みなさん、こんにちは。撮った写真が多すぎてブログを書くのに四苦八苦している宮下です。
せっかく日記が追いついたんですがすぐに置き去りにしてしまいました、これ修行に近いものがあるな。
今回の日記はたぶん今まで一番長いです。時間に余裕あったら読んでください!
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先日、しばらく登山はやめます、とか言いましたがまた行っちゃいました。
栗駒山という山で秋田県、岩手県、宮城県の県境に位置する紅葉が非常に有名な山です。
名前も県によって異なり須川岳(すかわだけ)・酢川岳(すがわだけ)・大日岳(だいにちだけ)・駒ヶ岳(こまがたけ)などとも呼ばれるみたいです。
なんで山に、ましてや紅葉の終わったところに行くのか私もうまく説明できないんですが、仕事をやめてから自分の中で宙ぶらりんな感じが否めません。
ある程度の覚悟をもって旅に出たけど、心の中に「こんなことしてていいんだろうか」っていうのは消えません。
だから、なんかこうハードなことを自分に課さないと落ち着かないのかもしれませんね、まぁ山登りする人なら「そこで栗駒山かよ!」ってくらいイージーな山ですが・・・。でもまぁ、晩秋の山には晩秋なりのよさもあるし、いっちょ行ってみますか!
さて、秋田市を出発して栗駒山の須川温泉口を目指します。
走っていると妙な像を発見。
なんだ、コイツは・・・。ビックリマンシールに出てきそうです。
気になってバイクを停めたついでに近くのコンビニで飯を済ませる。東北も北部に差し掛かり寒さが身にしみます、温かい汁物が食いたいので朝はほぼカップラーメン。おっと、ちゃんと野菜ジュースの飲むよ!
暖を取ってまたバイクにまたがって風を切る、でもめっちゃ寒いので逆に切られてる感覚ですが。
頭の中が「寒い」って単語でいっぱいになったころ何かを通り過ぎました。
あぁ!!
さっきに仙人像のリアルバージョン!近づいて詳細を見ます。
「仙人像」・・・
これは何一つ明らかにならないパターン。ゲームとかだと懇切丁寧に村人が説明したりしてくれますが、現実生活ではそんなことありません。周りに説明の看板もなく、謎は謎のまま別れを告げます。
コイツなんなのかぜんぜんわかんなかったな、リアルな旅だなぁ。なんてちょっと感動しました。
道を進む。集落の間を抜けるたび里山の山肌がカラフルに染まっている。暮らしていて身近にあるとあまり意識しませんが、外から来た人間からすると感動するくらい綺麗な光景だったりします。私の地元は富士山の近くで朝起きたら必ず富士山がドンッ!て感じであるんですが、大学や就職で地元を離れると、帰る度にコイツでっけぇな、と思います。
この日は曇りが多く晴れ間が時折覗く天気でした。
だから走っていて紅葉がきれいだと思っても、すぐに光の入り方が変わるので見たときの感動を写真に残すのが難しい。でも全部晴れるってのも立体感がなくなったりするんで悩みどころ。
しばらくすると紅葉した山々に囲まれた橋に出ました。
本当に180度紅葉に囲まれて驚く、山間じゃないと見れない光景だね。
橋の名前を見ると「夢千人大橋」。
マジで!?ひょっとしてさっきの夢仙人!?
でも、それ以上の情報はありません。こういうどんでん返しがありそうでない、これがリアルな旅です。
そこを過ぎても紅葉する低山を楽しめる。いやー、最高の贅沢ですな。
紅葉の美しさに助けられ、寒さをそれほど意識せずに須川登山口につきました。
こういうシンプルなバス好きです。ちなみに栗駒山は写真の左に見える頂上がガスった山。
快晴の予報だったけど山ばっかりはわかりませんからな。それにめっちゃ寒い。ミシュラン装備なのに止まっていて寒いだと!?
栗駒山・・・フッ、この俺に本気を出させるとはな・・・
最終兵器ホッカイロを開封。
しかも秋・冬走行を考えてグローブをバイク用じゃなくてスキー用にしてますからね(何)。その中にホッカイロを突っ込み、自分のフリースの裏にベタベタ貼る。すぐには温かくならないがこの投資で登山中の自分が楽になるだろう。
ビジターセンターで地図を2枚もらう。これは前登った山の山頂で地図を飛ばされた人がいたためだ。山頂は地上とは風の強さがぜんぜん違う、それにシーズンを過ぎた山は人がまばらで人の列を追いかければ下山できるという安心感はない。ひとつを右のポケットに、もうひとつをリュックの下に詰め込む。
おっし、行こうか!
入り口には須川温泉がある。硫化物の匂いが漂う、湯の色は薄いエメラルドグリーンでちょっと草津っぽい。
あぁ・・・登山じゃなくてこっちに入りたいなぁ、と思いつつ歩き出す。
登山道ってペット禁止なんだね、まぁたしかにどこでも見ない。それに登攀は無理だろうしな。
すぐにフラットな道になる。ありがたやありがたや。
ところどころ紅葉が残っている。でも、大方散り終わって冬を待つ雰囲気だ。
進む。途中に「立ち止まらないで」の看板を散見する。まぁ、硫化物の匂いがするってことはそういうことだからな。撮影では止まらなきゃいけないのでせめて撮影設定は歩きながら行う。あらかじめ「いいな」と思いそうな場所をイメージしておいてそこに合わせて歩を進めながら設定する。
紅葉と湯気のコラボを温泉郷ではなく山の上で見ることになるとは・・・
湿地帯に出た、思わず尾瀬のことを思い出す。色んな場所に行くと光景がリンクして楽しい、行楽好きの人はたぶんこういう気持ちなんだろう。
分岐の看板をテキトーに見てまた歩き出す。靴が木道をはじく音が心地いい。景色もそうだが匂いや音も山を楽しめる要素だ。たとえば上高地を歩いているとふいに甘い匂いが立ち込める場所がある。それは桂(カツラ)の木から出ている。音についても一言で木道と言えど色々なタイプがあり、進める歩に返る音はどこも新鮮だ。
歩きやすい木道もあれば水がたまった池みたいな登山道もある。こういうところは濡れるだけじゃなくて多いにすべる。転んで服が汚れるくらいわけないが捻挫などの怪我につながるのはやばい。
だから散策路扱いのところでも登山道が混ざっているならちゃんと登山用の靴を履いてきたほうがいい。
はじめて長野県の駒ケ岳に登ったときに恥ずかしながらストリートシューズでチャレンジした。その靴のブランドは登山靴を専門につくるところで、その堅牢なつくりをベースに街でも掃けるようなデザインにしたものだったからだ。結果、重量物ともども自身を支えた足首はまるでジョイスティックのように動き回り、何度も捻挫しかけたのだ。もう絶対にやらない。
しばらく行くと開けた場所に出た。岩山が佇む広大な空間を草紅葉が彩っている。樹木は枯れているが厳しい岩山と相まって晩秋の寂しさや冬の厳しさの一端を感じさせる。感動しながら標識を見る。
「賽の頭」
・・・道、間違っちゃった。
でも、なかなか見れない風景なのでそのまま少し進む。
モルタルみたいな道をヌチャヌチャと音を立てて進む。それでも岩山にはまばらに紅葉も残り、気持ちが明るくなる。
木道にもパターンがある。ただ丸太がおいてあるものやしなるような厚さの木の板があるもの、柱に使えそうな立派な柱にパターンが彫ってあるもの。どれも人の努力でできたものだ、普段あんまり感謝しないけど(オイオイ)、こういうところは感謝しながら進む。素直にありがたい。
地球じゃないみたいなところに出た。砂利の色が明らかにヤバイ。
そしてヤバイのは道だけじゃない。時間もそんなに余裕がない。
栗駒山・・・フッ、この俺に本気を出させるとはな・・・
もと来た道を帰り分岐点まで急いで戻る。正規のルートに戻り、ヌタヌタの登山道を抜け、新たな分岐点まで来た。
いうなればさっきもうワンアウトだからな。ここでミスる俺じゃあないぜ!ってか、ここの分岐はどっちに行っても頂上に着くので間違いようがないんだが。
こういう分岐の選択にもちろん正解はないんだが、俺はコースルートの往路と復路の差がない方を選択する。往路と復路の差が大きいルートは難所といわれる急坂や登るのに時間がかかる登攀ルートがあったりするのだ。ハードさが欲しくて登山をやっているような感じだが選べる道は楽なほうを取る。この矛盾が人間なのです。湯気を噴出す沢を尻目にガンガン登る。他のシニアな登山者をごぼう抜きにする、どうせ撮影してると追いつかれるんだが。そういうちょっとがんばるペースで歩くと駐車場でつけたホッカイロが俺はここだ!と自己主張するくらい暑い。
途中登山ルートが沢で途切れていた。
そういえば○○沢ルートって書いてあったからな。増水注意ってのも頷ける。下を流れているのは温泉水なのだが人が落ちても大丈夫なんだろうか。秋の行楽シーズンに家族で楽しめる山と聞いていたがなかなかどうして・・・
栗駒山・・・フッ、この俺に本気を出させるとはな・・・
沢を登っていく。これは結構難所だぞ。普段出している、カメラをリュックにしまう。
コイツはちょっとやばいな・・・いつも登山していて思うことは初級者コースならリタイアしたおじいちゃんやおばあちゃんが登れる、ということだ。もちろん健脚で中上級コースに挑むシニアも数多くいるが、そんなコースは俺が無理なので、これがそのルートなのかどうかは常にノーマルシニアがクリアできるかどうかで判断している。
果たしてここはノーマルシニアがクリアできるんだろうか・・・ウチのじいちゃんじゃ無理だろうな。大股になり、ときにたち幅跳びを駆使しながら登っていく。
ちょっとしたら難所に来た。え!?マジか!?落ちたら機材ボッシュートなんですが。
でも崖の上を見ると踏みならした後がある。
そっか、あそこか行けるのかー。最近のシニアは元気だなー、オイ。
それを過ぎても難所は続く。2,30分は格闘しただろうか・・・今にも落石しそうな崖に囲まれ、身長が3mはないとよじ登れない滝に出会ったころ、疑念は確信に変わった。
また道間違っちゃった・・・
すでにぜーはーである。登攀がないルートと書いてあったのに岩を登り始めた辺で気づくべきだった。
すばらしく時間に余裕があった計画がガリガリ削られていく。
地図を見直すと沢を横切る点線が見える。○○沢コースって書いてあったから沢を登ると早合点してました。
実際どこで硫化物が噴出してるかわからないし、フツーに危ない。ってか人が踏みならした道を勘違いして進むのは遭難の典型的パターンだ。大勢の人に迷惑をかけるところだった、あぶねえ。
この沢は硫化物の匂いがまったくしなかったが(だからこそ進んだが)怖いのでぜーはー言いながらソッコーで戻る。
ツーアウトである。ちなみにスリーアウトになったら副人格と交換する(嘘)
正規のルートに戻ってきた。なんとも登りやすい登山道でヨチヨチ歩く老人も散見される。
ぜんぜん違うやんけ(白目)
時折振り返りながら階段をのぼっていく。駐車場で見た山頂にあった雲はどこかに流されていき、薄い雲がその座を奪っていた。といっても、風が強く雲はガンガン流れていくのでときおり晴れ間が顔を覗かせる。だから全部登って振り返るよりたまに振り返るほうが明るく綺麗な景色を見れたりする。
昭和湖に着きました。ここは登ってきた須川ルートの中継地点でこの先の胸突坂という急場前に休憩場所としてよく登山客がレストする場所らしい。水は強酸性のもので7月になるとあたり一面に高山植物が咲き乱れるんだそう。こんなところにも中国人の観光客がいるから恐ろしい、立山連峰にもいたしどこにでもいるなぁ。
休憩場所としてメジャーといっても誰かさんのせいで時間がない(白目)
余裕はあるが撮影時間も考えると先に進んだほうがいいだろう。急坂を上っていく。
振り返ると草紅葉が美しい。全盛期にはそれは見事な場所なんだろうな。
振り返ると少し力がわいてくる気がする。
でも足場に目を移すと水が湧いてるんじゃないかと思うほど水溜りがひどい。木道を滝のように流れている場所もあった。それでも太陽の光が差し込むとその水が光を反射して光の階段ができる。山では一喜一憂することも多い。
背の高さまであった植物の道を通り過ぎて少しだけ展望が開ける。遅れたことで山頂の天候が回復したタイミングにちょうど合いそうだ。
そんで着きました、天狗平。ここから頂上へすぐなのだが、何しろ風がとにかく強く、ガンガン体温を奪ってくる。さっきまで正直邪魔だと思っていたホッカイロに、いや、ホッカイロ様に感謝する。
この天狗平から見える山頂っぽいのは実はニセモノなんですよ、いうなればガッカリ山です。その先に栗駒山の山頂があります、だまされないぞ!
わしわしと登って奇岩を見送ります、あばよー!ガッカリ山ー!(失礼)
晩秋の山に紅葉の彩りはない。それでも色あせた場所には枯れ草が陽に輝く独特の色合いがあってそれが美しい。四季のある国に生まれて本当によかった。遠巻きに見える笹薮の道や落ち着いた彩りの斜面を雲の陰が流れていく。
そんでここを登ったら山頂だコラー!!
登りきりました。でも、そこに栗駒山山頂の標はない。
事前に調べてたのに・・・だまされた・・・俺はすごくガッカリさせられた・・・
でも、絶景だから許す!
このあと頂上まではなだらかな稜線を進みます。遠くに見える薄いグリーンの斜面みたいなのが好き。
あとでわかるんですがどうやら陽の光を跳ね返す笹薮のようです。通ってるとき鬱陶しさしかないんですが・・・
途中白人系のモデルみたいな美男美女カップルとすれ違いました。でも、臆してはなりません。気迫をこめて「こんにちは!」と言ってやらねばなりません、ここはジャパンではなく日本なのです。
よし、言ってやるぜ。
どことなく遠くを見ながら歩き、すれ違う前に
俺「k 白人カップル「こんにちは!」
負けた・・・なんだあの爽やかさは・・・
こちとらガッカリ山で寒風に吹かれて両サイドの鼻の穴から鼻水が今にも巣立ちしようとしてるんだぞ!
きっとグリーンランドとかそういう寒い国から来たに違いない。びっくりしてちょっと鼻水出た。
で、着きました。感動はありません。実はガッカリ山の景色が相当よかった。白人カップルにも負け、今はただ寒いと思うだけです。
あの中になんか神様が奉られてるんだろうが登山客が願いをこめて積み石するもんだから扉が未来永劫自然に開かない感じになってました。この石を全部押しのけて扉の中にたけのこの里を仕込もうと一瞬脳裏によぎりましたが、さすがに大人なのとブログが暖をとるレベルじゃなく炎上しそうなのでやめます。
ほかの登山道の景色も綺麗でした。
今回のオニギリは海苔がまったくないタイプです。変形すると海苔は裂けるからね、あれはヘビーデューティーには向いてない。今回のオニギリもカメラの機材に圧縮されてよくかわらで見かける平べったい石みたいになってました。寒風に前歯をカチカチ鳴らしながらたけのこの里をポリポリ食います。
途中女の子とお父さんの親子が登ってきて、女の子が「下界が見えないよ!下界が!」といってました。
お父さんは「下界見えるだろ!下界!」と返すんですよね。下界じゃなくて麓とか言い方あるだろうに。
もうね、お前ら親子の天狗か!って思いましたね。
親子の天狗の記念撮影を手伝い下山開始。せっかくなので帰りは産沼ルートという違う道で返ります。
笹の背が高く、ボクサーみたいに手を前にして進みます。鬱蒼としすぎ。
まぁ、景色はいいんですが。
その道も十分ほどで終わり、来たときと似たような景色に変わりました。
時折見える紅葉が美しい。
晩秋の道を歩くとこんなのも見かけます。業者の人が登山客の邪魔にならないよう枝を落とした後です。葉が生い茂る道では気づきにくい人のやさしさみたいなのが晩秋の登山道にはあります。
たまに見える紅葉の残り香に励まされ
絶望の悪路を気だるい足でやり過ごし
たまにみかける小さい秋に時間を奪われながら
最初間違ったところまで戻ってきました。
もうだいぶ陽が傾いています。入ってくる光がちょっと黄色い。
それでも西日の光を受けたススキが綺麗すぎて立ち止まります。
おお、輝いている・・・
ヤバイ、いい加減帰らないと。咲き遅れた紅葉に見送られて下山、いやー、長かった。ブログ的にも長かった。
駐車場に戻ってきました。栗駒山、そしてガッカリ山を振り返ると山頂付近だけが陽を浴びて赤くなっています。もう日が沈むなぁ。
あ・・・あ!
最後の最後、ガッカリ山から虹が出てました。やるじゃないか、がっかり山。
最後、相棒をパシャリ。このあと峠を抜け、岩手県の北上市までいきました。
まぁ、書いて思うんだけど日記が死ぬほど長いね。
今表示されてる文字数が6817文字だからね、自分で勝手に書いてるんだがこのままでは死んでしまう。
ってことでこれからはライトに書きます。
読んでくれたみんな、ありがとう!
それではまた!
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