ペルーのワラスで犬と事故った日、ラグナ69へのトレッキングを終え夕方に宿に着いた後、宿のオーナーにこの町に来た目的のサンタクルス谷のトレッキングに参加したい旨をツアー会社に伝えてもらう。

海外ではよくある話だが(日本でもありそうだが)、同じ内容のツアーでも頼む場所によって値段が違うということがままある。値段交渉ももちろん影響するが、そもそもスタートの価格が全く違うなんてことがフツーにたくさんある。

旅行者に人気のサンタクルス谷トレッキング(3泊4日)もその一つで、事前に入手した情報と町で聞き回った情報によると同じような内容でも250ソレス(8250円)と250ドル(28000円)の違いがあった。

最初250ドルと聞いた時にはツアー会社の人間が間違って言っているのかと思ってスペイン語で聞き返すほど驚いた。

こういうトレッキングは世界中でヨーロピアンに人気で、お金を持っている人が参加するので別にそれは私がどうこういう問題ではないが、そこに巻き込まれるのはちょっと避けたい。

 

サンタクルス谷のトレッキングは正直ツアーに参加する必要がないほど難易度が低いと言われている。

太陽がのぼっていれば間違いようのないほど明確な一本道、水が簡単に手に入ること、何よりアップダウンの少ないなだらかなコース。

それでも今回ツアーに参加したのは、ドンキーと呼ばれるロバに荷物を持ってもらえ、且つテント・寝袋・毎回の食事等もツアー会社が負担してくれることだ。

半年前のマチュピチュでテントを取られてから、テントのない旅をしているし、星空を撮影するための機材が重いということもあったので、ここはツアーで行こうと決めていた。

 

結局最安値の250ソレスで行ける方法は、ワラスの入口にあるEl Tamboという安宿のおばちゃんを通してツアー会社にお願いするということだった。

この宿はドミトリー(相部屋式)だが、Wifiも使えて一日330円という破格の値段である。

トレッキング中でも荷物を無料で預かってくれ、宿の床が恐ろしいほどギシギシ軋む以外はとてもいいところだ。

ラグナ69から帰ってきたばかりだが、早く寝れば明日でも大丈夫だろう。さっそくおばちゃんに連絡してもらう。

 

その結果、お安いツアーに参加するにはあと二日待たなくてはならないことが判明した。

理由はペルー代表の南米予選突破をかけたサッカーの試合が二日後にあるから。日本でも熱烈なファンがいるサッカーだが、ここ南米は強豪ぞろいでサッカーにかける情熱のレベルが違う。

実はこの数日前、ペルーのリマに滞在していたときも、サッカーvsアルゼンチンの試合があって、試合の始まる前に、敵国のチームカラーである青い服を着ての外出は控えろというお達しがでた。

もし試合で負けたら腹いせにボコられる可能性があるという(特に今回は30数年ぶりのワールドカップ出場がかかっていて、歴代でもかなり強いチーム構成らしい)。

今回電話したツアー会社もサッカーの試合のために仕事を休みにして観戦したいということだった。

 

二日かー?やることが二日もないだと!?ブログを書・・・そうだ、バイクの修理をしよう。次の朝の一番で犬との事故で壊れたバイクを修理することにした。

 

 

翌日さっそく拙いスペイン語で宿屋のおばちゃんにバイク屋を聞く。

いやな顔一つせず丁寧に説明してくれたが、肝心のバイク屋については「この辺にあるから聞いてみて」ということだった。

まぁ普段使ってないのにそこまでわかるほうがすごいんだが・・・いつも海外でホテルなんかを聞くとき、聞く側ながら明確に答えることができる人はすごいと思う。

もちろん町の規模が日本とは全く違うし、たまたま知ってるだけなのかもしれないが、「コインランドリーはどこ?」とか「この近くの安宿を知らない?」とか「バイクの駐車場はどの辺にありますか?」とか、日本で自分の住んでいる街について答えられる自信が全くない。

 

なんとなくおばちゃんに聞いたところまで行って、聞き込みを開始。

道行く人によって聞き込みを続けるとおばちゃんの言った場所からどんどん離れていく。

結局5回ほど聞いてまるで違う場所に着いたので諦めて警察に聞くことにした。もし海外旅行で道に迷ったら白バイを近くに停めている警察官に聞きましょう。運がいいとそこまで連れてってくれます。

この日も三分くらいやり取りをして「こいつ言葉話せねぇ・・・」と悟った警官は「Vamos(行こう!)」といってバイク屋まで連れてってくれた。

 

バイク屋についたのは朝九時を過ぎたところで、ちょうど店の親父さんが眠たそうな顔をして出迎えてくれる。警察官は2,3言やり取りをすると持ち場に戻っていった。ありがとう!

 

 

事情を一通り聞いた後、さっそく修理を始めてくれる。日本のようにあらゆるパーツがそろっているなんてことは一切ない海外なので、必要なものは代替品をその場で作るというスタンスだ。時間はかかるが、わりと耐久度が高いものが思わず手に入ったりして、なかなかワクワクする。

 

例えばこれも自分で作ったらしい。よくコンクリートの中に通す鋼材をハンマーに代用。使えればいいを地でいく日常がそこにある。

 

 

 

話していると常連らしき人たちも集まって来る。彼らはもちろん生活にバイクを使う人たちだが、やはり自分が移動して色々な人たちと会うタイプなので、こちらに興味を持って話を聞いてくれる。簡単なスペイン語でこちらがわかるように話してくれ、自然とお互い笑顔がこぼれる。店内のゴチャゴチャも海外のバイク屋っぽくていい雰囲気だ。

 

このバイク屋のおじさんはお母さんが日系人で、日本語は全く話せないものの日本に親しみを感じているらしい。はっきりと日本が好きだと言っていた。

常連客が日本のことを色々言っても(場所がどこにあるとか中国人と何が違うとか)、すぐに訂正している。なんとなく聞いた感じだと結構正しい知識を持っていてびっくりする。日本人で南米の国名と場所を正確に言える人は結構少ないだろう。

 

さすがルーツを日本に持つ男である。

この男にならバイクの修理を任せられる、そう感じさせた。

 

そのおじさんがゲットした中でも一押しという日本製のパーツがこれだ。

 

 

 ああ、一気に不安になってきた。

これブレーキパッドだからね、命を守る要のパーツ。

 

最後の一文がね・・・あなたの命と安全を保障しますって言いたいんだろうが・・・

 

まぁ、見分けられないよね。

 

とりあえず現段階で、ここにある一番の日本製なのはおじさんが来ているTシャツのロゴね。

 

ロックマン、こいつは日本製だよ。

 

 

 

修理の途中に来た少年たちのサッカーボールに空気を入れてあげるおじさん。

こういう日常のワンシーンが地球の裏でも同じ人間が生きているっていう当たり前の事実に感動する。

 

 

話の中ででてきたが、ペルーではバイク乗りが買わなければならない保険があるらしい(今更)。入国当初バイク乗りに聞いたら「日本語がペラペラなんだから、日本語で事情を話せばだれもお前を責めないぜ!(笑)」みたいなことを言われたが、犬とぶつかってからやはり完全に他人事ではないと再認識。いい機会だし、おじさんに聞いてみよう。

 

「ああ、それなら姪が働いてるここからすぐのところで帰るよ、電話しようか?」

 

 

ありがTEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!

 

思わずテンション高めで口にしたら時間が止まったように動かなくなりましたね。

クールさがいかに大事か思い知りました。

 

 

そして修理を終え、今更ながら修理費の値段交渉を終えて、記念撮影を取らせてもらう。

ありがとう、アミーゴ!!

 

 ・・・あれ?ロックマンは?

 

直ったバイクはやはり気持ちがいい。

すぐに目的の場所に到着、連絡を受けていた女性と保険のやりとりをする。

 

 「1年間で350ソレスよ(11550円)」

 

ふむ、高い。いや、日本の感覚で言えばそうでもないかもしれないが、何せ今泊まっているホテルは一泊10ソレス(330円である)。日がな一日YouTubeを見ながらダラダラと過ごし、へそにカビが生えるような一カ月を過ごせる値段である。

 

「え!?高くない!?一カ月のとかないの?」

 

考えてみてほしい。日本の自賠責を一カ月単位で買えるようなことがあるだろうか。

完全に困った客だが海外は交渉の世界で思ったことは言わないとどんどん流される。日本のように相手の気持ちを汲んだりはしない、というか希望があるならほっといても言うでしょ、というスタイルな気がする。

 

「ちょっと待ってて、上司に相談してみるから」

 

しばらくたって戻ってきたお姉さんは笑顔で言った。

「一カ月240ソレスでいいいそうよ(7920円)」

 

・・・割高になってない?全体はたしかに下がったけど一カ月あたりの値段が急騰してない?

 

その後、なんとかやりとりをする。電卓はうそをつかないのでやはり威力が違う。もう一度その場でボスに電話をしてもらい、結局2週間120ソレス(3960円)でお願いできた。あんまり攻めると「他でどうぞ」と言われるのでわりといいところに落ち着いたと思う。日本で考えると割高だが、この南の危険極まりない交通事情を考えると、安い気がする。

 

文章にするとこんなものだが、朝から夕方の手前まで一日かかってしまった。

でも、これで後顧の憂いなくトレッキングできる。

 

改めて色々な人に助けてもらっていることを再認識する一日だった。

次はサンタクルストレッキングについて書きます。

 

それでは、また。

 

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