みなさん、こんにちは。旅バイクなのに交差点で豪快にウイリーした宮下です。
夜の知らない街ってのは簡単な道でも間違いやすいんですよね。
そのときも直進したかったのに二車線の右を進んでたらいつの間にか右折専用レーンになっちゃってたんです。
やべーなーなんて思ってたら、ちょうど信号で止まったんですよね、直進レーンを見ると大型のトラック。
私の後ろは右折車で詰まってたんで、直進レーンがはけるのを待っていたら後ろがかわいそう。
だから信号変わったらすぐトラックの前に出れば問題ないだろう、なんて安易な気持ちでした。
250ccの小さなバイクで荷物をしこたま積んでても、まぁ仮にもバイクだからトラックには負けないだろう、と。
信号が赤から青に変わる。
その瞬間、いつもよりアクセルを開く。
するとね
前タイヤがフワッと浮きましてね、さっきまで天を仰いで見ていた看板が妙に見やすいの。
あせってハンドルをグリグリやるんだけどね、しっかりまっすぐ進みましたね。まぁ、浮いてるから前タイヤ関係ないもんね。
メリットとしたらそのあと、後ろのトラックがやたら車間あけて走るようになったね。
いやー、悪いことしました。
この日記は11月9日、旅に出てから40日になりました。
節目ですよね、40日。
ここまでの走行距離は約10000kmだね。
平均して250km/日走ってる計算ですね、そりゃおケツ二等兵も殉職するわ!
出発前にタイヤ替えたんだけどなー・・・スリップサインまで来てるから替え時だね。日本は広い!!
とはいっても旅が続くことに変わりはない。
今日は兵庫県をウロチョロしようと思う、よかったらお付き合いください
この日は兵庫県の北部にある但馬方面に向かいます。
目的は二つあってそのうちの一つが但馬安国寺(たじまあんこくじ)、和室からのぞくダンドウツツジで有名になったところです。
ここで見れる画がすごいんだって!一回「但馬安国寺 紅葉」で画像検索してみて、素直に見てみたい。
あとひとつは宗鏡寺(すぎょうじ)という沢庵漬けを考案した沢庵和尚ゆかりのお寺。沢庵和尚は剣豪・宮本武蔵や柳生十兵衛の兵法に影響を及ぼしたとも言われ、書画や詩にも通じたという。私の好きなバガボンドという漫画にも出てきますからね、そういうところでも興味あります。
さっそく神戸市の宿を出発!
で、但馬安国寺に到着!!
・・・なんかあっさりでごめん。本来バイク旅のおもしろさはこの目的地に至るまでのプロセスにあるんだよ。だからちょっとした気づいたことがあったりするとバイクを道の脇にとめて、それを挿絵にいろいろ書くと旅情が沸くんだろう。
でも、まぁ、写真がカオスな数になっちゃうからな・・・
三分クッキングみたいだけど着いたものは着いたということにしよう。
この安国寺は紅葉の時期しか一般公開されていない場所。有名なことは有名だけどお寺自体は決して大きくはなく、本当に和室からドウダンツツジを見るためだけに全国から人が来る。
それくらいすごい。
とりあえず来たからにはお線香立てないとね。こういうところでマナー知らないとちょっと手間取るんだけど大体前の人に合わせればいいだろう、くらいにしか思ってない。ってか、全国的な常識ってあくまで最大公約数っぽいだけで局所には通じなかったりする。
たとえば二礼二拍一礼が一般的な参拝方法だが、出雲大社では二礼四拍一礼が推奨されている。
なぜ四回も手を叩くことになったのかは不明だがそういうことになってるんだからしょうがない。
だからなんとなく、それとなく長いものにぐるぐる巻かれる努力をする。
お寺についての説明書きはネズミーマウスが風からガード。
さすが仕事を選ばない。
靴を脱いで和室に入る。
昼前には到着したがいかんせん人が多い。
靴を下駄箱の脇にどけ、和室にお邪魔する。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これはすごい!!
見た瞬間、一瞬固まったぞいやー、コイツは見事!!
自分の中ではある程度、絶景慣れしてると思ってた。
でもここで受けた衝撃は忘れない。日本人の美的センスすごい!決して西洋に劣らない。
混み混みだから順番で写真を撮る。
この景色はもちろんだが、そこに係りの人が撮影を手伝ってくれ、記念写真を残したりできる。人間の目は賢いので、暗がりの明かりを調節して光が足りなくても色がつく。でも、カメラだと階調補正機能(HDR)というのを使わないといけない。これは明るい写真・普通の写真・暗い写真を撮ったあとに合成して、暗い部分につける方法のことを言う。ただ、それは三脚がほしいところなので、あまり現実的ではない(畳などは三脚をつかうと傷む可能性があるのでたいていの場所で禁止)。フラッシュがあるじゃんっていうかもしれないけど、安いフラッシュだと肌がテカテカになったりするからな・・・結果、できる写真はシルエットのみになるため、オシャレさんは注意したい(ここはシルエットのみのほうがカッコイイと思うけどね)。
いやー・・・ホント来てよかった。この旅でも上位に入る感動だった。
あまりの美しさに言葉のあやとかじゃなくマジで小一時間はいた。
これでも八割五分の色づきだという。
ただ個人的にはかすかにグラデーションに残るこのくらいのときが好きだ。
いやー・・・良いもん見たな。これはあの世で先祖に自慢できるレベルだぞ。
満足満足で駐車場に戻る。この日は曇り・雨の予報だったから光に影響されにくい建物の撮影に切り替えた。10回のうち1,2回はある功を奏したパターン。
名残惜しくもあるけど次の目的地、宗鏡寺(すぎょうじ)に向かう。安国寺から下道で30分ほど走ると着く、そこら一帯が観光地なので人は多いがそれでも平日ということに助けられてスムーズに到着することができた。
入り口前のダルマ和尚。ひょっと沢庵和尚か?とも思ったけど聞ける人もいないのでその疑問を放置。
これを見て北海道のクマの木彫りを思い出した。
途中のマンホール。観光地ならではのユニークなもの。
こういう細やかな気遣いしてるというか、徹底してるところは一流の観光地だなーって思いますね。
ちなみにライダーを殺しにくる道のエネミーたちにカーブに佇む雨の日のマンホールがある。
マンホールはなんとなくあるわけじゃんく、メンテナンスすべき場所に設置されており、下水道が詰まりやすいカーブの各所に点在している。大体等間隔に設置されているので走りながらマンホールがどれくらいある道なのか把握するとたぶん死ににくい、たぶんな!
ちなみに出会った場合、二種類のパターンがあってひとつはそのマンホールを避ける派。争いは避けることなかれ主義で割と余裕を持ってカーブを曲がる。ふたつめは滑るの覚悟派。別に気にしないというのではなく、下手に避けようとするとカーブの軌道が乱れて危ないので滑るの前提でなるべく真っ直ぐ上に乗ろうというパターン。ちなみに私は後者です。
よし、また読者の人の生きていて役に立たない知識が増えた。そういうことに喜びを感じてブログを続けたい。
300円の拝観料を払って中へ入る。丁寧に揃えられたツツジは真っ赤に萌え、美しいグラデーションの通路を作っている。
順路を進むと庭に出た。ただこの庭の紅葉がイマイチ進んでなくて・・・それっぽい画を撮って次へ。
生した苔の上に落ちる色づいた葉、その上からさらに鮮やかな山吹色を重ねていく紅葉。
日本に生まれてよかったなー。
自然の色って鮮やかでもうるさくないもんね、建物にかぶっても邪魔にならないし。
そういう調和がとれるように庭を造ってんだろうな、沢庵和尚やるなー。
雨滴に濡れた葉も綺麗。
庭自体は美しかったけど、紅葉で色づいた木もあればまだまだ真緑のモミジもあってちょっとバラバラでしたな。延々と流れる沢庵和尚エピソードはイメージと違って面白かった、そういう情報ありきの寺散策は楽しいな。ありがとう、宗鏡寺。
さて・・・目標を達したな・・・
ホントはここからさらに西の豪渓に行こうと思ってたけど、ちょっと時間的に無理だな。
城下町でもウロチョロするか。
さっき見たオシャレマンホールを通り過ぎて城下町を歩く。ここは出石という場所で出石城から広がる城下町なのだ。
中心が城なんだったら城から見なきゃいけないんじゃないの!?ということで出石城を目指す。
でも途中にたくさんの鳥居があって写欲をそそられる。
こういうのって寄贈されんのかなー。京都にある伏見稲荷大社にはほど遠いが、それでも多いな。
鳥居って本来神様と人間が住む場所を分けようっていう境界線で立てられたんじゃないっけ。
まぁ、いっぱいあって悪いこともないのかな。これって建造するとき奥から順に立てないと作りにくそうだなーとか考えながら歩く。
一番上には狐、狛犬じゃなくて狐。うしろのイチョウが風もないのに大量の葉を散らしてた。
紅葉自体が葉を散らすためのメカニズムだけど、それに加えてあいつら絶対自分から葉を落とす機能みたいなのついてるだろってくらいガンガン落ちる。たしかに紅葉全盛期を間近で見るのは難しいんだよなーと実感する。
鳥居と紅葉。いい色の配置だから三脚を出して撮影。人がまばらな時間しかできない、これは贅沢だなぁ
ちょっと階段を外れて苔の合間を歩く。ここが何なのかぜんぜんわかんないけど綺麗なもんは綺麗として別問題じゃー!
モミジの上に色づいたイチョウが重なっていた。目を見張るほどのものじゃないけど(失礼)、なんとなくレアな光景だから撮影。
川に浮かぶ色づいたイチョウ。これたぶんここに生えてる大きいイチョウ一本だけの落ち葉。毎年これだけの葉をつけては落しってのを何十年も続けていく、植物すげー。
江戸と昭和のにおいがする城下町、出石。ミシュランガイドにも載ったソバ屋さんで腹も含めて満足の散策だった。いやー、よかったなー。
飯を食ったらもう日が沈んで暗くなっていた。
さて・・・宿に行ってもいいが・・・
でも昼間の安国寺が忘れられない。
あの美しい景色、ライトアップもされるらしい。
それに未練もあった。撮影した画角や撮影モード、水平調整、各種設定、人がたくさんいただけに焦って丁寧さが足りない撮影になっていた。
よし、もう言い訳できないくらいあの景色を丁寧に撮影してから兵庫県を出よう。
また来た道を戻る。
私は誰もが評価する美しさというのは正直なところわからない。
日本のサラリーマンが一生をかけて稼ぐ生涯収入をはるかに凌ぐ額が絵画につけられる意味も理解できない。
でも自分が美しいと感じるものはわかる。
だからそれを丁寧に撮る。
経験不足でも腕がなくても、大事なのは没頭することだ。
構図、レンズ、画角、F値、シャッター速度、ISO感度、WB、水平・垂直の傾き、デジタルフィルター・・・一度にできないなら何度でも通えばいい
没頭して、集中して、美しいと感じたものを私は丁寧に残せる人間になりたい。
そしてそうなるためにはずっとそれを続けていくことだ。
そうやってできた写真で誰かに少しでも何かが伝わったら、それは幸せなことだと思う。
撮影の合間
ひょっとしたら、自分が死ぬ間際に思い出す景色のひとつになるかもしれないと感じた。
それくらい、私にとって美しかった。
錦秋の風景はどこもすばらしい、思わず笑顔になるような、知らない人が大勢いる前で感嘆の声を上げるような、そんな場所は少なくなかった。これからもおそらくそうだろうと思う。
でも、ここまでのってあるかな
たぶん個人の感性によるものなんだろうが・・・
この日、この場所に行けたこと。
旅に出てよかったな。
ここだけ釣りが来る。
最後にライダーらしくヘルメットを置いて、記念撮影。
いろいろな思いが胸を去来する。
この日はこの景色を反芻しながら寝ようと思った。
明日は香川県の小豆島(しょうどしま)を目指します。
それでは!
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素晴らしいな。一度肉眼でみておきたい景色だ。
>ケースキー
これは本当に一見の価値ありだと思う。境内の裏にあって風で葉が落ちにくいから長く楽しめるそうな。
ただ、公開日が決まっているからそれに注意して事前に電話でドウダンツツジの状態を確認したほうがいいと思う。
見たらきっと感動すると思う。