場所に来た日本人に影響することを忘れてはならないといつも思う。

 

ちょっとした代表としての話に関連するが、私は海外で会った人と別れるとき「Nice to meet you」と言われることを目指している。相手にも積極的に「Nice to meet you」と伝えている。

日本の中学校では「はじめまして」という意味で教えられるが、ネイティブと話していると必ずしも最初の挨拶だけではないことに気付く。書いて字のごとく「あなたに会えてよかった」ということだ。

それは相手が会話を楽しんだということで、つまり自分の出会いが相手の幸福に貢献できたという証だ。この言葉が相手から聞けたら、すでに書いた日本人としてちょっとした役割を担えた気がする。

 

マルガリータとの出会いの一番最初のところを書いただけでこんなに字数が・・・大学の研究室でひたすら「字数を減らしなさい」って先生によく注意されたのになぁ(遠い目)。ここからはもっとざっくり書きますか!

 

初日は天気もすぐれず、コースもなだらかだったため、会話ばかりのトレッキングになってしまった。でも、人と長く話すというのが私の旅のスタイルからすると新鮮で心地よさもあった。

ただ、やはり団体行動は自由がない、私は写真を撮るのに大切なことが「自分のわがままに付き合ってあげること」だと思っているが、それが大幅に制限されるのがとても歯がゆい。

出会ったばかりの異国の人と、拙い言葉でも、それでも分かり合えるんだという感動と、これから三日のうちに撮りたい写真が撮れるのかという焦りと不安が入りじまった初日だった。

【荷物を運びあげてくれるドンキーとツアー会社の人たち】

【イギリスから来たマイク、空調会社を経営している。ふざけているがめっちゃ健脚で追いつけない】

 

夜に改めてメンバー同士で自己紹介をしたとき、みんな英語だったが、ちょうど一巡し終わったところでマルガリータが輪に加わった。

スペイン語は碌に話せないが自己紹介くらいならできる、ネイティブに自己紹介するつもりで、スペイン語で話したらマルガリータから「タカーニョ」と呼ばれるようになった。

私自身は「?」となったが周りは変な空気だった。ちなみに深夜に何度か起きてテントの外を見たが、曇っていて星は見えず。明日に期待だ。

 

【トレッキング初日終了、明日はどんな景色に会えるかな】

 

 

【二日目】

いきなりだがこの日はウニオン峠というこのトレッキングの中では最も過酷な難所がある。

大人数のトレッキングは体力に個人差がでやすく、その分、隊列が伸びて結果的に時間がかかるため、六時半ごろには出発になった。

テントを畳み、用意された食事を摂ると、空になった皿をテーブルに残し出発。後片付けはツアー会社のメンバーがしてくれる。こういったところもツアーならではの良さだ。

 

昨日までは平たんな道だったが、やはり難所に近づくにつれて登りが多くなる。

しかしながら、この峠、大したことない。あれ?難所?というくらいだ。もちろん息は上がるし、しんどいことはしんどいが、高度順応していれば何ら問題はない。

このツアーの前に同じトレッキングを終えた女子大生が「ツアーに参加しなくても全然行けますよ!」と言っていたのを思い出して後悔する。自分のテントくらい自分で持っていけばペルー代表の試合を待つ必要もなく、思うがままに行動できたと思うと悔しい。

新しい友達ができた天秤が、悔しさの乗る天秤よりだいぶ上に上がったころ、メンバーの一人が不調を訴えだした。

 

彼女の名前はジャンニック、カナダから来た女性でテレビの映像編集の仕事をしているそうだ。

ペースが前日よりも明らかに落ちていたが、やっぱり調子が悪かったようだ。「もう帰りたい」という彼女に励ましの言葉を贈るメンバーもいれば、まるで気にかけないメンバーもいた。

冷ややかな態度にも見えるが、選択と自己責任が一体化しているヨーロピアンからすればわりと自然な対応なのかもしれない。

この次の日、三日目には別のフランス人女性が靴擦れで行動できなくなったが、その時も「靴下でも歩けるさ」みたいな空気になったときにはちょっとビックリした。

別に周りが無理強いしたのではなく彼女が靴を脱いででも歩きたい!といったことに対する賛同の形だが、このあとすぐにみんな出発して(ガイドすら)彼女は一時間以上みんなより遅れてキャンプサイトに到着した。

彼女自身が「できる」って言ったんだから、周りがとやかく言うことではないって感じかな。サッパリしてるよね、私は好きだけど、本当にやばいときは遠慮しちゃだめだなって思いましたね。

【ドイツから親友のルーシーと遊びに来たアンドレア。絶不調の人間もいれば絶好調の人間もいる。団体行動ならでは。】

 

弱音を吐くジャンニックに「荷物を持とうか?」と言ったが、他の手ぶらに近いメンバーが持つことに。

なんとかジャンニックのやる気が戻ったあと、すぐに再出発。みんなジャンニックを置いてガンガン進んでいく。

一応マルガリータがついてはいたが、見ていてなんか辛そうなので、片言の英語で励ましながら一緒に登ることにした。途中「なんで優しくしてくれるの?」みたいなギャルゲーみたいな質問があったが、私がかっこいい答えを探してる間に「日本人はやさしいんだよ」とマルガリータが答えた。

ちなみにこの時、「タカーニョは撤回してタカって呼ぶよ」と言われました。名前の後ろにニョがつくニックネームは自分勝手なやつって意味があるらしいことを聞きました。

エルニーニョみたいな(ニーニョが男の子だからワンパクとかそういうニュアンスかも)。英語の自己紹介でスペイン語を使うっていう、小さなルールを破ったからか、と確信した。

あの妙な空気はみんなそれを察したんだろうな。

 

登っていくとみんな峠で待ってくれていた。一番寒いとこで待っててくれるなんて・・・マラソン大会のビリの生徒に温かい拍手が送られるがごとく、我々にもハイタッチのウェルカムが待ってました。まぁビリじゃなくてもみんなやってるんだろうが。

 

【ウニオン峠の上から来た道を見下ろす、手前だけ登りでその前は平坦】

 

事前に配られた昼食を摂る、みんな自撮りが大好きで、お互いに写真を撮りあいながら時間を過ごす。

【ユニオン峠から見えるエメラルドグリーンの湖、時折晴れ間が通り過ぎる】

 

ある程度時間が過ぎても結局晴れ間は見えず、そのままキャンプサイトを目指すことに。

一度峠を登ってしまえばあとは下りばかりで大したことはなかった。夜にはマルガリータから次の日のルート説明があり、選択によっては峠のある二日目より大変な三日目になると言われた。

返答は明日の朝聞くと言われたが、峠があまり大変じゃなかったので、言われたタイミングで大変なほうの選択肢に決めていた。ただ、ここでいうとまたタカーニョに戻ってしまう、ここは我慢だ。

ちなみにこの日も深夜にテントの外を見るが晴れ間は見えず、雨季には一日のうち晴れ間の時間が短いという。オフシーズンで人が少ないのには理由があるなと思いました。

 

【二日目のキャンプ場から見えるタウリラウ山(Tauliraju)】

【キャンプ場の反対側、草をはむドンキーたち。いっぱい食って明日も頑張ってくれ!】

 

【三日目】

ここからはこのトレッキングの名前にも使われているサンタクルス谷へ入っていく。

そこでオプションとして湖を見に行くルートを追加できる。ここを入れると一日の移動距離の合計が27kmになるということだった。

ただトーレス・デル・パイネで一日50km歩く羽目になった私からすれば、まるで敵ではない。

13人中10人がこのルートを選択した。前日かなり参っていたジャンニックも多少良くなったが、やはり体力的に厳しいということで写真を頼まれて別れた。

天気も相変わらず優れず、小雨まで降り出していたが、少しでも良くなることを祈って出発。一路湖を目指す。

 

ここの道もすごく平坦だ。平原を歩く、という表現が合っていると思う。湖の手前だけ少し登りだが、本当に少し。イージーです、思いのほか。

 

「天気よくなんねーかなー」とみんなで話しているとあっという間に到着。なんか思ってたより短い・・

別れた場所から本当に片道5kmもあんのか?と思う。

少しの間みんなで待ったが天候は一向に変わらず、撤退することに。そうだ、今日はまだ距離がある、あまりグズグズはしていられない。皆、一通り写真を撮って、マルガリータの待つ分岐点を目指す。

【たどり着いたアルフアイコチャ湖(Laguna Arhuaycocha)、天気よかったらたぶん絶景】 

 

来た道を折り返してすぐ、湖の手前を降りたところで、やたらと手を振りながら向かってくる男女がいた。

 

「おおおおおい!おおおおおい!」

 

おお!?おおおお!!

 

少し近づいてからわかったが、このカップル、半年前アルゼンチンのエルチャルテンという場所で偶然出会った日本人だった。

実はこのトレッキングの前、Facebookで「同じ町にいる!」というやりとりをいくらかしたが、結局時間が足りず、やりとり不十分。

わかったのはトレッキングの出発地点が真逆で、この日にちょうどかち合う可能性があった。

しかしながら、私がメインルートから外れるオプションのルートを選んだことで、会える可能性はゼロだと思っていた。まさかそちらもオプションルートを選んでいたとは!奇跡!

 

もうね、会話が弾む、弾む。みんなには「あとで追いつくから」と伝えて先行してもらう。

今まで英語で伝えられなかった細かいニュアンスも日本語なら言いたいことを100%言える。自分の母国語だから当たり前なんだけど、かゆいところに手が届くっていうか、日本語って使ってて面白いんだよなー。

半年ぶりの再開に早口でしゃべっても全然会話が終わらない。それでも、いくらなんでもそろそろ行かないとまずいとなったので再開を約束してこの場ではお別れ。短時間だったけどめちゃくちゃ楽しかった。

 

で、この後みんなに追いつくために走りまくりましたね。何十分話してたんだよってくらい離されてて、視界が何度か靄がかかる状態になりながら追いつきました。ファーって感じ。

 

日本人カップルは私と会う前にマルガリータと話していて再開を確信していたらしいです。

マルガリータは遠くから私が走ってきたのを見ていたみたいで、「日本人は時間を守る努力をする、ナイスガッツ」みたいなことを言っていました。タカーニョから大分出世しましたね。

 

【戻ってきた分岐点で少しだけ青空が見える、ここからはサンタクルス谷のエリアだ】

 

この後、フランスから来たアナイスという女性の靴擦れがひどく、靴下一枚で大雨の中を歩いたり、私がこの日一番のご馳走のチョコを落として道端の牛糞と一体化したり、事件はそれなりにありましたが、なんだかんだでキャンプサイトに無事到着。

温かいスープとパンを食べながら、トレッキングと誕生日が重なったメンバーの誕生日を祝ったりして夜が更けていきました。

 

ただ、キャンプはこの日が最後。明日は街に着いてそのまま帰る予定です。

つまり町から遠く離れたこの場所で星空を撮影する最後のチャンス。着こみに着こんで夜星空を待ちます。

うつらうつらしながら晴れ間を待つ間、この数日のトレッキングを思い返したりしてました。

だんだん雲が薄れ、星空が見えたころには、必ずまたここに来ようと心に決めました。一人で。

 

 【サンタクルス谷から見える夜空、晴れ間を狙ったがそれでも薄雲がところどころ残る】

 

結論:写真は一人で撮るもんだなぁと改めて感じた。

 

【四日目】

下りばかり7kmの道。マルガリータからの説明はシンプルだった。

出発の前にメンバーがカンパを募り、良くしてくれた労いとしてチップを渡したこともあってか、昨日まで以上に明るいマルガリータ。

良くしてくれたことに対するこちらの感謝と、自分の努力が満足度に貢献できたと感じるあちらの達成感。チップの文化は正しい心持ちが重なれば社会的にすごくいい習慣だと思う。

 

 

【キャンプ場から見える滝。雨季と言えども朝は毎日天気が良く、水しぶきがあれば虹が見える】

 

出発前、口々にみんな昨夜の写真の出来を聞いてくる。

「仕上がったらもちろん渡すよ」というと喜んでくれる。このトレッキングでみんなと仲良くなれたのは、実は写真によるところがとても大きい。

思い出は心に残すといってカメラを持たない旅人もいるが、心だけでもまたその場所に戻ってこられるように、カメラはおすすめだ。

時・場所・人・光、同じことは二度とない。だから是非カメラを持って出かけてほしい。

 

出発してすぐ、ここ四日間で一番余裕なルートだと舐めた感じで出発した私はすぐに度肝を抜かれた。

岩肌が露出した狭路にヤギの死体が転がっていたからだ。悲惨な状況は撮りたくないので写真はないが、バイクのヘルメットくらいの大きさの岩に頭を押しつぶされたヤギが道の真ん中に横たわっている。

トレッキング参加者は皆20歳を超えるメンバーで、誰も悲鳴を上げたりはしないが、それでも自然と言葉にならない声が漏れる。

ハエもたかっているのですぐ先ほど起きたというわけではなさそうだが、今我々のいる場所が今も危険ではないかと感じるには十分だった。

みな速足で、時折足を滑らせながら谷を進む。幸いにして心配は杞憂に終わったが、国立公園という性質上、最低限の保護しかされていない公園内は、決して侮るべきではない危険を孕んでいた。

 

【サンタクルス谷の端っこ、岩肌が大分落ち着いたところで撮影。それでもちょっと怖い】

 

バスをピックする場所でトレッキング最後の食事を摂りながら、メンバー同士歓談する。

人生でそう何度も来ないこの地に来れた余韻を楽しんだ。

最後にマルガリータにお礼を言ってバスに搭乗。

山岳地帯だけあって窓からの眺めはやはり格別だった。

ワラスの町に着いた後、メンバー同士「Nice to meet you」と言ってからお別れ。

 

なんだかんだであっという間だったトレッキングは無事終了。

最終日に星空が見えてラッキーだったなぁ。

 

天気はあまり良くなかったが思うところも思い出も多いトレッキングになってよかった。

【最後みんな大はしゃぎ、I really enjoyed, because of you! Thanks, guys:)】

 

そしてあらためてタカーニョのほうが写真撮れるって思いましたね、今後ツアーにはなるべく参加しないことを誓います。いや、いろんな人と仲良くなるのはめっちゃ楽しいんだよ!ただ写真撮影には向いてないよね。

 

【帰りのバスから見た風景。バイクだったら止まって撮れたんだけどなー】

 

長くなったけど読んでくれてありがとう。

この後入り浸ったワラスの町を出て、首都のリマに戻りました。

次はそん時のことを書けたらいいですね(他人事)

 

それでは、また。

 

 

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【エピソード】サンタクルストレッキング-準備編-

こんにちは。日本は台風が来ていて心配してますが大丈夫でしょうか。

私は今ペルーの北にあるピウラという町に来ていて、明後日ようやく次の国エクアドルへ行こうかな、と思案しているところです。

これはどうでもいいことなんですが、昨日山岳地帯を無理やり抜けてあまりにも疲れ果て、ケータイの地図で一番初めに目に入ったホテルに泊まろうと決めたんです。

町の名前はチンボテ。そもそも町自体がすごい名前だなって。

でも、次の町までそれなりに距離があるし、夜間走行は危ないので、その町のDubai hostelってところに行きました。Hostelは安宿なんですが、ドバイってとこでちょっとリッチなほうに巻き返してるかなって。

で、部屋見せてもらったらね、もう完全にラブホ。
落ち着かない壁の画があったり、ベッドの枕元に名前と日付が書いてあったり、壁と天井にベッドよりデカい鏡があったり。

 

受付のところになんか人がたくさんいて「あ、日本とすでにちょっと違うんだな」って思いましたね。

それでもまだ1%くらい派手目なホテルの可能性はあったんですよ。
ってのは、入口の上に閉まらない木の格子があったから。

これじゃ音筒抜けじゃん?と。

まるでつながらないWiFiに、ケータイを早々に諦め、明日待っている二つに割れたケツが四つに割れるかもしれない600kmの道のりに備えて寝ようとしたんです。

そしたらガンガン聞こえてくるんですよ。
アレの音だけじゃないですよ。

 

車についてる防犯用アラームの音が。
一台じゃなくて同時に三台くらい。

めっちゃうるさい、布団かぶるとかで解決できない。
わりとマジで車上荒らしじゃないか、と。
アンアン言ってないでお前ら、いったん中止して車見て来いよ、と。

 

もうね、木の格子のところにブランケット詰めてやろうかと思いましたね。

ちなみにこれは余談ですが、気分を盛り上げる備え付けのグッズとしてラジカセが置いてありましたね。

 

ラジカセって・・・
ゴムのほかにお気に入りのCDとか持ってくるのかな?
やっぱそれって男の役なのかな?
中学校で先輩とかが「○○が鉄板らしい」とか話すんのかな?

これは余談、じゃなくて全部余談でしたね、ハイ。

・・・なんだっけ、そうだ、サンタクルストレッキング。
あ、ペルーのラブホの話は終わりました。ちゃんとついてきてください。

 

ペルーの中部でもやや北の山岳地帯にあるワスカラン国立公園ってところを散策したときの話。

この数日前にはバイクで犬と衝突したり、ラグナ69を見たり、バイクを修理したりしてたんですね。

 

そもそもこの町に来たのは、トレッキングの名所として知られるワスカラン国立公園の中でも、(素人向けでは)屈指の絶景を誇るらしいサンタクルス谷のトレッキングに参加するためでした!

 

個人でも行けるんだけど、四日かかる工程の全荷物と撮影機材のコンボはきついので、ツアーのメリットであるドンキーと呼ばれるロバに荷物を運んでもらいたいがためにツアーに申し込む。お世話になってた安宿El Tambo(一泊330円)のおばちゃんのつてで大分安く行けることは事前にわかってたんでそこでお願いすることに。

 

しかし、ちょうどトレッキングに行きたい日が、サッカーのワールドカップ南米予選、ペルー代表の最終戦に重なりました。

 

こっちのサッカー人気は本当にすごくて、特に今年は三十数年ぶりの出場がかかっていたために試合前はみんなそのことばっかり。

このひとつ前の試合の日、私は首都のリマにいましたが、夜の試合のために午前中に仕事を切り上げる人続出で交通渋滞の時間が前倒し。

対戦相手(アルゼンチン)のチームカラーである青い服は今日着るな、と宿のオーナーに固く禁じられました。

理由は試合でペルー代表が負けた時、腹いせにボコられる可能性があるから。

 

そんな熱意を持つペルーの人々が三泊四日のトレッキングを試合の前後で組むはずもなく・・・

ずれにずれて三日待った末にようやくの出発となったのです。

 

ツアー会社の社長は私に言いました「君は長く待ったから250ソレスでいいよ、ただほかの人に言っちゃ駄目だからね」と。

 

でもね、宿の壁に思いっきり250ソレスっておばちゃんが貼ってるから。

 

別に待っても待たなくても250ソレスなんだよなぁ。

ちなみに街中のツアー会社に行くと値段が場所によって全然違います、海外観光地あるあるですが。

最大は250ドルという三倍以上のものもあったので、興味ある方は是非El Tamboに泊まってツアーに参加してください。

ただ、正直なところ、ルート的には高度順応していれば全然大変じゃないので、むしろツアーじゃないほうがいいかなーというほんのりとした後悔があります。

 

そして待ちに待った当日、乗り合いのミニバンに乗り込みます。ヨーロピアンばっかり、参加者は全員で13名。
マジですか、思ったより多いっすね・・・

イギリス人、フランス人、アイルランド人、ドイツ人。あとカナダの人たち。
バスの中では高速で英語とフランス語とスペイン語が飛び交ってました。

 

海外に行くのに「言葉の壁」ってのは、人によって大きな不安になると思います。
私が海外で言葉に関して至った結論は「調子がいいときは話せなくて全然おk、でも困った時話せないと倍困る」です。
明らかに私だけ話せてませんでしたが、俄然仲良くなれました。たぶん人間って何事もうまくなるんですが、言葉を話せないで旅をしていると、「言葉を話せないながらも仲良くなる」ってスキルが上がるんでしょうね。いや、もちろん話せるに越したことないですよ。

 

このサンタクルストレッキングはサンタクルス谷とフアリパンパ谷の二つを巡るコースでどっちからでも行けるんですが、難所のウニオン峠ってところは後者に近い位置にあります。個人で登る場合は日が増すごとに食料が減って軽くなるので、難所が後ろにくるサンタクルス谷のほうから行くみたいですが、ツアーは重い荷物をロバに持ってもらえるので、高度の高いフアリパンパの方から行きます。

 

途中2分くらい止まった絶景地。すでに寒い、たぶん4000mくらい。

 

さらに三十分ほど走ってようやく出発地点。

ドンキーたち、荷物は頼む!

・・・ここまでで準備編。次は本編ですね。

読んでくださった方、ありがとうございました。

 

私のブログをよく読んでくれる方はすでに知ってると思うんですが、私なかなか書かないわりに書き始めると長いという・・・

この方法で書くとスクロール疲れるくらいにはなりますからね。いったんここらで切ろうかな。

 

前半のラブホの下り、いらなかったんじゃないかって?いいですか、私は頭のいい人が嫌いです。

 

次はトレッキング本編を書きます!こういう景色見たんだぜ!たぶんな!

それでは、また!

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【エピソード】バイク修理&バイク用保険 in ペルー・ワラス

ペルーのワラスで犬と事故った日、ラグナ69へのトレッキングを終え夕方に宿に着いた後、宿のオーナーにこの町に来た目的のサンタクルス谷のトレッキングに参加したい旨をツアー会社に伝えてもらう。

海外ではよくある話だが(日本でもありそうだが)、同じ内容のツアーでも頼む場所によって値段が違うということがままある。値段交渉ももちろん影響するが、そもそもスタートの価格が全く違うなんてことがフツーにたくさんある。

旅行者に人気のサンタクルス谷トレッキング(3泊4日)もその一つで、事前に入手した情報と町で聞き回った情報によると同じような内容でも250ソレス(8250円)と250ドル(28000円)の違いがあった。

最初250ドルと聞いた時にはツアー会社の人間が間違って言っているのかと思ってスペイン語で聞き返すほど驚いた。

こういうトレッキングは世界中でヨーロピアンに人気で、お金を持っている人が参加するので別にそれは私がどうこういう問題ではないが、そこに巻き込まれるのはちょっと避けたい。

 

サンタクルス谷のトレッキングは正直ツアーに参加する必要がないほど難易度が低いと言われている。

太陽がのぼっていれば間違いようのないほど明確な一本道、水が簡単に手に入ること、何よりアップダウンの少ないなだらかなコース。

それでも今回ツアーに参加したのは、ドンキーと呼ばれるロバに荷物を持ってもらえ、且つテント・寝袋・毎回の食事等もツアー会社が負担してくれることだ。

半年前のマチュピチュでテントを取られてから、テントのない旅をしているし、星空を撮影するための機材が重いということもあったので、ここはツアーで行こうと決めていた。

 

結局最安値の250ソレスで行ける方法は、ワラスの入口にあるEl Tamboという安宿のおばちゃんを通してツアー会社にお願いするということだった。

この宿はドミトリー(相部屋式)だが、Wifiも使えて一日330円という破格の値段である。

トレッキング中でも荷物を無料で預かってくれ、宿の床が恐ろしいほどギシギシ軋む以外はとてもいいところだ。

ラグナ69から帰ってきたばかりだが、早く寝れば明日でも大丈夫だろう。さっそくおばちゃんに連絡してもらう。

 

その結果、お安いツアーに参加するにはあと二日待たなくてはならないことが判明した。

理由はペルー代表の南米予選突破をかけたサッカーの試合が二日後にあるから。日本でも熱烈なファンがいるサッカーだが、ここ南米は強豪ぞろいでサッカーにかける情熱のレベルが違う。

実はこの数日前、ペルーのリマに滞在していたときも、サッカーvsアルゼンチンの試合があって、試合の始まる前に、敵国のチームカラーである青い服を着ての外出は控えろというお達しがでた。

もし試合で負けたら腹いせにボコられる可能性があるという(特に今回は30数年ぶりのワールドカップ出場がかかっていて、歴代でもかなり強いチーム構成らしい)。

今回電話したツアー会社もサッカーの試合のために仕事を休みにして観戦したいということだった。

 

二日かー?やることが二日もないだと!?ブログを書・・・そうだ、バイクの修理をしよう。次の朝の一番で犬との事故で壊れたバイクを修理することにした。

 

 

翌日さっそく拙いスペイン語で宿屋のおばちゃんにバイク屋を聞く。

いやな顔一つせず丁寧に説明してくれたが、肝心のバイク屋については「この辺にあるから聞いてみて」ということだった。

まぁ普段使ってないのにそこまでわかるほうがすごいんだが・・・いつも海外でホテルなんかを聞くとき、聞く側ながら明確に答えることができる人はすごいと思う。

もちろん町の規模が日本とは全く違うし、たまたま知ってるだけなのかもしれないが、「コインランドリーはどこ?」とか「この近くの安宿を知らない?」とか「バイクの駐車場はどの辺にありますか?」とか、日本で自分の住んでいる街について答えられる自信が全くない。

 

なんとなくおばちゃんに聞いたところまで行って、聞き込みを開始。

道行く人によって聞き込みを続けるとおばちゃんの言った場所からどんどん離れていく。

結局5回ほど聞いてまるで違う場所に着いたので諦めて警察に聞くことにした。もし海外旅行で道に迷ったら白バイを近くに停めている警察官に聞きましょう。運がいいとそこまで連れてってくれます。

この日も三分くらいやり取りをして「こいつ言葉話せねぇ・・・」と悟った警官は「Vamos(行こう!)」といってバイク屋まで連れてってくれた。

 

バイク屋についたのは朝九時を過ぎたところで、ちょうど店の親父さんが眠たそうな顔をして出迎えてくれる。警察官は2,3言やり取りをすると持ち場に戻っていった。ありがとう!

 

 

事情を一通り聞いた後、さっそく修理を始めてくれる。日本のようにあらゆるパーツがそろっているなんてことは一切ない海外なので、必要なものは代替品をその場で作るというスタンスだ。時間はかかるが、わりと耐久度が高いものが思わず手に入ったりして、なかなかワクワクする。

 

例えばこれも自分で作ったらしい。よくコンクリートの中に通す鋼材をハンマーに代用。使えればいいを地でいく日常がそこにある。

 

 

 

話していると常連らしき人たちも集まって来る。彼らはもちろん生活にバイクを使う人たちだが、やはり自分が移動して色々な人たちと会うタイプなので、こちらに興味を持って話を聞いてくれる。簡単なスペイン語でこちらがわかるように話してくれ、自然とお互い笑顔がこぼれる。店内のゴチャゴチャも海外のバイク屋っぽくていい雰囲気だ。

 

このバイク屋のおじさんはお母さんが日系人で、日本語は全く話せないものの日本に親しみを感じているらしい。はっきりと日本が好きだと言っていた。

常連客が日本のことを色々言っても(場所がどこにあるとか中国人と何が違うとか)、すぐに訂正している。なんとなく聞いた感じだと結構正しい知識を持っていてびっくりする。日本人で南米の国名と場所を正確に言える人は結構少ないだろう。

 

さすがルーツを日本に持つ男である。

この男にならバイクの修理を任せられる、そう感じさせた。

 

そのおじさんがゲットした中でも一押しという日本製のパーツがこれだ。

 

 

 ああ、一気に不安になってきた。

これブレーキパッドだからね、命を守る要のパーツ。

 

最後の一文がね・・・あなたの命と安全を保障しますって言いたいんだろうが・・・

 

まぁ、見分けられないよね。

 

とりあえず現段階で、ここにある一番の日本製なのはおじさんが来ているTシャツのロゴね。

 

ロックマン、こいつは日本製だよ。

 

 

 

修理の途中に来た少年たちのサッカーボールに空気を入れてあげるおじさん。

こういう日常のワンシーンが地球の裏でも同じ人間が生きているっていう当たり前の事実に感動する。

 

 

話の中ででてきたが、ペルーではバイク乗りが買わなければならない保険があるらしい(今更)。入国当初バイク乗りに聞いたら「日本語がペラペラなんだから、日本語で事情を話せばだれもお前を責めないぜ!(笑)」みたいなことを言われたが、犬とぶつかってからやはり完全に他人事ではないと再認識。いい機会だし、おじさんに聞いてみよう。

 

「ああ、それなら姪が働いてるここからすぐのところで帰るよ、電話しようか?」

 

 

ありがTEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!

 

思わずテンション高めで口にしたら時間が止まったように動かなくなりましたね。

クールさがいかに大事か思い知りました。

 

 

そして修理を終え、今更ながら修理費の値段交渉を終えて、記念撮影を取らせてもらう。

ありがとう、アミーゴ!!

 

 ・・・あれ?ロックマンは?

 

直ったバイクはやはり気持ちがいい。

すぐに目的の場所に到着、連絡を受けていた女性と保険のやりとりをする。

 

 「1年間で350ソレスよ(11550円)」

 

ふむ、高い。いや、日本の感覚で言えばそうでもないかもしれないが、何せ今泊まっているホテルは一泊10ソレス(330円である)。日がな一日YouTubeを見ながらダラダラと過ごし、へそにカビが生えるような一カ月を過ごせる値段である。

 

「え!?高くない!?一カ月のとかないの?」

 

考えてみてほしい。日本の自賠責を一カ月単位で買えるようなことがあるだろうか。

完全に困った客だが海外は交渉の世界で思ったことは言わないとどんどん流される。日本のように相手の気持ちを汲んだりはしない、というか希望があるならほっといても言うでしょ、というスタイルな気がする。

 

「ちょっと待ってて、上司に相談してみるから」

 

しばらくたって戻ってきたお姉さんは笑顔で言った。

「一カ月240ソレスでいいいそうよ(7920円)」

 

・・・割高になってない?全体はたしかに下がったけど一カ月あたりの値段が急騰してない?

 

その後、なんとかやりとりをする。電卓はうそをつかないのでやはり威力が違う。もう一度その場でボスに電話をしてもらい、結局2週間120ソレス(3960円)でお願いできた。あんまり攻めると「他でどうぞ」と言われるのでわりといいところに落ち着いたと思う。日本で考えると割高だが、この南の危険極まりない交通事情を考えると、安い気がする。

 

文章にするとこんなものだが、朝から夕方の手前まで一日かかってしまった。

でも、これで後顧の憂いなくトレッキングできる。

 

改めて色々な人に助けてもらっていることを再認識する一日だった。

次はサンタクルストレッキングについて書きます。

 

それでは、また。

 

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【交通事故】ペルー ワラス近郊 10/11 午前6:00頃 バイクで犬と衝突

みなさん、こんにちは。

まさかリスタートしてからの日記の題名がいきなりこんなことになってしまうとは・・

何気ない日々も過ごしてましたがエピソード別に書いていくことにしたので、とりあえずここから書いていきます。

 

この日はペルーのワラスに滞在して三日目だった。

 

ここワラスはリマから400kmほど北上した場所で、標高が3000mを超える。町の規模は山岳地域にも関わらず大きいもので、フォルクスワーゲンのディーラーもあるほどだ。この近郊にはワスカラン国立公園という雄大な山々を囲う美しい自然公園があり、トレッキングの名所として名高い。ハイシーズンは乾季且つ気温も高い6-8月だが、雨季にさしかかる10月でもトレッカーが絶えることはない。

 

前述のように標高が3000mを超える町、そして場所によっては4500mにも達するトレッキングルートから高山病を防ぐ高度順応が欠かせない。私も初日は軽い頭痛があったが、二日もすると息は切れやすいながら普通に行動できるようになり、三日目にしてトレッキングをしようとしていた。

 

トレッキングルートは日帰りのものから十日に近いものまでいくつものルートが存在する。その中でも青く美しい湖と険しい山のコントラストが有名なラグナ69(単独日帰り)、そしてトレッキング素人でも楽しめるサンタクルス谷のトレッキング(ツアー3泊4日)に決めた。ただラグナ69は4500mの標高まで登らなければならず、サンタクルスのほうはそれほど高くないため、後者を楽しんでからより高度の高いラグナ69を目指す気でいた。

 

ところがサンタクルス谷のトレッキングツアーは希望の日に無理だということが判明。実はこの日、南米サッカーのワールドカップ予選でペルーの大切な試合があったのだ。日本でも熱烈なファンを見かけるが、ここ南米は国を挙げてお祭り騒ぎである。特に今年は30数年ぶりに出場できるか否かの大切な日だ。この日はまさに雌雄を決する最終決戦だったが、この一つ前の試合の時に滞在していた首都のリマでは、試合を家で見たい人で交通網があふれ、普段の帰宅渋滞が半日前倒しになったほどだ。その日、宿から出発する折に、対戦相手のアルゼンチンのチームカラーである青い服は着るな、と言われたほどである(ペルーが試合に負けたら八つ当たりで襲われる可能性があるため)。

 

日程にもそれほど余裕があるわけでもないため、結局予定を変更して、先に単独で行けるラグナ69を訪れることにした。目的地まではおよそ2時間。朝の五時四十分ごろ、支度を整えて宿を出発する。高地で朝は寒くエンジンはかかりにくいが、それでもキビキビと走る。そもそも半年間駐車場に放置した状態だったのに(バッテリーのグランドケーブルは外してあった)、一発でエンジンがかかったときは、さすが世界のHONDAだと思った。

 

朝の町は凛と空気が澄んでいて昼のような喧騒はもちろんない。少数のコレクティーボ(乗り合いバス)がビュンビュン狭い道を飛ばしていく。沿道には、タクシーやコレクティーボを待つ人がちらほらといて、こんなに朝早くから仕事に向かう人の多さに感心しながら道を走る。

 

ペルーの交通事情は右側通行で、道路は幹線道路に限りアスファルトといったところだ。ただ、そのアスファルトにも笑えないほどの深い穴が空いていたりするし、街のあちこちには減速用のアスファルトの丸い山(高さ15cmくらい?)があるので、うかつにスピードは出せない。この日も市内をゆるゆると走っていた。

 

もう少しでワラスの町を出るというところで、減速用の山を越える。このとき、後ろから来たコレクティーボに横から追い抜かれる。この小さな乗り合いバスは、加速は遅いのに最高速が速いというマリオカートのクッパみたいなやつで、ここで意地を張ってもどうせ後で抜かれるので、道を譲ることにした。

 

その時、後ろから犬が喚きながら追いかけてくる。飼い犬か野犬か、、、私はとても犬が好きだが、別に犬が私を好きだとは限らないし、実際ウユニ塩湖では荒れ地を低速走行中、野犬に噛まれて狂犬病のワクチンを一週間打ち続ける羽目になった。当たり前だがバイクは犬より加速も最高速も速い。でも、それは目の前の道が空いているときだけだ。

 

なかなか加速しきらないコレクティーボに車間を詰めてついてく。その時、左からまた犬が飛び出してきた。

 

あっ!と思うもブレーキが間に合わない。反対車線に車がいたのでとっさに避けることもできず、犬も驚いてその場に止まってしまい、そのまま衝突した。

 

時速はたぶん50kmいくかいかないかだったと思う。追いかけてきた犬を振り切って安心した矢先だった。鮮明に覚えているが、犬は大型犬に近い中型犬の大きさで、犬の太ももとお腹あたりに衝突した。

 

ギャン!!という甲高い声とともに自分の視界と地面が近くなり、そのあとはなすすべなく二回ほど回転した。すぐにわかる痛みは左ひじと左ひざの擦り傷だった。

 

不幸中の幸いだが、車通りはそれほど激しくなく、かつ路傍にいた数人の人たちが私やバイクを安全な場所に速やかに移動してくれた。これは勲章でもなんでもないし、読者の方は「軽く見るな」と思うのは当然だが、今までの無数の転倒から自分の傷が大したことにならないのは転がっているときにわかった。できた傷も擦り傷と肩の軽い打撲くらいだろうか。

 

ところが犬のほうはそうはいかない。前足は忙しくなく動くのに、下半身は全く動かないようで苦しそうに声を上げていた。周りの人は私とバイクの心配をすごくしてくれたが、バイクはあとで見ることにして、今は路肩に残ったまま悶える犬を動かさなければとその時は思った。一応道路から出ているもののこちらは道路をはみ出して走行することも少なくないし、今は朝だが夜になれば本当に目立たず危ない。

 

「危ないから犬を動かしたい」とつたないスペイン語で伝えると「噛みつかれるかもしれない、あいつはもうだめだからやめなさい」と初老の男性。本当にかわいそうなことをしたし、けれどあの様子だとこの先、生きていくのは難しいと直感させる様子だった。結局数分して動かなくなるまでその場で様子を見ることしかできなかった。一緒に育ってきた家族か兄弟か、ほかにも路傍にいた数匹の犬たちが遠巻きにその犬を見ていたのがいたたまれなかった。本当にごめん。

 

【事故後の対応】

(衝突した犬)

非難はもちろんあると思うが、犬は結局放置した。おじさんに犬はどうしたらいい?と聞いたら、聞き取れた中では「できることはない」だった。けれど今思えば自分可愛さで何もせずというところが正しいかもしれない。現に首輪がないのを確認して安堵した自分に引け目を感じた。言葉にすれば簡単だが本当にすまないことした。

 

(バイク)

損傷した個所は左ミラー、左のライトのズレ、荷物固定用の治具のズレ、クラッチの曲がり。クラッチの曲がりはすぐに曲げなおして修正、ほかのことに関しては後日修理予定。

 

(体)

左肘と左膝に3cm大の擦り傷。その場で、水で洗って放置。その日の夜に左肩にわずかな鈍痛を感じるが軽い打撲だと認識して放置。

 

(カメラ)

バックパックのカメラは転倒時に直接地面と接触したわけではないが、転がったときに地面に何度か衝突している。今確認している症状はレンズのFA31mmのフードのガタつき、(前もあったのでおそらく同じ症状だが)メカニカルギアの破損による焦点距離調整不備。

 

(保障に関して)

今回の旅に関しては3カ月以内に帰国予定なので楽天カードの旅行傷害保険に保障のお願いをする予定。特に高額の機材を使用する予定の人は事前にどういった条件で保険が下りるか調べておくことをお勧めする。特に自走車両を使用する人は国際免許の更新を忘れずに。たまに国際免許は期限が切れていても走れるし(現地の警察にとってはそれ自体を知らない人も多く、形だけ見せれば免許証の提示などの問題はクリアできる)、そもそも持ってないという人もいる。

 

たしかに何か事があっても「外国人」という理由で面倒を回避したがる人は多いし、頼み込むことで本来必要な処理を大幅に飛ばせることがあることは私も知っている。でも、結局自分ができることは抜かりなくやっていったほうがいい。たとえ誰が見なくても、ルールを守ることは結局自分を守ることに繋がる。今回の保障に関しても期限が切れた国際免許では適用できなかっただろう。(私がやった)トラブルシューティングに関してはまた別項目で詳しく記載しようと思う。

 

 

今日はお休みととってバイクを修理したりしてますが、曲げたパーツを曲げなおす度に、あの犬の前足だけバタつかせてキャンキャン言う様子が頭から離れません。これがもし人間の子供だったら・・・昨日は疲れてたけど全然眠れませんでした。

 

ちなみにクソ野郎と思われるかもしれませんが、事故のあと、そのままラグナ69に行ってきました。

この写真を見る度、今回のことを戒めにして忘れないようにしていこうと思います。

 

大きな変更なければ明日からサンタクルス谷のトレッキングに行ってきます。

数日ブログが空きますが、また読んでいただけると嬉しいです。

それでは、また。

 

 

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南米バイク旅リスタート

南米バイク旅リスタート

こんにちは。お久しぶりです。
カメラで風景を撮影しながら旅をしている宮下です。

旅が忙しいとか言い訳して全然ブログを更新していませんでした。
それでも毎日サイトを訪れてくれる人がいることに本当に感謝しています。
本当にありがとうございます。

また時間を作りながら少しずつ再開していくのでまたお付き合いいただければ幸いです。

【前回のブログから今日までのあらすじ】
前回のブログは・・・エルチャルテン・・・だと!?

・・・あらすじを書くだけで一週間かかってしまいそうだ・・・

すごく大まかに書くとこんな流れでした

アルゼンチンにあるフィッツロイ(岩山)のあるエルチャルテンという町を起点にトレッキング。→前回のブログ

 

チリとアルゼンチンをジグザグに移動しながらプエルトトランキーロという湖沿いの村で青の洞窟を見学。その直後オフロード走行中に三脚やテントを失う。写真は青のカテドラルといわれる大理石の洞窟。

そのまま北上し、チリの首都サンティアゴや近郊のバルパライソを観光。新しい三脚とテントを購入。

そこからひたすら北上。世界一乾燥しているといわれるアタカマ砂漠にあるサン・ぺデロ・デ・アタカマというチリの北部の町へ。ここも日本では見られない素晴らしい景色。白く浮き上がっているのは雪ではなく岩塩です。

 

 

チリから南米最貧国と呼ばれるボリビアへ。目指すは日本人に大人気のウユニ塩湖。途中の国立公園(海抜4000m~5000m)で高山病になったり、風で舞った荷物を追いかけて意識を失ったのはいい思い出。あまりの道の悪さにパンク修理材がなくなり、次の町までヒッチハイクするというアクシデントも。ただ途中のラグナコロラダという湖は本当にきれい。

ついに念願のウユニ塩湖。やはり日本人で大賑わいだった。今までは2歳児レベルのスペイン語でやりとりしてきたので日本語が通じるのはうれしい。意思の伝達率が母国語によっていきなりほぼ100%になるという感動は長期旅行ならではと思う。景色の美しさもあいまって十日もいた。ちなみに旅行で長期間同じ場所に居座ることは旅人を船になぞらえて沈没と呼ばれる。まぁ、野犬に噛まれて狂犬病の薬漬けだったのもあるんですが・・・いい出会いにもたくさん恵まれたし、星空本当にすごかったなー。

ウユニ塩湖はもちろんよかったが滞在したウユニの町がすごくよかった。南米最貧国と呼ばれているが、住んでいるアンデス系の人々はシャイで素朴ながら親切でたくさん良くしてもらった。雰囲気をすごく好きになり、仲良くなった友達ともう少しボリビアにいようと計画。首都スクレや鉱山の町ポトシ、最も栄えているラパスを旅する。途中外国人にはガソリン売らないよ、とかトラブルもあったけどほぼほぼいい思い出しかない。もうね、ボリビア最高です。

ボリビアの次はペルーへ。国境を超えたとたんシャイだった人間が明るくなった。同じアンデス系の顔なのにおおらかさが全然違う。国境を超えるたびに感じる驚きをそのままに向かった先はクスコ。マチュピチュの起点になる都市で規模はすごく大きい。メルカド(市場)も都市のサイズに比例して大きくなって周る楽しみが増えた。人々が生きている活力を強く感じた。

そして待望のマチュピチュへ。ここへ行くには何通りか方法があるが一番確実な方法であるオリャンタイタンボという村からの電車で行くことに。この電車が半端なく高い。一時間半で80ドル。ちなみにマチュピチュ遺跡も予約制でチケットを事前購入しなくてはならない。ここで色々事情があってバッグを盗難されました。私は全くの無事で、私がいない間に荷物を固定していたネットが刃物で切断されて持っていかれた感じでした。またエピソードに書こうと思います。マチュピチュ自体はすごくよかったです。あんまり遺跡とかに感動しないほうなんですが、それでもあの山の上にこれだけの古代都市があることには大きな驚きがあります。

マチュピチュ観光後、アレキパ・ナスカなどペルーの中でも有数の観光地を巡り、首都リマに到着。旅先でできたペルー人のご家族に家に招待され、至れり尽くせりな毎日を送る。カメラの動作不備やエルニーニョによる道路の寸断、経済面の不安など解消のため一旦日本に帰ることに。このお宅で一時帰国中のバイクの駐車スペースまで提供してもらう、本当に感謝しかない。あと、まだ三歳の娘さんがめっちゃかわいい。

ここまでが前回2017年の4月までのすごく簡単なあらすじ。

 

 

ペルーから帰国後も日本で過ごす中でこのサイトをどういう方向で運営するかは色々悩みました。その結果、今は無理して毎日書くんじゃなくて印象に残ったエピソードだけ抜粋して書けたらいいな、と思ってます。加えて旅の雑感として例えば「旅で印象に残った言葉」や「おすすめのアイテム」、また私の知っている「カメラの知識」について記していくようにしようと思います。

 

私はこのサイトが自身の旅の記録であると同時に何かの形で見てくれる人に貢献できるものになったらいいと思っています。写真を綺麗に撮って雰囲気が伝わるようにするのも、旅で得た知恵や知識を共有するのも、旅の情報や考え方を記すのも。

 

更新のない中、毎日のように見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 

ここペルーからまた旅を再開することにしました。
またどうぞお付き合いください、よろしくお願いします。

 

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