【ノルウェー】ガイランゲルフィヨルド

フィヨルドの上を走る天空の道、天気がいいときは本当に気持ちいいが、天候が崩れた後半はひどかった。

 

後半1時間は「寒い寒い」と呟きながら雲の中を抜けてキャンプ場にたどり着いた。

 

カッパを着ていたが何時間も雨にぬれるとさすがに無敵とはいかず、濡れたダウンジャケットは明らかに保温能力を失っていた。

 

そんな状態でたどり着いたキャンプ場には天候の関係で三日もいることに。しかも土日が重なったために、近くの町に買い出しに行っても観光向けの店しか開いていない。

 

仕方なくハンバーガーを頼もうとしたら一つ1000円を超えている。100円ではなく1000円である。

 

俺は泣きたい思いでテントに帰って日本から持ってきた豚汁の元をチューブからすすりましたね。

 

あれってそのままだとしょっぱいんだけど(当たり前)、水を飲むと薄まってちゃんと豚汁の味になりますね(当たり前)。

 

そんなテント生活も天候の回復とともに終わりをつげ・・・いよいよ出発。

 

展望台からはフィヨルドに囲まれたガイランゲルの町が広がる。きれいなところだ、雨さえ降らなければ。

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夏の北欧を走っていて思うのは、日本晴れみたいな一面快晴の状態がほとんどないってこと。どこかしらに雲があって、それが上を通り過ぎると少なからずパラパラと雨粒を落としていく。

 

ゆえにカッパは靴を履いているのと同じ時間装備するようになった。

 

そんな苦労も絶景地があればこそ。これで風車が立っていたら完全にジブリに出てくる風の谷だ。

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再び海抜が上がっていく。さっきまでの緑が嘘のように岩肌がむき出しになった荒涼とした原野に出る。フィヨルドは氷河に侵食された地形だが、隆起も重なってかなりの高さがある。

 

そのため、大した距離を走らなくても変化の激しい景観を楽しむことができる。

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湖のわきに佇むホテル。車が並ぶ駐車場もこの季節だけにみられる期間限定のものだろうなぁ。

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相変わらず車は少ない。もちろん走っていないわけではないが、前後に車輌がいないのがデフォルトになってきている。

 

おかげで余裕をもって走れるが、反面不安だったりもする。そんな状態で複数の車がのぼっていく道を発見。ついていくと・・・

 

すげー!ほかの惑星みたい!

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山の頂上ですな、完全に。ちょっとマレーシアのキナバル山を思い出すような風景だ。

 

よくわからなかったが、何かの記念日で普段有料のこの道路がタダだった。500mlのコーラが350円する国だから、ちょっとした支払いも小さくない。

 

一年に一日しかない日にあたるなんてラッキーだ。

 

駐車場に車を止めて下を見下ろす。ここは景観重視なのか、柵というものがない。

 

そのまま落ちると数百メートル落下することになる崖から恐る恐る下を見ると走ってきた道が細い線のように走っている。すごい景観だ。

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振り返るとまさに天空の道。志賀草津高原道路も素晴らしい景観が味わえるけどこっちは迫力がすごいなー。ありがたやありがたや。

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さきほど見たホテルが脇に佇む湖。近くで見たら「青いなー」と思ったけど、上から見ると本当に真っ青。

 

湖の右側から川の水が流れ込んでるんだけどその近くだけ色が薄い、いつか見た北海道の摩周湖と同じような色だ。

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絶景路といってもやっぱりバイクは疲れる。ときどき休んではバッグを下し、近くを軽く歩く。道の横にある用水路には山の水を運ぶ小川ができている。この水があの湖を作ってるんだなぁ。

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日が傾いてくる。かなり北方なので、夜の八時でもこの明るさである(日の出は六時前)。そりゃ、このまま北上すれば白夜にも出会えるかもしれないな。

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結局この日は走れるだけ走ったのが裏目に出たのか、キャンプ場にはたどりつかなかった。

なので再びその辺で野営。

 

どこまで北に行くかは決めてないが、しばらくは寒さに耐える日々が続きそうだ。

 

それでは!

 

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2 Comments EuropeNorthern Europe

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2 Responses to “ガイランゲルフィヨルド”

  1.  キンデルダイクからの絵葉書に次いで北欧からのお便りありがとう。野宿、食物、ゼニカネ、そして気候といろんな苦労をモノともせず元気に走っていますね。以前から思っていましたが本当に写真がいいですね。
     貴君が日本を発ってからはや1か月以上が経ちました。私の方、昨年一昨年と違って全く
    旅のない夏休みでした。猛暑の日は出かけるなど考えず、暑くない日は雨天で、貴君と違ってカッパ着てまで走ることもないのです。旅先なら当たり前なのですが・・・。一つだけ言えば、珍しく勉強した夏、とも言えます。そして現在は学期末の成績処理に追われてます。

     私が欧州、と言っても西ドイツ、東独、フランスに視察に行ったのは40年近く前で、
    多くの美術館などにも行き、美術の教科書で見た絵画、古い映画で見た石の建築や道路に
    今、向き合っていることに感動しました。(実はその最高はオイローパではなくタクラマカン砂漠でした。高校の教科書、地図帳で見た地球上の一点、その地は空に飛ぶ鳥なく地に走る獣なしただ白骨をもって道標となす、という唐僧の文に憧れていましたから。)

    でも、もう一つの大きい事は、西独、東独の都市でもう日本では見ないような爆撃の廃墟やアパートの出入り口に残っている市街戦の銃弾の跡でした。時代も大きく変わり、多分、貴君はそのような世界史の暗部を見ることはもう見ることはないと思います。でも、旅行ではなく旅をしている貴君のことですから多くのものを感じ取っていることでしょう。見た物の分析は帰国後にも出来ますので、毎日、たくさんのことを経験してくださいね。
     私も書き始めると長くなってしまいます。また旅先にお便りしますね。

    PS 隣町にゴジラが現れ、多摩川を挟んで自衛隊と激戦があったそうです、丸子橋が
      落ちたとか・・・。中原街道から自由が丘へ行けなくなりましたね!
      
                             

  2. >忠左衛門さん
    コメントありがとうございます、届いたみたいでよかったです^^写真ともどもブログを見ていただいてありがとうございます。
    日本の夏は暑すぎるので晴耕雨読とはいきにくいですが、それでもなお勉強されていたとは・・・すばらしい向上心ですね。
    出発前にお話ししたプログラミングの関係ですか?人にものを教えるというのは本当に大変ですね。成績処理もお疲れさまです。
     実際に目で見るのと教科書で見るのでは感じるものが大分違うことに驚いています。とはいえ、今は過激派による人口密集地
    でテロが起こりやすい時期なのでなかなか美術館に足を運ぶことが憚れますが、それでも多くを感じています。タクラマカン砂漠
    の唐僧の記述が文学的な中に無骨さがあってかっこいいですね。想像力豊かなら猶更惹かれるでしょう。
     ご明察の通り歴史の暗部についてはほとんど目にすることがありません。そういったネガティブな博物館にでも行けば話は別で
    すが・・・それでも時々目にする蚤の市で第二次世界大戦で使われた毒ガスマスクやナチスのバッジなどを目にすると感じることは
    多いです。おっしゃられる通り今は経験を最優先に、帰ってからいろいろな分析をしようと思います。
     お忙しい中、丁寧にコメントくださってありがとうございます^^九月とはいえ、まだ暑い日が続いていることと思います。くれ
    ぐれもお体にはお気をつけてお過ごしください。

    PS 実は出発前にその世紀の一戦を見ようと思っていたのですが、旅の準備に追われて目にすることができず・・・。中原街道から
    自由が丘に行けないとなると迂回路がまた混みますね。今度からはさらに迂回しないと(笑)

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