みなさん、こんにちは。旅に出てから難読漢字のレパートリーがちょっとずつ増えてきた宮下です。

この日記は10月21日のものです。

やばい、だいぶ遅れてますね。がんばります。

 

この日は岩手県の猊鼻渓(げいびけい)、そして秋田県の小安峡(おやすきょう)に行ってきました。

猊鼻渓ってすごい字面ですが、猊ってのは獅子のことらしいです。

猊鼻渓はカルスト台地が砂鉄川にえぐられたカルスト台地で川の両脇に空を覆うような岸壁がそびえる岩手県ではじめての名勝地域です。その岸壁のうち、獅子の鼻に似ているものがあり、そこから猊鼻渓という名前になったとか。名勝に指定されたのは大正時代までも遡るが、その前は同じ地域に住んでいても知らぬ存ぜぬという人がいたほど秘境だったらしい。その理由は、身分制度が健在の時代、探勝(景勝地を訪ねて旅をする昔の観光)に来るお偉いさんを迎える労力があまりにかかりすぎるため、猊鼻渓を知る地方民がそのことを外に漏らさなかっただからとか。

そんな秘境の地も今ではGoogle mapで探すまでもなく街中ののぼりでたどり着くことができます。

この猊鼻渓は川とそれを挟む岸壁によって形成される景勝地なので徒歩で楽しむことはできません。乗船チケットを買って船から観覧します。ちなみに猊鼻渓のすぐ手前にあるサークルKサンクスでチケットを買うと100円引きなので浮いたお金でたけのこの里でも買いましょう。

 

猊鼻渓を形作った砂鉄川はその昔、刀を作る鉄を多く含む好物が近くで採れたためにその名がついたそうです。この川はびっくりするくらい流れが穏やかで水底も水面から20cmくらいしかないように見えました。観光客向けのやけに滑舌がいいずーずー弁の船頭が棒で船を押して川を上ります。完全な人力でライン下りを実施しているところは、日本でもここだけだと言っていました。

左は船の後方。船頭は「そこは玄関だから」と言っていた。

右は餌付けされたカモ。船でエサを買って与えることができる。横浜のディナークルーズでもカモメに同じことができたような・・・まぁ定番なんだろう。人間にも動物にもWIN-WINだし。

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で、肝心の紅葉は・・・

おお、ちょっと葉が落ちているけどまだ色合いが豊かですな。

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そしていよいよ岸壁が・・・!

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・・・あんまり迫力のない画になってしまいました。

実際はちゃんとすごいから!高さが80mとかあるらしいから!

 

まぁ・・・あとで人と比較した画もあるんでそれで勘弁してください。

 

そして崖の上の紅葉。PLフィルター入れてコントラスト強くしました。赤色がありませんが黄色の紅葉が空に映えて綺麗です。

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これは川に突き出した雨除の岩。船頭がここで雨を凌いだからその名前がついたらしい。

この猊鼻渓には数多くの岸壁があり、それぞれに名前がついてますが名札がかかってるので安心してください。風景を撮るにはちょっと不向きですが。

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渓谷というかほぼ崖なので光の入り方が場所によってはっきり分かれてます。

光が差し込んでいるような暗所や一面に光を浴びる場所など訪れる時間ごとに表情が変わる景色だと感じました。

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この猊鼻渓ライン下りは砂鉄川の上りと下りで90分程時間がかかり、そのうちのほとんどを船の上で過ごすことになります。ある程度入ったところで上陸して散策できますが、大体こういう風景をずーずー弁の説明を聞きながら通り過ぎていきます。

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ここは上陸前の風景。よくポスターで使われるのはここの画らしい。

乗っている場所で比率が変わってしまうがたしかに左右の岩のバランスもいいし、高さも出ていてポスターにしやすいだろうなと感じた。

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で、上陸。玄関で靴を履いて船外にでます。ヒャッホーイ!

人間と同じ高さから生えた木にはまだほんの少し紅葉の赤が残っています。

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そして観光客が立ち入ることができる最奥には大猊鼻岩という大きな岸壁があります。

コイツは高さが124mあります。写真拡大(画像クリックで大きくなります)してみると左下に人間がいるので比較になると思います。

自然ってすげーな・・・

 

たとえば3億円やるから定年までここと同じ深さになるまで岸壁を掘れっていわれたら・・・

いわれたら・・・あれ、やるかもしれないな。

 

金ってすげーな・・・

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紅葉をテーマに写真撮ってますが山とか岩とかあると紅葉よりそっちのインパクトがでかかったりします。色とりどりの感動よりその存在感に対する驚きみたいなのが優先的に想起されるのかな、なんて思います。

上陸箇所で撮った写真をいくつか。船頭さんも言ってたけど紅葉の季節が終わってもまた風情のある景色が楽しめると感じた場所でした。紅葉も主役を彩る背景ってかオプションのひとつなんだろうな。

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猊鼻渓、迫力ある場所だったな。

 

バイクに跨って秋田県の小安峡を目指す。

目指すんだが・・・猊鼻渓の近くには厳美渓(げんびけい)という景勝地がある。

ここは岩のタイプが猊鼻渓とは異なる・・・らしいので通り道だし、ちょっとだけ寄ろう。

 

で、着いたのがここだ。

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「ガラスパークサハラ」

 

ここは厳美渓の近くにある無料駐車場を備えた施設なんだが・・・すごくB級っぽい。

色あせた看板から塗装された当時は相当うるさい色が多用されたように思う。

 

時代遅れの施設郡、そこに流れるELTのTime goes by。狙ってるんだろうか。

駐車場にバイクを停めて歩き出す、日本縦断の旅の途中でガラス細工を買うほどそこまで芸術に飢えた生活をしてるわけでもない。むしろ日々芸術の中で過ごしてるようなものだ。無料駐車場らしいがお土産も買わない分、自販でジュースのひとつでも買っておこう。

歩きながら自販を探す、でも目に付くのはぜんぜん別のものだ。

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え?この情報いる?

いや、俺は別にここの施設のプロデューサーとかじゃないし何があってもいいんだけどさ・・・

バブル世代の人たちはこれを見て「お、俺たちもようやく北緯38.50°まで来たな!」とか話したんだろうか。

 

こういう情報の標識って兵庫県の明石市とか本州の端っことかだけだと思ってた、また見聞を広めてしまった。

これは水が抜かれた噴水と露になった人魚姫。人魚姫は96年製らしいのこれだけ色あせても19歳なのだ。

節目の二十歳を迎える来年までにこの施設がなんとか復権して欲しいと願うばかりである。

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徒歩2分くらいで厳美渓に着く。ガラスパークサハラの立地の良さに感謝。ちなみに紅葉はほとんど終わってて赤色が残ってる部分だけ写真で撮りました。ずーっとこういう景色っぽいので早々に撤退。

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五分歩いた中でもっとも色の組み合わせが多かった場所。ごみ捨て禁止じゃなくて「絶対捨てないでください」。「ポイ捨て禁止」とかの表記よりこういう口頭で使われる言葉尻の方が頭の中で音を再生したときに強い意志を感じます。

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また駐車場に戻る。ガラスパークサハラから厳美渓に向かう途中にあるガラスの小道。

通過するだけで強制的にノスタルジックな気分になるが、この小道にはガラスで描かれた絵画が陳列されていて、クリムトの接吻など有名作を描いたものもあった。ガラスであんな綺麗に描けるもんなのかーと素直に感動。

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なんかガラスパークサハラをディスった感じになってしまいましたが、展示されているガラスはどれも高い技術が必要だとひとめで分かるものばかりだし、おしゃれな喫茶店も営業していてそこそこ人も入ってる印象でした。俺がもし豪邸を建てて玄関がちょっと寂しい感じになったらまた来るぜ、あばよ、サハラ!!

秋田県を目指してひた走る。わき目も振らず、、、とはいかず怪しいところがあったらすぐに止まります。

やたら青い池を発見したので停車。すげーな、北海道でみた青い池より青いぞ。

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青い、青い、青い・・・

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これ紅葉が全盛期だったら相当な観光スポットな気がする。

 

矢櫃(やびつ)ダムって看板と磐井川(いわいがわ)って標識があったんだけど具体的な場所名とかはわかりません。撮影もそこそこに青い水面を木々の合間に見ながらまた出発します。反射された光が心地よいまぶしさでした。

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その後山間の峠道を走り・・・橋で止まっては谷間に広がる紅葉を撮影し

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たまに遠めに見える崩壊した橋に恐怖しながら

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小安峡に続くトンネルに着きました。

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ここまで来たら10分足らずで小安峡です。もう日も暮れ始めていますが、ここら一帯がそれなりに紅葉してるのでまぁ、ゆっくり進んでもよしとしましょう。そんな風に甘く考えていて・・・

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小安峡についたときには、谷間が完全に日陰になってました。

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やっちゃった・・・これだと色があんまりでない・・・

観光協会に行ってよさげなところを聞いてもトレイルルートは片道1時間弱かかるとのこと。

帰り道は真っ暗になりそうです。小一時間くらいで行けるところもないとのこと。

 

しかたなく同じところに戻ってカメラの機能で鮮やかに撮ろうとしていたとき・・・

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谷の底に道を発見!!しかも蒸気っぽいものが噴出しててなんか楽しそう。

 

あるじゃん!それっぽいところあるじゃん!

 

近くの駐車場にバイクを停めます。

すまんが今用事があるのは谷なのだ・・すまん・・・

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山形県の面白山もそうだけどちっちゃい山って俗称とか地元の人でつけちゃっていいんでしょうね。

この山もスキー場などのレジャー施設があったりするらしいです、昔だったら必要以上に絡んでたんですがその辺はもう大人になりました、さらば。

階段を下りて谷底へ。葉も落ち気味で紅葉終盤といったところでしたがそれでも色はまだまだついていて、見ていて気持ちがいい。日陰ですが。

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さっき上から見ていた橋が見える。これを望遠鏡でのぞいたらさっきの自分が見える、とかだったら世にも奇妙な物語でありそうですね。

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問題の箇所へ・・・

おお・・これけっこう・・・ヤバい量だな。

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勢いがよすぎて湯気だけじゃなくて飛まつというか水滴というか塊がバンバン飛んでました。

これが普通の水だったらいいんですが、温泉成分を含んだものだとカメラがやられますからね・・・

少々めんどくさいがバッグに詰め込んで弱くなったタイミングで特攻。

 

ハイ、まぁ別に大丈夫です。

浴衣でみんな通過したりしてるから当たり前なんですが。

 

枯葉が川に漂ってたので長時間露光で撮影。

こういうのも秋っぽいよなぁ。

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しばらくすると蒸気のレベルが5くらい上がってて向こう側が見えない。

それにたじろぎ通路の前で立ち止まるおばちゃん。

 

携帯を一瞬みて・・・

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行ったーー!!!

霞の中に消えてゆく彼女とついぞ再会することはなかった・・・

 

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まぁ、普通の蒸気なんですがね。

こう、一人で旅してると些細なことをいじくりまわして楽しくしようという現象があるんですよ。

再会もなにも進む方向も逆でしたしね。

 

たまに振り返ってここまで来た道を見やる。夕方ギリギリに来ちゃったけど楽しめたなー。

ありがとう、子安峡。

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最後の階段から見えた紅葉で今日の撮り収め。ここ見てたら温泉に入りたくなったので街に戻ったらどこか探そう。

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明日は天気が良ければ塔のへつり、ダメならいったん神奈川へ行ってバイクの整備とかをしてもらう予定です。それでは!

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2 Responses to “二十一日目:岩手県 猊鼻渓(げいびけい)→秋田県 小安峡(おやすきょう)”

  1. もう東北は紅葉が散り始めてるのね
    てか、気づいたら折り返してるじゃん!

    倒壊している巨大建造物は怖いです、、、
    地震のあと、復旧予算がつかなかったのかね

  2. >>まっつん
    東北は大分散ってる感じだね。ただ、青森の奥入瀬とかが終盤に来てるから北東北が最初に終わるかっていうとそうでもないという・・・
    まぁ、難しいなと体感してます。予想以上に東北の秋が長くて、若干遅れてるからそろそろ行かないとw

    やっぱこれ地震なのかなー、橋って支えがないとああも曲がるもんなんだね。その上を普段走ってるって怖いわ。

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